バイトの履歴書で志望動機を2つ書くのは有効か?採用率を高める構成テクニックと例文
アルバイトの求人に応募する際、履歴書の志望動機をどのようにまとめるかは合否を分ける重要なポイントです。その中で、応募の理由が一つに絞りきれない、あるいは「家が近い」という理由だけでは弱い気がして「仕事内容への興味」も伝えたいという場合、志望動機を2つ書いてもよいのか迷うことがあります。結論から申し上げますと、アルバイトの志望動機を2つの要素で構成することは非常に有効な戦略です。条件面と意欲面の両方を伝えることで、採用担当者に安心感と期待感を与えることができるからです。ここでは、バイトの履歴書において志望動機を2つ書くメリットや、読みやすく説得力のある書き方、具体的な例文について詳しく解説します。
志望動機を2つに絞ることで説得力が倍増する理由
アルバイトの採用担当者が応募者に対して重視しているポイントは、大きく分けて二つあります。一つは「長く続けてくれるか(定着性)」、もう一つは「真面目に働いてくれるか(意欲・適性)」です。志望動機を2つ書くことの最大のメリットは、この二つの要件を同時に満たしているとアピールできる点にあります。例えば、1つ目の理由で「自宅から近いため長く安定して勤務できる」という定着性を伝え、2つ目の理由で「以前から貴店の商品が好きで働きたいと思っていた」という熱意を伝えます。単に「近いから」だけではやる気を疑われ、「好きだから」だけではシフトへの貢献度が伝わりにくいものですが、この二つを組み合わせることで、現実的なメリットと感情的な熱意のバランスが取れ、非常に説得力の高い志望動機が完成します。
「理由は2つあります」から始める書き方の基本構成
2つの理由をスムーズに伝えるためには、文章の構成を整理する必要があります。ダラダラと書き連ねるのではなく、最初に結論を提示するスタイルが読み手にとって最も親切です。書き出しは「私が貴店(貴社)を志望した理由は、大きく分けて2つあります」と宣言します。これにより、採用担当者はこれから2つのポイントが語られるのだなと準備をして読むことができます。続けて「1つ目は~だからです」「2つ目は~だからです」と順序立てて説明し、最後に「以上の理由から、貴店の一員として貢献したいです」と締めくくります。この型を守ることで、論理的でしっかりとした人物であるという印象を与えることができ、接客や業務におけるコミュニケーション能力の高さも間接的にアピールできます。
【例文1】「家が近い」と「お店への愛着」を組み合わせる場合
最も王道であり、採用担当者に好まれるのが、通勤の利便性と店舗への興味関心を組み合わせたパターンです。無理なく通えて、かつ仕事へのモチベーションも高い人材であることを示します。
記入例
私が貴店を志望した理由は2つあります。1つ目は、自宅から徒歩圏内であり、通勤時間が短いため、学業(または家庭)と両立しながら長く安定して勤務できると考えたためです。急なシフトの変更などにも柔軟に対応できると自負しております。2つ目は、以前より客として貴店を利用しており、スタッフの方の温かい接客と居心地の良い雰囲気に惹かれていたためです。私もそのような素敵な空間を作る一員となり、お客様に喜んでいただけるサービスを提供したいと強く願い、応募いたしました。
【例文2】「経験」と「シフト条件」を組み合わせる場合
経験者であることと、募集されているシフト条件に合致していることを組み合わせると、即戦力として非常に魅力的なアピールになります。
記入例
私が貴社を志望する理由は2つあります。1つ目は、前職での飲食店ホールスタッフとしての3年間の経験を活かし、即戦力として貢献できると考えたためです。忙しい時間帯でも笑顔を絶やさず、効率的に業務を遂行することには自信があります。2つ目は、貴社の募集要項にある「土日祝日勤務可能」という条件が、私の希望する働き方と合致しているためです。平日は別の活動をしておりますが、週末はフルタイムでシフトに入り、店舗の運営を支える戦力として長く勤務したいと考えております。
ダブルワークで2つ目のバイトに応募する場合の注意点
もし「バイトを2つ掛け持ち(ダブルワーク)したい」という意味で志望動機を考えている場合は、書き方に少し配慮が必要です。この場合、メインの仕事(または別のバイト)があることを隠さずに伝えた上で、なぜさらにこの仕事を選んだのかを説明します。「時間を有効活用したい」という理由に加え、「こちらの仕事でしか得られない経験がしたい」や「収入を安定させて生活基盤を整えたい」といった前向きな理由を添えます。重要なのは、スケジュール管理ができており、どちらの仕事にも支障をきたさないことを約束することです。「メインの仕事が休みの日に、以前から興味のあった貴店の業務に集中して取り組みたい」といったスタンスを示すことで、採用担当者の不安を払拭できます。
欲張りすぎずバランスを整えて熱意を伝える
理由を2つ書くことは効果的ですが、あれもこれもと詰め込みすぎて長文になってしまうのは逆効果です。履歴書の志望動機欄の大きさに合わせて、文字数を調整するバランス感覚が求められます。また、2つの理由が「時給が高い」と「楽そうだから」といった条件面だけに偏っていると、仕事への意欲が低いと判断されてしまいます。必ず一方は「仕事内容への興味」や「貢献できるスキル」といった、企業側のメリットにつながる要素を入れるようにしてください。条件と意欲、この両輪をしっかりと回すような志望動機を作成することで、アルバイトの採用選考を有利に進めることができます。





