母校への転職を成功させる履歴書志望動機の書き方と愛校心を武器にするコツ
学生時代を過ごした母校に就職し、職員や教員として働きたいと考える方は少なくありません。思い出深い場所で働けることは大きな魅力ですが、転職活動において「母校だから」「愛着があるから」という理由だけで採用を勝ち取ることは困難です。採用担当者は、卒業生であることのメリットを認めつつも、単なる感傷や学生気分の延長で応募してきていないかを厳しく見極めています。ここでは、母校への転職を目指す方が書類選考を確実に通過するために知っておくべき志望動機の書き方と、愛校心をプロフェッショナルな貢献意欲に変換するテクニックについて詳しく解説します。
母校への志望動機で恩返ししたいは通用するか
志望動機の核として「育ててくれた母校に恩返しがしたい」と書くことは、一見美しく聞こえますが、ビジネスの場である採用選考においては注意が必要です。恩返しという言葉は、あくまで自分本位の感情的な動機であり、組織としての学校法人にどのような利益をもたらすかが不明確だからです。学校側が求めているのは、恩返しをしてくれる卒業生ではなく、学校運営における課題を解決し、これからの学生や生徒により良い教育環境を提供できる「職員」です。したがって、恩返ししたいという気持ちは心の奥底に持ちつつも、履歴書上では「外の世界(社会人経験)で培ったスキルを還元し、母校の発展に貢献したい」という建設的なロジックに変換して伝える必要があります。
採用担当者が母校出身者に期待することと懸念すること
母校出身者を採用する際、採用担当者は期待と懸念の両方を持っています。これを理解した上で志望動機を構成することが重要です。
期待 建学の精神や校風への深い理解
卒業生であれば、その学校独自の建学の精神や校風、文化を肌感覚で理解しています。これは外部の人間が一朝一夕には身につけられない強みです。組織への帰属意識が高く、早期離職のリスクが低い点も評価されます。
懸念 視野の狭さと変化への抵抗感
一方で、母校愛が強すぎると、過去のやり方に固執したり、外部の新しい風を入れることを拒んだりするのではないかと懸念されます。また、学生時代の「お客様」としての感覚が抜けず、サービスを提供する側としての厳しさを理解していないと思われるリスクもあります。
学生視点を職員視点に切り替える3つのステップ
ただの卒業生ではなく、有能な職員候補として見てもらうためには、視点の切り替えが不可欠です。
ステップ1 母校の現状と課題を客観的に分析する
在学当時の思い出だけでなく、現在の母校が置かれている状況(少子化対策、グローバル化、キャリア支援の強化など)をリサーチします。外から見た客観的な視点で、母校の強みと課題を整理します。
ステップ2 社会人経験で得たスキルとの接点を探す
前職で培った営業力、事務処理能力、企画力などが、母校の課題解決にどう役立つかを考えます。例えば、営業経験があれば「学生募集(広報)」に、事務経験があれば「教務の効率化」に貢献できるといった接点を見つけます。
ステップ3 母校の未来を作るための貢献を宣言する
「昔は良かった」と懐かしむのではなく、「これからの母校をこうしていきたい」という未来志向の提案を行います。自身のスキルを使って、これからの学生たちのために何ができるかを具体的に語ります。
大学職員や学校事務へ転職する場合の志望動機例文
大学職員や事務職員として母校に戻る場合、教育研究の支援や、経営的な視点が求められます。
例文 営業経験を活かして大学職員を志望する場合
貴学が掲げる「自律した人材の育成」という建学の精神に、社会人経験を経た今、改めて深く共感し志望いたしました。在学中は貴学の自由な校風の中で多くの挑戦をさせていただきましたが、現在は少子化による競争激化など、大学経営を取り巻く環境が変化していると認識しております。前職の法人営業で培った「課題解決型の提案力」と「広報活動のノウハウ」を活かし、貴学の魅力を高校生や社会に向けて発信することで、志願者増とブランド力向上に貢献したいと考えております。卒業生としての誇りを胸に、職員として貴学の発展に尽力いたします。
教員として母校に戻る場合の志望動機例文
私立の中学・高校などの教員として戻る場合、自身の成長と教育への情熱を伝えます。
例文 他校での経験を経て母校の教員を志望する場合
貴校の「文武両道」の精神が、私の人間形成の原点であり、その環境で次世代の生徒たちを育てたいと強く願い志望いたしました。現在は公立中学校で3年間、理科教員として勤務し、ICTを活用した授業改善や部活動指導に注力してまいりました。外の世界で教職経験を積んだことで、貴校の伝統教育の素晴らしさを再認識するとともに、新しい教育手法を取り入れる必要性も感じております。培った指導力と柔軟な発想を活かし、生徒一人ひとりの可能性を引き出す教師として、母校の新たな歴史作りに貢献いたします。
母校だからこそ気をつけるべきNGポイント
母校への志望動機でやってはいけない表現があります。
昔話や思い出話ばかりを書く
「在学中、〇〇先生にお世話になり~」「学食の雰囲気が好きで~」といった思い出話は、面接のアイスブレイクとしては良いですが、志望動機の核にしてはいけません。過去ではなく未来を語ってください。
内部事情を知っているような馴れ馴れしさ
先生や職員と顔見知りであっても、採用選考の場では礼節をわきまえる必要があります。内輪ネタや、内部を知っているからこその批判的な意見(改善提案のつもりでも)は、生意気だと受け取られる可能性があります。あくまで一人の応募者として、謙虚かつ客観的な視点を忘れないようにします。
母校への転職は、愛着がある場所で働ける素晴らしいキャリア選択です。その愛を「プロフェッショナルとしての貢献意欲」という形に変えて伝えることで、採用担当者に「この卒業生なら母校を任せられる」と思わせる履歴書を作成してください。





