履歴書の志望動機で魅力を感じたを説得力ある言葉に変える書き方と例文

転職活動において履歴書の志望動機を作成する際、応募先企業の事業内容や社風に魅力を感じたことがきっかけになるケースは非常に多くあります。しかし履歴書の志望動機欄にそのまま貴社に魅力を感じたため志望しましたと書くだけでは、採用担当者に具体的ではない、誰にでも言えることだという印象を与えてしまうリスクがあります。魅力という言葉は便利ですが、それゆえに抽象的になりがちな表現です。ここでは魅力を感じたという素直な動機を、採用担当者が納得する具体的で説得力のあるビジネス文章に変換する書き方と、対象別の例文について詳しく解説します。

魅力を感じたという理由だけでは採用担当者に響かない理由

採用担当者は志望動機を通じて、応募者が自社のことをどれだけ深く理解しているか、そして入社後に自社の利益に貢献してくれる人材かどうかを見極めようとしています。その中で単に魅力を感じましたという言葉だけでは、具体的に何が良いと思ったのかが伝わらず、企業研究が不足しているのではないかと判断されてしまう可能性があります。また、企業のファンであることと、企業の社員として働くことは別物です。消費者目線で魅力を語るだけでは、仕事の厳しさを理解していないと受け取られかねません。したがって、魅力を感じたという入り口から一歩踏み込み、なぜその部分に惹かれたのかという自分なりの根拠と、その環境で自分がどう活躍したいかという貢献意欲をセットで伝える必要があります。

魅力を感じた対象を具体的に深掘りして言語化する視点

魅力を感じたという漠然とした感情を、採用担当者に伝わる言葉にするためには、その対象を具体的に分解して言語化することが大切です。まず、事業内容やサービスに魅力を感じた場合は、その独自性や社会的な影響力、将来性について言及します。競合他社にはない強みや、顧客として利用した際の感動体験などを具体的に挙げることで説得力が増します。次に、企業理念やビジョンに魅力を感じた場合は、その考え方が自分の仕事に対する価値観やこれまでの経験とどう合致しているかを説明します。共感の理由を自分の言葉で語ることが重要です。そして、社風や働く環境に魅力を感じた場合は、社員の働きぶりやチームワーク、挑戦を推奨する風土など、自分がパフォーマンスを発揮できる環境であることを伝えます。

魅力を感じたをより知的で熱意ある表現に言い換えるテクニック

魅力を感じましたというフレーズを繰り返すと文章が単調になり、語彙力が不足しているような印象を与えることがあります。状況に合わせて適切な言い換えを行うことで、より洗練された印象になります。例えば、企業理念や姿勢に対しては感銘を受けましたや深く共感いたしましたという表現を使います。事業内容や将来性に対しては可能性を感じておりますや強く惹かれましたと表現します。また、その企業独自の強みに対しては貴社ならではの〇〇に注目いたしましたと伝えることで、分析力の高さを示すこともできます。このように表現のバリエーションを持たせることで、熱意の強さや知性をアピールすることが可能です。

企業の魅力と自分の貢献意欲をセットで伝える構成術

志望動機において最も重要なのは、企業の魅力と自分の貢献意欲を論理的に結びつけることです。構成としては、まず書き出しでその企業のどこに魅力を感じたのかという結論を述べます。次にその理由を裏付ける自分の経験や価値観を記述します。そして最後に、その魅力的な環境で自分の強みを活かしてどう貢献したいかという決意で締めくくります。例えば、貴社の〇〇という事業戦略に魅力を感じました。前職で培った〇〇のスキルは、その事業の拡大において必ず役立つと確信しております。入社後は即戦力として〇〇の分野で貢献いたしますといった流れです。企業を褒めるだけでなく、自分を採用するメリットを提示することで、ビジネスパーソンとしての対等な関係性を築くことができます。

事業内容や商品に魅力を感じた場合の志望動機例文

メーカーやサービス業などで、特定の商品や事業展開に惹かれた場合の例文です。

貴社が展開する〇〇シリーズの、使い手の利便性を最優先に考えた製品設計と、常に新しい機能を追求する開発姿勢に強く魅力を感じ志望いたしました。私自身も長年貴社の製品を愛用しており、その品質の高さに信頼を寄せております。前職では家電量販店の販売員として、お客様の声を直接聞く業務に従事してまいりました。現場で培った顧客視点と提案力を活かし、貴社の素晴らしい製品をより多くのお客様に届ける営業職として、売上拡大とブランド価値の向上に貢献したいと考えております。

企業理念や社風に魅力を感じた場合の志望動機例文

理念への共感や、働く環境に惹かれた場合の例文です。

失敗を恐れず挑戦し続けるという貴社の企業理念と、若手社員でも新規プロジェクトのリーダーに抜擢される実力主義の社風に感銘を受け、志望いたしました。前職では定型業務をこなすことが求められる環境でしたが、私自身は自ら課題を発見し改善策を提案することにやりがいを感じるタイプです。貴社のような挑戦を歓迎する環境であれば、私の強みである行動力と企画力を最大限に発揮できると確信しております。未経験の業界ではありますが、持ち前の向上心で早期に業務を習得し、貴社の事業成長を加速させる一員として尽力いたします。

表面的な称賛にならないよう企業研究を徹底する

魅力を語る際に注意しなければならないのは、表面的な情報だけで知ったかぶりをしないことです。ウェブサイトのトップページに書いてあるキャッチコピーをそのまま引用したり、イメージだけで風通しが良さそうと書いたりすると、企業研究が浅いと見抜かれてしまいます。社長のインタビュー記事や決算資料、実際の店舗やサービスを利用した感想など、一次情報に基づいた深い理解を示すことが大切です。その上で、その魅力が自分にとってなぜ重要なのか、その環境で自分がどう輝けるのかを熱意を持って伝えることで、採用担当者に一緒に働きたいと思わせる履歴書を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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