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溶接工の転職を成功させる職務経歴書の書き方と技術アピール術

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溶接の職務経歴書は「溶接方法」と「材質」の具体化が採用の決め手

溶接工や製缶工の転職市場は、熟練した技術者を求める企業が多く、即戦力人材は非常に高く評価されます。しかし、職務経歴書に単に「溶接作業に従事」と書くだけでは、あなたの技術レベルは全く伝わりません。採用担当者や現場の工場長が知りたいのは、あなたが「何を使って」「何を」「どのように」溶接できるかという具体的なスペックです。

アーク溶接なのかTIG溶接なのか、鉄(SS)なのかステンレス(SUS)なのかによって、求められるスキルは大きく異なります。書類選考を確実に通過するためには、自身の技術を細分化し、専門用語を用いて正確に伝える必要があります。ここでは、溶接工ならではの専門性を正当に評価してもらうための書き方と、採用担当者に響くアピールポイントについて解説します。

扱う製品や板厚、溶接姿勢まで詳細に記載して即戦力性を証明する

職務経歴書を作成する際、最も重要なのは「技術の棚卸し」です。業務内容欄には、以下の要素を必ず盛り込んでください。

  • 溶接方法: 被覆アーク溶接、半自動溶接(CO2/MAG/MIG)、TIG溶接、ガス溶接、ロボット溶接など。
  • 対象材質: 鉄、ステンレス、アルミニウム、チタンなど。
  • 板厚: 薄板(板金)中心か、厚板(製缶・鉄骨)中心か。具体的なミリ数(例:1.6mm〜9mm)を書くと親切です。
  • 製品・用途: 建築鉄骨、自動車部品、配管、タンク、精密板金など。
  • 溶接姿勢: 下向き、立向き、横向き、上向き、全姿勢など。

例えば、「半自動溶接機(CO2)を使用し、建築用鉄骨の柱・梁の溶接(板厚9mm〜25mm)を担当。多層盛り溶接および全姿勢での作業が可能」といった具体的な記述があれば、採用担当者は現場で即戦力として活躍する姿を明確にイメージできます。また、裏波溶接の経験や、歪み取りのスキルなどもあれば、現場で重宝される高度な技術として強力なアピールになります。

検査合格率や工数削減の実績を数値で示し品質意識の高さを伝える

溶接の仕事は、見た目の美しさ(ビード外観)だけでなく、内部欠陥がないかどうかの品質が厳しく問われます。そのため、非破壊検査(RT、UT、MT、PT)の合格率や実績を数値で示すことは、技術力の確かな証明となります。「RT検査合格率98%以上を維持」といった記述は、信頼できる腕を持っていることの何よりの証拠です。

また、作業効率化への貢献も重要なアピールポイントです。「治具の改善を提案し、段取り時間を20%短縮した」や、「ロボット溶接のティーチングを工夫し、タクトタイムを短縮した」といった実績があれば、単なる作業者ではなく、生産性向上に貢献できるエンジニア視点を持った人材として評価されます。不良率の低減や材料ロスの削減など、コスト意識を持った取り組みも積極的に記載してください。

JIS溶接技能者などの資格は種類と級を正確に記載する

溶接業界において、資格は実力を客観的に証明するパスポートです。JIS溶接技能者評価試験(TN-F, SA-2Fなど)や、溶接管理技術者(2級、1級、特級)、ボイラー溶接士などの資格を持っている場合は、資格欄に正式名称と取得年月を正確に記載します。

特にJIS検定は種類が細分化されているため、略称で書かずに「JIS Z 3801 専門級 A-2F」のように詳細を記すことで、どの溶接方法でどの程度の技術を持っているかが正確に伝わります。また、資格の有効期限が切れていないかを確認し、更新済みであることもアピールしてください。玉掛け、フォークリフト、クレーン(床上操作・デリック)などの周辺資格も、現場作業において必須となることが多いため、漏らさず記載することで即戦力としての価値を高められます。

未経験から溶接工を目指す場合のポータブルスキルの活かし方

異業種から未経験で溶接工を目指す場合、溶接の実務経験はありませんが、モノづくりへの適性や社会人としての基礎力をアピールすることで採用の可能性を高められます。製造業のライン作業経験があれば「集中力」や「安全管理への意識」が、建設現場での経験があれば「体力」や「現場ルールへの適応力」が評価されます。

また、職業訓練校(ポリテクセンターなど)で溶接技術を学んでいる場合は、その受講内容や習得したスキル(アーク溶接特別教育修了など)を詳細に記述します。「未経験ですが、訓練校で基本技術を習得し、自主練習を重ねています」という熱意は、人手不足の業界において好感を持たれます。モノづくりに対する情熱と、地道な作業を継続できる忍耐力を自己PRで強調してください。

読みやすさを意識したレイアウトで安全管理能力の高さをアピールする

最後に、職務経歴書自体の完成度にもこだわってください。溶接工は、図面を読み解く力や、手順を遵守して安全に作業を行う「几帳面さ」が求められる仕事です。そのため、職務経歴書が乱雑であったり、誤字脱字が多かったりすると、「仕事も雑なのではないか」「安全確認を怠るのではないか」という懸念を持たれてしまうリスクがあります。

見出しをつけて情報を整理し、読みやすいフォントや行間で整えられた書類を作成することは、丁寧な仕事ができることの証明になります。専門技術と品質へのこだわりを、整理された美しい職務経歴書で表現し、希望する企業への転職を成功させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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