眼科への転職を成功させる職務経歴書の書き方とポイント
眼科は、他の診療科と比較しても独自の業務フローや専門的な検査機器が多く、求められるスキルが明確な職場です。そのため、職務経歴書を作成する際は、一般的な医療事務や看護業務の経験を羅列するだけでなく、「眼科特有のニーズ」を理解していることをアピールする必要があります。
書類選考をスムーズに通過し、面接へと駒を進めるために、眼科ならではの職務経歴書の書き方や、採用担当者が重視するポイントについて解説します。
眼科の採用担当者が見ている3つのポイント
眼科クリニックや病院の採用担当者は、応募書類を通じて「即戦力としての基礎があるか」あるいは「眼科の現場に適応できる素養があるか」を確認しようとしています。具体的には以下の3点が重要視されます。
1. 業務の処理スピードと正確性
眼科は1日あたりの来院患者数が非常に多い傾向にあります。特に白内障手術を行っている施設や、コンタクトレンズ処方を併設しているクリニックでは、回転率と正確な検査・会計が求められます。「忙しい環境下で、いかにミスなくテキパキと動けるか」が伝わる記載が好まれます。
2. 専門検査や介助の経験値
視力検査、眼圧検査、OCT(光干渉断層計)、視野検査など、どの程度まで機器を扱えるかは大きな評価基準です。医療事務や看護師であっても、視能訓練士(ORT)の補助として検査業務に関わっていた場合は、具体的な検査名を挙げることで強力なアピールになります。
3. 患者様への誘導と配慮(ホスピタリティ)
眼科を訪れる患者様は、視力が低下している方や高齢者が多く含まれます。安全に検査台へ誘導する配慮や、見えにくい方へのわかりやすい説明スキルなど、きめ細やかなホスピタリティを持っているかどうかも、職務経歴書や自己PRから読み取ろうとしています。
職務経歴書の具体的な記載テクニック
では、実際にどのような項目を盛り込めばよいのか、具体的な書き方のテクニックを紹介します。
病院・クリニックの規模を数字で示す
まず、前職(または現職)の勤務先情報を具体的に記載します。
- 1日の平均来院患者数
- スタッフの体制(医師数、視能訓練士数、看護師数、事務スタッフ数)
- 主な診療内容(一般眼科、日帰り手術、コンタクト処方、小児眼科など)
これらの数字があることで、採用担当者はあなたが「どの程度の忙しさの中で仕事をしていたか」を直感的にイメージできます。
担当業務を「検査」「事務」「介助」に分けて書く
業務内容は箇条書きで整理し、眼科特有のタスクを明確にします。
- 検査業務:オートレフラクトメーター、ノンコンタクトトノメーター、視力検査(裸眼・矯正)、視野検査補助など、扱ったことのある機器や検査名を具体的に記載します。
- 診療介助・オペ介助:診察の陪席、カルテ代行入力、処置の準備、白内障手術や硝子体注射の準備・介助、滅菌業務など。
- 受付・事務業務:レセプト請求業務(眼科特有の算定項目の理解)、コンタクトレンズの在庫管理・発注、電話応対、予約管理など。
職種別の書き方・アピール例
職種によって強調すべきポイントが異なります。以下に例文を挙げます。
医療事務・眼科コメディカルの場合
眼科の受付は、単なる事務作業だけでなく、検査補助を兼務するケースが多々あります。「検査もできる事務」は非常に重宝されます。
- 例文:「受付・会計業務に加え、予備検査(視力・眼圧)を担当。土日の繁忙時には1日100名以上の患者様に対し、医師や視能訓練士と連携を取りながら、待ち時間短縮のためのスムーズな誘導・検査実施に尽力しました。」
看護師の場合
眼科における看護師は、採血や点滴だけでなく、手術室での直接介助や、患者様への生活指導が重要になります。
- 例文:「外来業務に加え、週2日の白内障手術日には直接介助・間接介助を担当。術前術後のオリエンテーションを行い、患者様の不安軽減に努めました。また、点眼指導やインスリン注射が必要な網膜症患者様への生活指導も行いました。」
視能訓練士(ORT)の場合
専門職であるORTは、手持ちの技術と経験症例の幅が問われます。
- 例文:「小児眼科に注力しているクリニックにて、斜視・弱視の検査および訓練計画の作成に従事。また、GP(ゴールドマン視野計)やOCTを用いた詳細な検査を行い、医師の診断サポートを行いました。電子カルテの導入プロジェクトにも携わり、業務効率化に貢献しました。」
未経験から眼科を目指す場合
眼科未経験の場合は、過去の経験から「正確性」「スピード」「高齢者対応」に繋がる要素を抽出します。
- 例文:「前職の内科クリニックでは、高齢の患者様が多く、転倒防止のための声かけや、耳の遠い方への筆談対応などを徹底しておりました。眼科は未経験ですが、新しい検査機器の操作を早期に習得し、正確かつ丁寧な業務遂行で貢献したいと考えております。」
自己PRで盛り込むべき要素
職務経歴書の締めくくりとなる自己PRでは、スキル面だけでなく「スタンス」を強調します。
眼科はチームプレイです。医師、視能訓練士、看護師、受付が連携しないと、多数の患者様をスムーズに診療することはできません。「周囲の状況を見て動く力」や「専門職同士の橋渡し役」といった協調性をアピールすると、好印象につながります。
また、「眼科領域への関心」も重要です。「なぜ眼科なのか」という点について、眼の健康がQOL(生活の質)に直結することへの共感や、専門性を高めていきたいという意欲を添えることで、志望度の高さが伝わる書類になります。
あなたの経験が、新しい職場でどのように活きるのかを具体的にイメージさせることが、書類選考通過の鍵です。専門用語を適切に使いつつ、読み手があなたの働きぶりを想像できるような職務経歴書を作成してください。





