中途採用の書類選考を突破するための履歴書封筒の書き方とマナー完全ガイド

封筒は採用担当者が最初に見る「第一印象」です

転職活動において、履歴書や職務経歴書の中身を磨くことはもちろん重要ですが、それらを入れる「封筒」の書き方やマナーも決して疎かにしてはいけません。なぜなら、封筒は採用担当者が最初に目にするものであり、そこには応募者のビジネスマナーや仕事に対する丁寧さが表れるからです。

特に即戦力が求められる中途採用においては、宛名の書き方や封入の仕方に不備があると、「基本的なビジネス常識がない」「仕事が雑かもしれない」というネガティブな第一印象を与えてしまうリスクがあります。逆に、基本ルールに則った美しい封筒は、開封する前から「しっかりした人物だ」という信頼感を与えることができます。ここでは、中途採用の選考を有利に進めるための、正しい封筒の選び方から書き方、提出時のマナーまでを徹底解説します。

中途採用にふさわしい封筒のサイズと色の選び方

履歴書を入れる封筒を選ぶ際、最初に迷うのがサイズと色です。中途採用の応募書類において、最も推奨されるのは**「角形2号（角2）」の「白色」封筒**です。

• サイズは「角形2号」がベスト履歴書や職務経歴書は一般的にA4サイズで作成します。これらを折らずにそのまま入れられるのが角形2号です。三つ折りにして長封筒に入れる方法もありますが、採用担当者がコピーをとったりファイリングしたりする際に折り目が邪魔になるため、折らずに入るサイズが好まれます。書類が曲がらずきれいな状態で届くことは、読み手への配慮となります。
• 色は「白」を選ぶ茶封筒（クラフト封筒）は事務的な書類やダイレクトメールに使われることが多いため、重要な応募書類には白色の封筒を使うのがマナーです。白封筒は「清潔感」や「重要書類であること」をアピールでき、他の郵便物に埋もれるのを防ぐ効果もあります。中身が透けないように、裏地紋や二重加工が施されたものを選ぶとさらに安心です。

表面（宛名面）の書き方と「履歴書在中」の朱書き

封筒の表面は、配達員だけでなく採用担当者が最初に確認する重要な情報源です。以下のポイントを押さえて、丁寧に記載しましょう。

1. 筆記用具は黒のサインペンかボールペン油性の黒サインペン（細字）か、太めのボールペン（1.0mm〜1.6mm程度）を使用します。細すぎるボールペンは貧相に見え、水性は雨で滲むリスクがあるため避けます。消せるボールペンは厳禁です。
2. 住所は省略せずに縦書きで右端に郵便番号を記入し、右側から縦書きで住所を書きます。「東京都」などの都道府県名や、ビル名、階数も省略せずに正確に記載します。数字は漢数字（一、二、三）を使うのが基本マナーです。
3. 宛名は会社名・部署名・担当者名を正確に中央に少し大きめの文字で宛名を書きます。「（株）」と略さず「株式会社」と書きます。
   • 部署宛の場合： 「株式会社〇〇　人事部　御中」
   • 担当者個人宛の場合： 「株式会社〇〇　人事部　採用担当　△△様」「御中」と「様」を併用しないように注意してください。
4. 「履歴書在中」を赤ペンで記載左下に赤ペンで「履歴書在中」または「応募書類在中」と書き、定規を使って四角く囲みます。スタンプを使用しても構いません。これにより、担当者が開封を優先すべき書類だと認識できます。

裏面（差出人面）の書き方と封字のマナー

裏面には、誰からの郵便物か分かるように自分の情報を記載します。ここにも社会人としての気配りが求められます。

1. 自分の住所・氏名は左下に封筒の中心線より左側に、住所と氏名を縦書きで記載します。表面同様、都道府県やマンション名を省略せずに書きます。郵便番号も忘れずに記入しましょう。
2. 投函日（提出日）を左上に左上の位置に、投函する日付を縦書きで小さく記入します（例：令和〇年〇月〇日）。これにより、いつ発送された書類かが明確になり、採用担当者の管理がスムーズになります。
3. 封かんと「〆」マーク書類を入れたら、液体のりや両面テープでしっかりと封をします（セロハンテープやホッチキスは不可）。封をした境目の中央に、黒ペンで「〆」という封字を書きます。これは「確かに封をしました」「未開封です」という証明になります。「×」ではないので注意して書いてください。

郵送時のマナー：クリアファイルと切手料金の確認

封筒の書き方が完璧でも、中身が雨で濡れていたり、料金不足で返送されたりしては台無しです。

• クリアファイルに入れてから封入する履歴書、職務経歴書、添え状（送付状）は、重ねて透明なクリアファイルに入れてから封筒に入れます。これにより、雨濡れや折れ曲がりを防ぐことができ、採用担当者が取り出した際も扱いやすくなります。入れる順番は、上から「添え状→履歴書→職務経歴書→その他書類」の順が基本です。
• 料金不足を防ぐために郵便局窓口へ角形2号の封筒は「定形外郵便」となり、重さによって料金が変わります（通常は140円〜）。切手の料金が不足していると、企業に受取拒否をされるか、企業側が不足分を支払うことになり、大変な失礼にあたります。切手を貼りすぎても見栄えが悪いため、郵便局の窓口で重さを量ってもらい、正確な料金で発送するのが最も確実で安心です。

面接に持参する場合の封筒のマナー

面接時に履歴書を持参して手渡しする場合も、封筒に入れるのがマナーです。ただし、郵送時とは異なるルールがあります。

• 宛名や住所は書かなくても良い手渡しの場合は、表面の宛名書きは不要です（書いても間違いではありません）。裏面の自分の氏名と住所のみ記載しておきます。また、封（のり付け）はしません。すぐに取り出せる状態にしておくためです。
• 渡し方の作法面接官に渡すときは、封筒からクリアファイルに入った書類を取り出し、封筒の上に書類を重ねて、相手が読める向きにして両手で差し出します。「こちらが履歴書と職務経歴書です。本日はよろしくお願いいたします」と一言添えると好印象です。受付で渡す場合は、封筒に入れたままの状態で渡して構いません。

たかが封筒と思わず、一つひとつの工程を丁寧に行うことが、中途採用における「仕事ができる人」という評価につながります。細部まで配慮の行き届いた応募書類で、自信を持って選考に臨んでください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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