LinkedInの履歴書作成機能を活用して外資系やグローバル転職を成功させる方法

LinkedInのプロフィールから履歴書を自動作成するメリット

世界最大級のビジネス特化型SNSであるLinkedIn（リンクトイン）には、登録しているプロフィール情報を元に、履歴書（レジュメ）を自動で作成し、PDFファイルとしてダウンロードできる機能が備わっています。転職活動において、応募書類の作成は非常に手間のかかる作業ですが、この機能を活用することで、ゼロからレイアウトを組んだり、経歴を書き出したりする時間を大幅に短縮することができます。

LinkedInで作成される履歴書は、欧米で一般的な「レジュメ」の形式に近い、シンプルで洗練されたデザインが特徴です。そのため、外資系企業や、グローバル展開をしている日系企業、あるいはIT系スタートアップなどへの応募を考えている場合、非常に有効なツールとなります。普段からLinkedInのプロフィールを最新の状態に更新しておけば、急なスカウトがあった際や、興味のある求人を見つけた際に、即座に応募書類を用意できる機動性の高さも大きな魅力です。

PDFとしてダウンロードする具体的な手順と仕様

LinkedInのプロフィールを履歴書として書き出す手順は非常にシンプルです。自身のプロフィールページにアクセスし、「その他」ボタンをクリックすると表示されるメニューの中から、「PDFに保存」を選択するだけです。これだけで、プロフィールに入力されている職歴、学歴、スキル、自己紹介などが自動的にレイアウトされ、PDFファイルとして保存されます。

この機能で作成される履歴書は、LinkedInに入力されている言語設定に依存します。プロフィールを日本語で入力していれば日本語の履歴書が、英語で入力していれば英語のレジュメ（英文履歴書）が生成されます。特に英文履歴書は、フォーマットやレイアウトのルールが日本とは異なるため、自分で一から作成するのはハードルが高いものですが、LinkedInの自動生成機能を使えば、グローバルスタンダードに則った見やすい英文レジュメを瞬時に作成することが可能です。

日本企業への応募で使用する際の注意点と使い分け

非常に便利なLinkedInの履歴書作成機能ですが、日本の伝統的な企業への応募に使用する際には注意が必要です。日本で一般的に使用されているJIS規格の履歴書とは、レイアウトや記載項目が大きく異なるからです。LinkedInの履歴書には、性別や生年月日、顔写真の欄が定位置になく、職務経歴が中心の構成になっています。これは実力主義の欧米型フォーマットであるため、形式を重んじる日本の人事担当者からは、書類の不備やマナー違反と受け取られる可能性があります。

したがって、応募先が国内の老舗企業や、指定のフォーマットがある場合は、LinkedInで作成したPDFをそのまま提出するのは避けるのが無難です。その場合は、LinkedInのデータを「下書き」や「職務経歴書の素材」として活用します。LinkedInから出力したPDFを見ながら、日本の標準的な履歴書フォーマットや職務経歴書に内容を転記していくことで、一から思い出しながら書くよりも効率的に、かつ内容の漏れがなく作成することができます。応募先の文化に合わせて、ツールを使い分ける柔軟性が大切です。

履歴書の完成度を高めるためのプロフィール充実化

LinkedInの履歴書作成機能は、プロフィールに入力されている情報をそのまま出力します。つまり、履歴書のクオリティを上げるためには、LinkedInのプロフィール自体を充実させる必要があります。単に会社名と在籍期間を入力するだけでなく、各職歴における具体的な業務内容、達成したプロジェクト、数値的な成果などを詳細に記述しておくことが重要です。

また、「自己紹介」セクション（サマリー）も履歴書の冒頭に配置される重要な要素です。ここは職務経歴書の「職務要約」にあたる部分ですので、自身のキャリアのハイライトや強み、仕事に対する姿勢を簡潔にまとめます。さらに「スキル」セクションに保有している技術や資格を登録しておくと、履歴書上でも箇条書きで分かりやすく表示されます。プロフィールを磨き上げることは、履歴書の質を高めるだけでなく、LinkedIn上でのリクルーターからのスカウト率を高めることにもつながるため、一石二鳥の効果があります。

英文レジュメ作成ツールとしての圧倒的な利便性

LinkedInの履歴書作成機能が最も真価を発揮するのは、やはり英文レジュメ（CV）が必要になった時です。外資系企業の選考では、日本語の履歴書と職務経歴書に加えて、英文レジュメの提出を求められることが多々あります。英語でのレイアウト調整や、適切な見出しの付け方に悩む時間は、LinkedInを使うことで解消できます。

英語のプロフィールをしっかりと入力しておけば、ボタン一つでネイティブが見ても違和感のないフォーマットのレジュメが完成します。フォントや余白のバランスも自動で調整されるため、デザイン面での心配もありません。まずはLinkedInで英語プロフィールを完成させ、それをPDF化して提出用にするというフローは、グローバル転職を目指す人にとってのスタンダードになりつつあります。効率化できる部分はツールに任せ、面接対策や英語力の向上といった本質的な準備に時間を割くことが、選考突破への近道です。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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