書類選考通過のメール返信と日程調整を円滑に進めるためのポイント

書類選考通過の連絡を受け取った際の心構え

転職活動において書類選考を通過したという知らせは、採用担当者があなたの経歴やスキルに興味を持ったという重要なサインです。しかしここで安心してはいけません。面接の日程調整を行うメールの返信対応も選考の一部であると考える必要があります。迅速かつ丁寧な対応は、社会人としての基礎的なマナーやコミュニケーション能力の高さを印象づける機会となります。特に現職中の場合は忙しい合間を縫っての対応となりますが、可能な限り優先順位を上げて対応することが望ましいです。ここでは書類選考通過後のメール返信と日程調整において、好印象を与えるための具体的な方法を解説します。

返信メールを作成する際の基本原則

企業からの連絡に対して返信する際は、いくつかの基本的なルールを守ることが大切です。まず最も重要なのは返信のスピードです。連絡を受け取ってから24時間以内に返信することが理想的です。もし日程の確認などで即答できない場合でも、まずは連絡を受け取ったことへの感謝と、いつまでに日程を回答できるかを伝えるメールを送るのがマナーです。

件名については、企業から送られてきたメールの件名を変更せずに、そのまま返信します。件名の冒頭に付くRe:も消さずに残しておきます。これは採用担当者が過去のやり取りを一目で把握できるようにするためです。また本文の冒頭では必ず宛名を正確に記載します。会社名、部署名、担当者名を略さずに書きます。担当者名が不明な場合は採用担当者様と記載します。

面接日程の提示方法と書き方

日程調整をスムーズに進めるためには、相手の手間を減らす配慮が必要です。企業から候補日が提示されている場合は、その中から確実に行ける日時を選びます。もし提示された日程で都合がつかない場合や、企業から候補日の提示を求められた場合は、こちらの希望日時を伝えます。

この際、ピンポイントで1つの日時だけを指定するのではなく、複数の候補を挙げることが重要です。選択肢が少ないと再調整のやり取りが発生し、面接までの期間が空いてしまう可能性があります。少なくとも3つ以上の候補日を挙げ、時間帯も幅を持たせて記載すると親切です。例えば、○月○日（月）13時から18時というように具体的に書きます。また所要時間が不明な場合は、面接時間の目安を確認する一文を添えると丁寧です。

企業から提示された日程で調整する場合の返信例

企業から複数の候補日が送られてきて、その中から都合の良い日時を選ぶ場合の書き方を紹介します。

件名は変えずに返信します。本文の書き出しは、書類選考通過の連絡をいただいたことへの感謝を伝えます。次に面接の機会をいただけることへのお礼を述べます。その上で、提示された日程の中から訪問可能な日時を明確に指定します。

文面の例としては、以下のようになります。

株式会社〇〇

人事部　採用担当者様

お世話になっております。〇〇と申します。

この度は書類選考通過のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

また、面接の機会をいただけますこと、重ねて御礼申し上げます。

ご提示いただきました日程につきまして、下記の日時にお伺いしたく存じます。

〇月〇日（〇） 14:00～

当日は何卒よろしくお願い申し上げます。

ご多忙の折、恐縮ではありますが、面接の詳細につきましてご連絡をお待ちしております。

署名

氏名

住所

電話番号

メールアドレス

こちらから希望日程を提示する場合の返信例

企業から候補日の提示を求められた場合の返信方法です。こちらの都合を伝える際は、相手の業務時間を考慮し、無理のない範囲で複数の候補を挙げます。

文面の例は以下の通りです。

株式会社〇〇

人事部　採用担当者様

お世話になっております。〇〇と申します。

この度は書類選考通過のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

面接の機会をいただけますこと、大変嬉しく思います。

面接の希望日程につきまして、私の都合で恐縮ですが、以下の日時で調整をお願いできますでしょうか。

第一希望：〇月〇日（月） 13:00～17:00

第二希望：〇月〇日（火） 10:00～12:00

第三希望：〇月〇日（水） 15:00～18:00

上記の日程でご都合が悪い場合は、改めて別の候補日を提示いたしますので、お申し付けください。

お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

署名

氏名

住所

電話番号

メールアドレス

日程が合わない場合の再調整依頼の書き方

企業から提示された日程のすべてで都合がつかない場合もあります。その際は、謝罪の言葉を添えた上で、こちらから代わりの日程を提案する必要があります。単に都合が悪いと伝えるだけでなく、前向きに面接を受けたいという意思を示すことが大切です。

文面の例は以下の通りです。

株式会社〇〇

人事部　採用担当者様

お世話になっております。〇〇と申します。

この度は書類選考通過のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

面接の日程につきまして、ご提示いただいた日時は現職の業務都合により、どうしても調整がつきませんでした。

せっかくのご提案に対し、ご希望に添えず大変申し訳ありません。

もし可能であれば、以下の日程で再度調整をお願いできませんでしょうか。

〇月〇日（木） 16:00以降

〇月〇日（金） 終日可能

〇月〇日（月） 10:00～14:00

こちらの都合ばかりで大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

署名

氏名

住所

電話番号

メールアドレス

返信後の対応と面接当日に向けた準備

日程調整のメールを送信した後は、企業からの確定連絡を待ちます。日程が確定したというメールが届いたら、必ず確認した旨を伝える返信を送ります。了解しましたという一言だけではなく、当日はよろしくお願いいたしますという挨拶を含めることで、より丁寧な印象になります。

メールでのやり取りは、面接の前段階から始まっているコミュニケーションです。誤字脱字がないか、敬語は正しく使えているか、相手に対する配慮があるかなど、細部まで確認してから送信ボタンを押すことが大切です。円滑な日程調整ができれば、面接当日も落ち着いて臨むことができます。この機会を大切にし、内定獲得に向けて準備を進めていく必要があります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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