履歴書写真でポロシャツ着用はNG？採用担当者が判断するクールビズの境界線

夏の暑い時期やクールビズが推奨されている期間中に転職活動を行う際、履歴書の写真もポロシャツのような軽装で撮影してもよいのではないかと迷う方は少なくありません。面接や実際の勤務ではポロシャツが許容されている企業も増えていますが、履歴書という公的な書類に残る写真において、どこまでカジュアルダウンが認められるのかは慎重な判断が必要です。ここでは、履歴書写真におけるポロシャツ着用の是非や、採用担当者が抱く印象、そして業界による許容範囲の違いについて詳しく解説します。

履歴書写真においてはポロシャツよりもスーツが圧倒的に有利

結論から申し上げますと、一般的な企業の事務職や営業職、総合職などに応募する場合、履歴書の写真でポロシャツを着用することは避けたほうが無難です。たとえ世間がクールビズ期間中であったとしても、履歴書の写真は「スーツ（ジャケット）着用」の正装で撮影するのが基本であり、最もリスクの少ない選択となります。これには明確な理由があります。まず、履歴書は採用担当者の手元に長期間保管される可能性がある書類だからです。もし選考が長引いたり、入社手続き等の関係で秋以降にその写真を見られたりした場合、半袖のポロシャツ姿は季節外れな印象を与え、TPOをわきまえていないと判断されるリスクがあります。また、ポロシャツは襟が柔らかく、ジャケットなしで着用すると首元がルーズに見えやすいため、証明写真という小さな枠の中では、単にだらしない普段着のように見えてしまう危険性があります。

ポロシャツが許容される業界と職種の例外

基本的にはスーツが推奨されますが、すべてのケースでポロシャツがNGというわけではありません。応募する業界や職種によっては、ポロシャツでの撮影が許容される、あるいはプラスに働く場合もあります。代表的なのが、介護職、保育士、スポーツインストラクター、運送業、工場勤務などの「体を動かす仕事」です。これらの職種では、活動的で健康的な印象が重視されるため、清潔感のあるポロシャツ姿が「現場の即戦力」として好意的に受け止められることがあります。また、ITベンチャーやクリエイティブ業界など、服装の自由度が極めて高い企業においても、オフィスカジュアルの一環として認められるケースがあります。しかし、その場合であっても、ヨレヨレの古着や派手なロゴが入ったものは避け、ビジネス対応のきれいめなポロシャツを選ぶことが最低限のマナーです。

ビジネスシーンにふさわしいポロシャツの選び方

もし志望する業界がポロシャツ着用可であると確信し、あえてポロシャツで撮影に臨む場合は、選び方に細心の注意を払う必要があります。まず色は、白、黒、ネイビーなどのベーシックカラーを選びます。原色や柄物はカジュアルすぎるため避けます。そして最も重要なのが「襟の形」です。襟が寝てしまうとだらしない印象になるため、「ボタンダウン」や「台襟付き」のデザインを選び、第一ボタンを開けても襟がしっかりと立ち上がり、立体感が出るものにします。素材に関しても、鹿の子編みのカジュアルすぎるものよりは、光沢感のあるスムース素材や、シャツに近い質感のものを選ぶと、きちんとした印象になります。サイズ感はジャストサイズを選び、肩のラインが合っているか、胸元が開きすぎていないかを確認してください。

クールビズ期間中でもジャケットを羽織るのが賢明

「暑いからポロシャツで撮りたい」という理由であれば、撮影の瞬間だけジャケットを羽織るという折衷案をおすすめします。インナーがポロシャツであっても、上からテーラードジャケットを羽織ることで、襟元が引き締まり、ビジネスマナーを守ったスタイルに見せることができます。これならば、涼しさを確保しつつ、書類選考での「カジュアルすぎる」というリスクを回避することが可能です。この際、ポロシャツの襟をジャケットの外に出すのは時代遅れな印象や子供っぽい印象を与えるため、必ずジャケットの中に収めるようにします。ポロシャツをワイシャツ代わりのインナーとして活用することで、機能性と信頼感を両立させた賢い着こなしとなります。

写真と面接の服装は使い分けるという考え方

よくある誤解として、面接にポロシャツで行くのだから、写真もポロシャツでなければならないと考える方がいます。しかし、採用担当者は「写真はフォーマルなもの」「面接は季節に合わせた服装」という使い分けを理解しています。むしろ、写真はしっかりと正装で撮られていて、面接では清潔感のあるクールビズスタイルで現れた場合、「TPOを使い分けられる常識的な人」というプラスの評価につながることもあります。履歴書の写真は、あなたの「一番良い状態」を記録するものです。暑さ対策や楽さを優先してポロシャツを選ぶのではなく、一年を通して誰が見ても失礼のない、信頼感あふれるスーツスタイルを選ぶことが、書類選考を突破するための確実な戦略といえます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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