履歴書の志望動機で「あと1行」が埋まらない!余白はNG?自然に埋めるテクニックと許容範囲
転職活動で履歴書の志望動機を書いている際、伝えたい内容はすべて書いたものの、記入欄の最後の1行だけが余ってしまったという経験はないでしょうか。完璧に埋め尽くすべきなのか、それとも1行程度の余白なら許容されるのか、些細なことですが書類選考の合否に関わるかもしれないと不安になるポイントです。ここでは、履歴書の志望動機欄における「1行余る」状態の是非と、採用担当者に好印象を与えるためのスペース配分、そしてあと少し文章を膨らませるための具体的なテクニックについて解説します。
1行余る程度なら「許容範囲」だが8割以上が鉄則
結論から申し上げますと、志望動機欄の最後の1行が余ってしまっても、それが原因で即不採用になることはまずありません。一般的に履歴書の記入マナーとして、記入欄の「8割以上」を埋めることが推奨されています。例えば、全5行の欄であれば4行目まで、全10行であれば8行目まで書かれていれば、視覚的に「しっかり書かれている」という印象を与えられます。最後の1行が空白であっても、適度な余白として読みやすさにつながる場合もあります。ただし、全体の行数が少ない場合(3行しかない欄で1行余るなど)や、半分以上が空白である場合は「熱意不足」「準備不足」と判断されるリスクが高いため、加筆修正が必要です。
なぜ空白が目立つとマイナス評価につながるのか
採用担当者は、志望動機の内容だけでなく、書類全体の「見た目」からも応募者の意欲を測っています。記入欄に対して文字数が少なすぎて空白が目立つ履歴書は、どうしても「やる気がない」「とりあえず空欄を埋めただけ」というネガティブな第一印象を与えてしまいます。また、空白が多いことは「アピールしたいことが少ない」あるいは「文章を構成して枠内に収める能力が不足している」と捉えられる可能性もあります。逆に、枠のギリギリまで、あるいは最後の行までしっかりと文字が埋まっている履歴書は、それだけで「入社したい」という強い熱意を物理的に伝えることができます。したがって、可能であれば最後の1行まで埋める工夫をするのが、書類選考を有利に進めるためのベストな選択です。
あと1行を自然に埋めるための文章テクニック
内容を変えずに文章量を少しだけ増やし、最後の1行まで埋めるためには、表現を具体化したり丁寧にしたりするテクニックが有効です。
具体的なエピソードや数字を加える
「営業成績が向上しました」という一文を、「チーム内で情報共有を徹底した結果、前年比120%の営業成績を達成しました」のように、具体的な行動や数字を加えることで、説得力を増しながら文字数を稼ぐことができます。
形容詞や修飾語で表現を豊かにする
「貴社のサービスに魅力を感じました」を、「貴社の、顧客一人ひとりに寄り添うきめ細やかなサービスと、地域社会への貢献性の高さに強い魅力を感じました」のように、どのような点に魅力を感じたのかを詳しく描写することで、熱意が伝わる文章になります。
結びの言葉(決意表明)を丁寧にする
最後の締めくくりを工夫するのも効果的です。「貢献したいです」で終わっている場合は、「これまでの経験を活かし、一日も早く貴社の戦力として貢献できるよう、精一杯努力する所存です」といったように、丁寧なビジネス表現に書き換えることで、1行から2行分を自然に増やすことができます。
レイアウト調整で見栄えを良くする方法
文章の内容を変えるのが難しい場合は、文字の大きさや行間を微調整することで、見た目のバランスを整えることができます。
手書きの場合
文字を普段よりも「少し大きく、太く」書くことを意識します。特に画数の多い漢字などを丁寧に大きく書くことで、行が埋まりやすくなります。また、改行のタイミングを調整し、行頭に空白(インデント)を設けることで、読みやすさを維持しつつスペースを埋めることができます。
パソコン作成(Word・Excel)の場合
フォントサイズを標準の10.5ポイントから11ポイント程度に上げる、あるいは行間の設定をわずかに広げることで調整します。ただし、極端に行間を空けすぎるとスカスカに見えて逆効果ですので、あくまで自然に見える範囲での微調整に留めます。文字数と枠のバランスを見ながら、改行位置を工夫するのも一つの手です。
無理に埋めて内容が薄くなる本末転倒は避ける
空白を埋めようとするあまり、無駄な言葉を羅列して文章が冗長になったり、同じ内容を繰り返したりするのは避けるべきです。「~と思っており、~と考えており、~と感じています」のように、語尾を延々と繋げて一文を長くすると、読みづらくなり、論理的な思考力が疑われてしまいます。もし、内容が簡潔で分かりやすくまとまっており、それが自身のベストなアピールであると確信できるのであれば、無理に1行を埋める必要はありません。読み手である採用担当者にとって「読みやすく、内容が頭に入ってくる」ことが最優先事項です。全体のバランスを見て、清潔感のある美しい履歴書になっているかどうかを最終的な判断基準にしてください。





