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中途採用の履歴書における本人希望記入欄の正しい書き方とマナー

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希望記入欄は単なる要望リストではなく条件交渉の第一歩です

転職活動において履歴書を作成する際、最後に位置する本人希望記入欄をどのように書くべきか悩む方は少なくありません。希望する給与や勤務地、勤務時間などを自由に書いてよいスペースのように見えますが、中途採用の選考において、ここを単なる要望リストとして扱ってしまうのは危険です。採用担当者はこの欄を見て、自社の条件と応募者の希望が合致しているか、あるいは応募者が自身の権利ばかりを主張する人物ではないかを見極めています。

特に中途採用では即戦力としてのスキルだけでなく、組織への適応能力や柔軟性も評価の対象となります。自身の希望を一方的に押し付けるのではなく、相手企業への配慮を示しつつ、どうしても譲れない条件がある場合にのみ記載するというスタンスが基本となります。ここでは、書類選考でのマイナス評価を避け、スムーズに面接へとつなげるための本人希望記入欄の適切な書き方について解説します。

特段の条件がない場合は「貴社の規定に従います」が鉄則です

もし勤務地や給与、勤務時間について絶対に譲れない条件がないのであれば、この欄には貴社の規定に従いますと記入するのが最も無難であり、ビジネスマナーとして正解です。空欄のまま提出したり、特になしとだけ書いたりするのは、記入漏れや意欲の低さと受け取られる可能性があるため避けるべきです。

貴社の規定に従いますという一文は、会社のルールや待遇を受け入れる柔軟性があるという意思表示になります。特に給与や待遇面については、まだ面接で評価されていない段階から希望額を提示すると、扱いにくい人物だと思われるリスクがあります。待遇面の交渉は、面接が進み、企業側から評価を得てから行うのが転職活動のセオリーです。書類選考の段階では、まずは会ってみたいと思わせることを最優先し、条件面でのハードルを上げすぎないように配慮することが大切です。

育児や介護などで勤務時間に制限がある場合の書き方

育児や親の介護など、やむを得ない家庭の事情により勤務時間に制限がある場合は、この欄を使って正直に申告する必要があります。隠して入社しても、後々トラブルになったり、長く働き続けることが難しくなったりするからです。ただし、単に不可と書くのではなく、可能な範囲を提示する書き方が重要です。

例えば、子供の送迎のため17時までの勤務を希望します(残業は月10時間程度であれば可能です)といったように、できないことだけでなく、できることや意欲をセットで伝えます。また、親の介護のため転居を伴う転勤は難しいですが、通勤圏内の異動であれば支障ありませんといった記述も有効です。事情を説明しつつ、働く意欲があることを誠実に伝えることで、企業側も配属先や働き方を検討しやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

複数の勤務地がある企業への応募では希望勤務地を明記する

全国展開している企業や、複数の支店を持つ企業に応募する場合、希望する勤務地があれば記載しておきます。特に、転居が難しい場合や、特定の地域での勤務を強く希望する場合は、その理由とともに明記することが望ましいです。

東京都内での勤務を希望しますや、自宅から通勤可能な関西エリアの支店を希望しますといった書き方が一般的です。ただし、職種によっては全国転勤が前提となっている場合もあります。募集要項に転勤ありと書かれているにもかかわらず、理由なく勤務地限定を希望すると、応募条件を満たしていないと判断される可能性があります。どうしても譲れない場合を除き、勤務地についても柔軟に対応できる姿勢を見せるほうが、選考のチャンスは広がります。

在職中の転職活動では連絡のつきやすい時間帯を記載する

現在仕事をしながら転職活動を行っている場合、平日の日中は電話に出られないことが多いはずです。採用担当者からの連絡をスムーズに受けるために、本人希望記入欄を活用して連絡可能な時間帯を伝えておくことは、非常に気の利いた対応と言えます。

在職中のため、平日の9時から18時は電話に出ることができません。18時以降やメールでのご連絡であれば対応可能ですといった具体的な記述をしておきます。また、留守番電話の設定をしておく、メールアドレスを記載しておくなどの対策も併せて行います。こうした配慮は、相手の時間を無駄にさせないというビジネススキルの証明にもなり、採用担当者に好印象を与えます。

入社可能時期についての希望を伝える

中途採用では、企業側もいつから来てもらえるかという入社時期を気にしています。もし退職日が決まっている場合や、引き継ぎのスケジュールが見えている場合は、入社可能時期を記載しておくと親切です。

内定後、1ヶ月から1.5ヶ月程度で入社可能ですや、〇月〇日以降であれば入社可能ですと記載します。ただし、あまりにも先の日付を指定すると、急募の案件では選考対象外になることもあります。あくまで目安として記載し、詳細は面接で相談するというスタンスが適切です。また、すぐに働ける場合は、即日勤務可能ですと書くことで、意欲とフットワークの軽さをアピールすることができます。

給与希望額を書く際は慎重な判断が必要です

本人希望記入欄に希望年収や月給を書くことは、基本的には避けるべきです。前述の通り、まだ能力を評価されていない段階でお金の話しをすることはリスクが高いからです。しかし、エージェントを経由しない直接応募で、どうしても現職の給与を下回りたくないという強い意志がある場合に限り、記載することもあります。

その場合でも、具体的な金額だけを書くのではなく、現在の年収は〇〇万円です。経験や能力を考慮の上、ご検討いただけますと幸いですといった控えめな表現を用います。あくまで相手の規定を尊重しつつ、参考情報として提示する形をとるのがマナーです。基本的には面接の場や、内定後の条件提示の場で相談することをお勧めします。履歴書全体を通して、謙虚さと誠実さを忘れないことが、中途採用の書類選考を突破するための重要なポイントです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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