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職務経歴書の「データ」活用術!作成・保存のルールから数値でのアピール方法まで

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転職活動における「職務経歴書とデータ」には、大きく分けて二つの意味があります。一つは、作成した書類をPDFやWordといった「デジタルデータ」としてどう扱うかという形式面の話。もう一つは、自身の業務実績を客観的な「数値データ」としてどう表現するかという内容面の話です。

書類選考をスムーズに通過するためには、この両方の「データ」を適切に扱うスキルが求められます。ここでは、採用担当者に好印象を与えるためのデータの作成・保存・提出のマナーと、実績をより魅力的に伝えるための数値データの書き方について詳しく解説します。

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パソコン作成が基本!職務経歴書データの作成・保存ルール

かつては手書きの履歴書が誠意の証とされることもありましたが、現在の転職市場、特に職務経歴書に関しては、パソコンで作成したデータがスタンダードです。これには明確な理由があります。職務経歴書は情報量が多く、手書きでは修正が困難であることや、ビジネススキル(PCスキル)の証明にもなるためです。

最適なファイル形式はWordかPDFか

職務経歴書を作成する際は、一般的にMicrosoft Wordを使用します。ExcelやPowerPointでも作成は可能ですが、文書作成ソフトであるWordが最もレイアウトを整えやすく、採用担当者にとっても読みやすい形式となります。

保存および提出をする際のファイル形式については、「PDF」に変換するのが鉄則です。Wordデータのまま送付すると、採用担当者のPC環境(OSやソフトのバージョン)によってレイアウトが崩れてしまったり、誤って内容を編集・削除されてしまったりするリスクがあるからです。PDFであれば、どのような環境でも意図したレイアウトで表示され、改ざんのリスクも防ぐことができます。ただし、応募先企業から「Word形式で提出してください」と指定がある場合は、指示に従ってください。

採用担当者が管理しやすいファイル名の付け方

作成したデータをメールで添付したり、転職サイトにアップロードしたりする際、意外と見落としがちなのが「ファイル名」です。「職務経歴書.pdf」や「syourei.doc」といったファイル名では、採用担当者が保存した際に誰の書類か分からなくなってしまいます。

ファイル名は「日付+氏名+書類名」の形式にするのがビジネスマナーです。具体的には「202X0101_転職太郎_職務経歴書.pdf」のように設定します。こうすることで、採用担当者はファイルを開かなくても「いつ」「誰の」「何の書類か」を一目で判別でき、データ管理の手間を省くことができます。こうした細やかな配慮も、実務能力の一つとして評価されます。

実績は「数値データ」で語る!評価される書き方のポイント

ここからは「内容面」におけるデータの活用について解説します。職務経歴書において、自身のスキルや実績を伝える際、最も説得力を持つのが「数値データ」です。「頑張りました」「貢献しました」という定性的な表現は主観に過ぎませんが、数字は客観的な事実であり、誰が見ても評価が変わらない共通言語だからです。

プロセスと結果を定量化する

実績を書く際は、可能な限りすべての要素を数値化できないか検討します。例えば、営業職であれば「売上達成率120%」「新規顧客獲得数 月間10社」といった成果のデータはもちろん、「1日平均50件の架電」「訪問件数 月間30件」といった行動量(プロセス)もデータとして記載します。

また、事務職や企画職など、直接的な売上数字が見えにくい職種であっても工夫次第でデータ化は可能です。「業務改善により作業時間を月間20時間削減」「備品発注の見直しにより経費を年間10%削減」「社内イベントの参加率を80%から95%へ向上」など、Before(改善前)とAfter(改善後)の数字を対比させることで、あなたの貢献度を具体的にアピールできます。

【職種別】職務経歴書に盛り込むべきデータの具体例

職種によって、アピールに効果的なデータの種類は異なります。自身の職種に合わせて、どのような数字を盛り込めるか確認してみてください。

営業・販売・サービス系のデータ活用

この領域では「売上」「件数」「率」が基本となります。個人の売上金額、目標達成率、前年対比、成約率、顧客単価、リピート率、接客人数、店舗の規模(席数や坪数)、管理していた部下の人数などを記載します。もし全国順位や社内表彰の実績があれば、「全社員500名中3位」といった相対的なデータも強力な武器になります。

事務・管理・企画系のデータ活用

バックオフィス業務では「効率化」「正確性」「規模」をデータで示します。処理した伝票の枚数、入力スピード、担当していた従業員数、管理していた予算規模、文書作成数、電話応対件数などを記載します。また、業務フローの改善による時間短縮効果や、コスト削減金額、ミスの削減率なども有効です。

技術・クリエイティブ系のデータ活用

エンジニアやデザイナーの場合は「技術環境」や「プロジェクト規模」をデータ化します。開発期間、チームの人数、担当した機能の数、PV(ページビュー)数、DL(ダウンロード)数、ユーザー数、関わった予算規模などを記載します。Webデザイナーやマーケターであれば、CVR(コンバージョン率)やCTR(クリック率)の改善データは必須のアピール項目です。

データを送付・アップロードする際のセキュリティとマナー

作成した職務経歴書データを企業に提出する際の方法にも注意が必要です。

パスワード設定の是非

メールで職務経歴書を直接企業へ送付する場合、セキュリティへの配慮としてPDFファイルにパスワードを設定することがあります。しかし、採用担当者にとってはパスワードを入力してファイルを開く手間が発生するため、近年では必須ではないという考え方も増えています。

もしパスワードを設定する場合は、ファイルを添付したメールとは別のメールでパスワードを送付する(PPAP方式)のではなく、事前に企業の指示を仰ぐか、ファイル自体にはかけずにダウンロードURL形式で送るなどの配慮が求められることもあります。転職エージェントや転職サイト経由の場合は、システム上でセキュリティが確保されているため、個別のパスワード設定は不要なケースがほとんどです。

送付時のメール本文や添え状

データを送る際は、いきなりファイルを送りつけるのではなく、ビジネスメールのマナーを守ります。件名は「職務経歴書のご送付(氏名)」とし、本文には応募の挨拶と、ファイルを添付した旨を簡潔に記載します。なお、郵送の場合は「添え状(送付状)」を同封するのがマナーですが、データ送付の場合はメール本文がその役割を果たすため、別途添え状のデータを作成して添付する必要はありません。

職務経歴書における「データ」は、形式としても内容としても、あなたのビジネススキルを映し出す鏡です。読み手が扱いやすいデータ形式で作成し、説得力のある数値データを盛り込むことで、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる応募書類を完成させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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