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履歴書の志望動機で「夢」を語ってもいい?採用されるための「キャリアビジョン」への変換術

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転職活動において、「将来はこんな仕事がしたい」「こんな自分になりたい」という「夢」を持つことは、働く上での強力なモチベーションになります。しかし、履歴書の志望動機欄にそのまま「私の夢は〇〇になることです」と書いてしまうと、採用担当者に「幼い印象」や「現実が見えていない」という懸念を抱かせてしまうリスクがあります。

ビジネスの場において、個人の夢はそのまま語るものではなく、企業の利益とリンクする「目標」として語る必要があります。ここでは、あなたの持つ熱い「夢」を、採用担当者が納得する「キャリアビジョン」へと変換し、書類選考を通過するための書き方について解説します。

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「夢」と「キャリアビジョン」の決定的な違い

採用担当者が履歴書で確認したいのは、個人的な願望(ドリーム)ではなく、ビジネスとしての展望(ビジョン)です。この2つの違いを理解することが、評価される志望動機への第一歩です。

  • 夢(Dream): 「〇〇になりたい」「〇〇が好き」という、あくまで自分主体の願望。具体的でなくとも成立し、期限や根拠が曖昧な場合が多い。
  • キャリアビジョン(Vision): 「〇〇のスキルを活かして、会社の〇〇事業に貢献したい」という、会社と自分双方にメリットがある目標。期限や達成までのプロセスが具体的である。

履歴書では、「夢」という言葉を使わず、「目標」「ビジョン」「志し」といったビジネス用語に置き換えるだけで、印象はぐっと引き締まります。

「夢」を評価される志望動機に変換する3つのステップ

あなたの夢を、採用担当者が「応援したい」「自社で叶えてほしい」と思う内容に変えるためには、以下の3ステップで文章を構成します。

1. 夢を「具体的な行動目標」に分解する

例えば「世界で活躍する人材になりたい」という夢がある場合、それを分解します。「語学力を活かす」「海外の商習慣を学ぶ」「海外支社の売上に貢献する」といった具体的な行動に落とし込みます。

2. 企業のメリットとリンクさせる

その夢が叶う過程で、企業にどのような利益があるかを説明します。「私が海外で活躍できるようになれば、貴社の海外シェア拡大に貢献できます」というように、夢の実現=会社の成長という図式を作ります。

3. 「夢」ではなく「目標」と言い切る

文章にする際は、「~が夢です」ではなく、「~を実現したいと考えています」「~を目指します」と言い切ります。これにより、単なる憧れではなく、達成する意志のある計画であることを示せます。

【ケース別】夢を志望動機に組み込む例文

ケース1:未経験の職種に挑戦する場合(憧れを目標へ)

「昔から〇〇の仕事をするのが夢だった」という動機は、熱意はありますが即戦力性に欠けます。これを「貢献意欲」に変えます。

変換前(NG)

「昔からインテリアが好きで、空間コーディネーターになるのが夢でした。貴社で勉強させていただき、夢を叶えたいです。」

変換後(OK)

「空間演出を通じて、人々の生活を豊かにしたいという強い思いがあり、インテリア業界を志望いたしました。前職の販売職で培った『顧客の潜在ニーズを引き出すヒアリング力』を活かし、お客様の理想を形にするコーディネーターとして、貴社の顧客満足度向上に貢献したいという目標があります。」

ケース2:将来独立したいという夢がある場合

「将来はカフェを開きたい」「独立したい」という夢は、企業にとって「ノウハウを盗んですぐ辞めるのではないか」という警戒材料になります。独立心は「自律的に動ける」「経営者視点を持つ」という言葉に変換します。

変換前(NG)

「将来は独立して自分のお店を持つのが夢です。貴社で経営ノウハウを学びたいと思い志望しました。」

変換後(OK)

「貴社が掲げる『全員経営者主義』という方針に共感し、志望いたしました。将来を見据え、単なる店舗スタッフに留まらず、数値管理やマネジメント視点を養い、一つの店舗を経営する責任感を持って売上拡大に貢献したいと考えております。」

ケース3:大きな社会貢献をしたいという夢がある場合

「貧困をなくしたい」「世界を変えたい」といった大きな夢は、抽象的すぎると「夢見がち」と思われます。その企業でできる現実的な業務に落とし込みます。

変換前(NG)

「世界の貧困問題を解決するのが私の夢です。貴社の活動を通じて世界を変えたいです。」

変換後(OK)

「貴社が途上国で展開されているフェアトレード事業の、『ビジネスを通じて持続可能な支援を行う』という姿勢に強く惹かれました。私の強みである語学力と交渉力を活かし、現地の生産者と貴社の架け橋となることで、事業の安定化と現地社会の発展の双方に貢献したいという目標があります。」

履歴書で避けるべき「夢」の書き方

志望動機において、以下のような「夢」の書き方はマイナス評価につながるため避けるべきです。

  • 「夢を叶えさせてほしい」という受け身の姿勢企業はあなたの夢を叶えるための学校や慈善団体ではありません。「夢を叶えるために、私が貴社を勝たせます」というギブ・アンド・テイクの姿勢が必要です。
  • 業務内容と無関係な夢「将来は世界一周旅行がしたい」といった、仕事の成果と全く関係のないプライベートな夢は、公私混同とみなされます。
  • 今の会社では無理だからという逃げの姿勢「今の会社では夢が叶わないので」というネガティブな文脈ではなく、「貴社でなら、より高いレベルの目標に挑戦できる」というポジティブな文脈で伝えます。

夢があることは「成長性」の証明になる

本来、夢を持っていることは素晴らしいことです。それは「現状に満足せず、成長し続けたい」というエネルギーの源だからです。採用担当者も、高い志を持つ人材を求めています。

大切なのは、その夢を「個人の感想」で終わらせず、「企業の未来図」と重ね合わせることです。「私の夢が叶うとき、御社も大きく成長しています」と論理的に伝えることができれば、あなたの夢は最強の志望動機になります。言葉の選び方を工夫し、ビジネスパーソンとしての信頼感と熱意を両立させた履歴書を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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