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早期退職の経歴を職務経歴書でどう扱うか?マイナスをプラスに変える書き方と心構え

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早期退職の事実を隠さずに記載することが信頼獲得の第一歩です

転職活動において、入社から数ヶ月や半年といった短期間で退職してしまった経歴を職務経歴書に書くべきかどうか悩む方は非常に多くいらっしゃいます。試用期間中だったから、あるいは研修期間だけで辞めてしまったからという理由で、なかったことにしたいと考える気持ちは自然なことです。しかし、どれほど短い期間であっても、企業と雇用契約を結び、給与が発生していた事実がある以上、履歴書および職務経歴書には正直に記載する必要があります。

この期間を隠してしまうと、入社後の雇用保険の手続きや年末調整の際の源泉徴収票の提出などで、前職の在籍期間や退職日が必ず明らかになります。その際、書類に記載がなければ経歴詐称とみなされ、最悪の場合は内定取り消しや解雇の対象となってしまうリスクがあります。採用担当者はスキル不足よりも、隠し事をする不誠実さを最も嫌います。短期離職というマイナス要素を隠すのではなく、正直に記載した上で、その経験をどう反省し、次に活かそうとしているかを伝えることが、信頼を回復し書類選考を突破するための最善の策となります。

記載スペースを調整し事実を簡潔に伝えるテクニック

早期退職した会社の経歴を書く際のポイントは、職務経歴書の中での情報の比重を調整することです。長く勤めて成果を出した会社については詳細に記述し、短期間で辞めた会社については、必要最低限の情報を簡潔に記載するというメリハリをつけることが重要です。退職した事実を強調しすぎず、キャリア全体の中での一部として淡々と処理する意識を持ちます。

具体的には、会社概要や事業内容、従業員数などの基本情報と、担当していた業務内容をシンプルに記します。アピールできる実績が少ない場合は、無理に文章を引き伸ばしてスペースを埋める必要はありません。もし在籍期間が極端に短い職歴が複数ある場合は、時系列で詳しく書く編年体式ではなく、業務内容ごとにまとめるキャリア式のフォーマットを採用するのも一つの手です。これにより、直近の短期離職を目立たせず、キャリア全体でのスキルセットや経験値の総量を強調することができます。

短期間でも習得した研修内容や基礎スキルを具体的に記述する

たとえ1ヶ月や3ヶ月といった短い期間であっても、その中で学んだことや習得したことは必ずあるはずです。職務経歴書の該当欄を特になしや空白にするのではなく、新人研修の内容や習得した基礎スキルを詳細に記載することで、ビジネスの基礎体力があることを証明します。何も得られなかったとするのではなく、小さなことでも吸収した姿勢を見せることが大切です。

例えば、ビジネスマナー研修を受講し電話応対や名刺交換の基礎を習得したことや、業務で使用する専用システムの操作方法を覚えたこと、日次業務としてのデータ入力を正確に遂行したことなどを記述します。これにより、採用担当者は最低限の社会人マナーや基礎知識は教育済みであると判断でき、採用後の教育コストを抑えられるというメリットを感じることができます。期間の短さを嘆くのではなく、その短期間の中で吸収した事実を誠実に伝える姿勢が重要です。

退職理由は他責にせずミスマッチと反省をセットで伝える

短期離職の職歴がある場合、採用担当者が最も懸念するのは、採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないかという点です。この不安を払拭するためには、退職理由の説明が非常に重要になります。職務経歴書の特記事項や自己PRの欄を活用し、早期退職に至った経緯を説明しますが、ここで会社批判や人間関係の不満を書くのは避けるべきです。

自己都合退職の場合は、入社前の企業研究が不足しており、自身のキャリアビジョンと実際の業務内容にミスマッチが生じてしまったと、自身の認識の甘さを素直に認める記述が有効です。その上で、この経験を深く反省し、改めて自身の適性を見つめ直した結果、貴社のような環境でこそ長く貢献できると確信したと続けることで、失敗を糧にして前向きに行動している姿勢をアピールできます。自身の非を認める素直さと、次は失敗しないという強い覚悟を示すことで、ネガティブな印象をポジティブな熱意へと変換することができます。

職務要約で再スタートに向けた強い意欲を表現する

職務経歴書の冒頭にある職務要約は、採用担当者が最初に目を通す重要なパートです。ここに短期離職の事実を隠さず、かつ前向きなストーリーとして要約して記載することで、続きを読んでもらえる可能性が高まります。過去の経歴を隠すのではなく、それを乗り越えて新たなキャリアを築こうとする意志を表明する場所として活用します。

書き方としては、前職では自身のキャリアプランとの相違から早期に退職いたしましたが、現在はその反省を踏まえ、腰を据えて専門スキルを磨きたいと考え、資格取得の勉強に励んでおりますといった内容です。過去の失敗を隠すのではなく、それを糧にして現在は明確な目標に向かっていることをアピールします。この潔さと前向きな姿勢は、採用担当者に失敗から学べる人材という印象を与え、早期離職のマイナスをカバーする要素となり得ます。

自己PRでは定着性とポータブルスキルを強調する

実務経験が浅い分、自己PRでは特定の業務スキルよりも、どの会社でも通用するポータブルスキルと、長く働きたいという定着性をアピールします。ポータブルスキルとは、コミュニケーション能力、基本的なPCスキル、勤怠の正確さ、学ぶ意欲などを指します。これらは環境が変わってもすぐに役立つ能力であり、採用側にとって安心材料となります。

例えば、前職での研修を通じて培った相手の意図を汲み取る傾聴力や、新しい知識を貪欲に吸収する学習意欲などを具体的なエピソードと共に記述します。また、一度挫折を経験したからこそ、次は一つの会社で長く貢献したいという思いは誰よりも強いですと宣言することも有効です。採用担当者は、能力以上に一緒に長く働けるかを見ています。謙虚な姿勢と再チャレンジへの熱意を文章全体ににじませることで、ハンデを乗り越え、書類選考を通過する道が開けます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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