履歴書の職歴欄に休職期間はどう書く?ケース別の正しい書き方と判断基準
原則として履歴書に休職歴を書く義務はありません
転職活動において履歴書の作成を進める中で、過去の休職期間をどのように記載すべきか、あるいは記載しなくても良いのかと悩む方は非常に多くいらっしゃいます。結論から申し上げますと、履歴書の職歴欄に休職していた事実を記載する法的な義務はありません。履歴書はあくまで学業や職業の経歴を概略的に示す書類であり、在籍期間中の就労状況を詳細に報告するものではないからです。
したがって、すでに復職して通常通り勤務していた場合や、休職期間が短くキャリアに大きな空白ができていない場合は、あえて職歴欄に記載せず、入社と退社の事実のみを記述しても経歴詐称にはあたりません。しかし、休職の事実を隠すことが常に正解とは限りません。休職の理由や期間、そして現在の状況によっては、正直に記載したほうが採用担当者に安心感を与え、入社後のトラブルを防ぐことにつながるケースもあります。ご自身の状況に合わせて、書くべきか否かを戦略的に判断することが大切です。
書かないと経歴詐称になるリスクとバレる可能性
休職歴を書かないこと自体は法的に問題ありませんが、場合によってはリスクが生じることがあります。最も注意が必要なのは、現在休職中であるにもかかわらず、通常通り勤務しているように装って転職活動を行う場合です。これは面接などで現在の業務内容を聞かれた際に嘘をつくことになりかねず、入社後に源泉徴収票の提出などで休職の事実が発覚した際、不信感を持たれる原因になります。
また、前職を退職した理由が傷病による休職期間満了であった場合、それを隠して「一身上の都合」とのみ伝えると、健康状態に問題がないという前提で採用が進みます。もし入社後に再発し、業務に支障が出た場合、「健康状態に関する重要な事実を告知しなかった」として告知義務違反を問われる可能性もゼロではありません。隠して入社しても、自分自身が苦しくなってしまう恐れがあるため、業務に配慮が必要な場合は正直に伝えることが、長期的なキャリアを守ることにつながります。
書いたほうが良いケースと書き方のポイント(留学・介護など)
休職の理由が、留学や介護、ボランティア活動など、前向きな理由や家庭の事情によるものである場合は、積極的に履歴書に記載することをお勧めします。これらの理由は、単なる空白期間(ブランク)ではなく、人生経験を積んだ期間や、やむを得ない事情に向き合った期間として、採用担当者に納得感を与えることができるからです。
書き方としては、職歴欄の時系列の中に組み込みます。例えば、「平成〇年〇月 語学留学のため休職(〇年〇月まで)」や、「令和〇年〇月 家族の介護のため休職(〇年〇月まで)」といった具合です。このように記載することで、キャリアに空白がある理由が明確になり、「仕事への意欲が低くて辞めたわけではない」ということを証明できます。また、現在はその事情が解消されており、業務にフルコミットできる状態であることを合わせて伝えると、より好印象になります。
病気療養による休職の書き方と完治のアピール
うつ病などのメンタルヘルス不調や、身体的な怪我・病気で休職していた場合、履歴書への記載は慎重に行う必要があります。すでに完治しており、直近の職歴で通常勤務の実績がある場合は、あえて記載する必要はありません。しかし、療養期間が長く(概ね3ヶ月以上など)、職歴上のブランクとして目立ってしまう場合や、現在も通院が必要で配慮を求めたい場合は、記載を検討します。
記載する場合の鉄則は、「現在は業務に支障がないこと」を明確にすることです。「平成〇年〇月 病気療養のため休職(現在は完治し、業務に支障はありません)」と書き添えるだけで、採用担当者の最大の懸念である「採用してもすぐに休んでしまうのではないか」という不安を払拭できます。病名は詳しく書く必要はありませんが、完治・寛解しているという事実は、アピールポイントとして必ずセットで記載してください。
休職中に退職しそのまま転職活動をする場合の注意点
休職期間が満了し、復職せずにそのまま退職した場合、履歴書の退職理由はどのように書くべきでしょうか。この場合も基本的には「一身上の都合により退社」あるいは「契約期間満了により退社」で問題ありません。ただし、面接では退職理由を詳しく聞かれることが予想されます。
その際、履歴書に何も書いていないと、口頭で説明するハードルが上がってしまいます。もし、体調不良が原因で退職したものの、現在は回復して働ける状態にあるなら、履歴書の備考欄や本人希望記入欄を活用して、「在職中に体調を崩し退職いたしましたが、現在は回復しており、貴社の業務に支障はありません」と補足しておくのが賢明です。これにより、書類選考の段階で「健康上の理由で辞めたようだが、今は大丈夫そうだ」という認識を持ってもらうことができ、面接での対話がスムーズになります。
面接で聞かれた時のための準備と心構え
履歴書に休職歴を書かなかったとしても、面接で「職歴のこの期間は何をしていましたか?」や「健康状態に問題はありませんか?」と聞かれることがあります。その際は、嘘をつかずに誠実に答える姿勢が重要です。隠そうとしてしどろもどろになると、かえって不信感を与えてしまいます。
回答のポイントは、過去の事実(休職していたこと)は簡潔に伝え、現在の状態(働けること)と未来の意欲(貢献したいこと)を強調することです。「当時は体調を崩しご迷惑をおかけしましたが、しっかりと療養期間をいただいたおかげで完治いたしました。前職で復職後も〇年間、無遅刻無欠勤で勤務しており、体力には自信があります」といったように、実績を交えて話すことができれば、休職歴は決してマイナスだけの要素にはなりません。履歴書はあくまで書類選考のためのツールですので、戦略的に記載内容を判断し、面接での対話につなげる準備をしておくことが大切です。





