履歴書の職歴欄に資格取得を記載してアピールする効果的な書き方
職歴欄に資格取得の事実を書くことでキャリアのストーリーが伝わります
履歴書には「学歴・職歴」欄とは別に「免許・資格」欄が設けられているため、原則として取得した資格は資格欄に記載します。しかし、場合によっては「職歴欄」の中に資格取得の事実を組み込んで記載することが、非常に効果的なアピールになることがあります。
採用担当者は職歴欄を見て、応募者がどのような時系列でスキルアップしてきたかを読み取ろうとします。業務に関連する重要な資格を取得し、それによって業務範囲が広がったり、昇進したりした経緯がある場合、職歴欄にその事実を書き添えることで、単なる資格の羅列ではなく「実務で活用してきた生きたスキル」であることを証明できます。ここでは、職歴欄と資格欄をリンクさせ、相乗効果を生み出すための書き方とテクニックについて解説します。
職歴欄に記載すべき資格の基準と具体的な書き方
すべての資格を職歴欄に書くと、情報過多になり読みづらくなってしまいます。職歴欄に記載すべきなのは、「業務遂行に必須の資格」や「難易度が高く評価につながる資格」、あるいは「昇進や異動のきっかけとなった資格」に絞るのがポイントです。
【具体的な記入例】
- 業務開始に必須だった場合:平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社(普通自動車第二種免許取得後、タクシー乗務員として勤務)
- 資格取得により業務範囲が広がった場合:令和〇年〇月 日商簿記検定1級取得。以降、連結決算業務を担当
- 難関資格を取得した場合:令和〇年〇月 社会保険労務士試験合格(翌月より人事労務担当へ異動)
このように、資格取得の事実と、それによる業務の変化をセットで記載します。職歴欄の行間に余裕がある場合は、1行使ってアピールしても良いですし、会社名や部署名の横にカッコ書きで添えるだけでも十分に効果を発揮します。
「免許・資格欄」における正しい書き方と正式名称のルール
職歴欄でアピールする場合でも、履歴書の「免許・資格」欄には改めて全ての資格を記載する必要があります。ここで最も注意すべきなのは、略称を使わず「正式名称」で書くことです。
- 自動車免許: 「普通自動車第一種運転免許」
- 英検: 「実用英語技能検定」
- 簿記: 「日本商工会議所簿記検定」または「日商簿記検定」
- 宅建: 「宅地建物取引士」
また、「取得」と「合格」の使い分けも重要です。免許証が交付されるもの(運転免許、医師免許、教員免許など)は「取得」、合格証書が発行されるもの(英検、簿記、秘書検定など)は「合格」と記載します。TOEICなどは「〇〇点 取得」と書きます。取得年月は、受験日ではなく証書に記載された交付日(合格日)を正確に記入してください。
勉強中の資格を記載して向上心をアピールする方法
現在、資格取得に向けて勉強中である場合も、履歴書でアピールすることが可能です。ただし、まだ取得していないため、資格欄に「取得」と書くことはできません。この場合は、資格欄の空きスペースや、履歴書の「備考欄」「自己PR欄」を活用します。
書き方としては、「〇〇資格取得に向けて勉強中(令和〇年〇月 受験予定)」や、「一次試験合格(二次試験結果待ち)」といったように、現在のステータスと意欲を具体的に示します。職歴欄の最後に「現在、業務の幅を広げるため〇〇資格の取得学習中」と書き添えるのも一つの方法です。これにより、単なる知識欲だけでなく、業務に貢献しようとする前向きな姿勢を採用担当者に伝えることができます。
職歴と資格を連動させ「実務能力」として証明する
資格は持っているだけでは意味がありません。採用担当者が知りたいのは「その資格を使って何ができるか」です。履歴書の職歴欄で「資格を活かして業務を行っていた」という事実を示し、資格欄で「正式な保有資格」であることを裏付け、さらに職務経歴書で「具体的な成果」を語る。この3段構えの構成を意識してください。
例えば、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)を持っているなら、職歴欄に「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)を用いたデータ集計業務に従事」と書き、資格欄に「MOS Excel エキスパート 取得」と書きます。このように情報をリンクさせることで、資格が単なる飾りではなく、実務能力を支える根拠として機能します。資格と職歴を切り離さず、一つのキャリアストーリーとして提示することが、書類選考突破の鍵となります。





