履歴書の写真で不採用になる「ダメな例」とは?採用担当者が即決でNGを出すNG写真の特徴と改善策
履歴書の写真は、採用担当者が応募者の人物像をイメージする最初の手がかりであり、書類選考の合否を左右しかねない重要な要素です。経歴やスキルが素晴らしいにもかかわらず、写真の印象が悪いために「常識がない」「志望度が低い」と判断され、面接の機会を逃してしまうケースは後を絶ちません。では、具体的にどのような写真が「ダメな例」として扱われるのでしょうか。ここでは、採用担当者の視点から見た、絶対に避けるべき履歴書写真のNG例とその理由、そして改善するためのポイントについて詳しく解説します。
1. スマートフォンでの「自撮り」や「スナップ写真の切り抜き」
最も多く、かつ採用担当者にマイナスの印象を与えるのが、スマートフォンによる自撮り写真や、遊びに行った際のスナップ写真を切り抜いて使用するケースです。最近のアプリは高画質ですが、自撮り特有のレンズの歪み、カメラとの距離の近さ、片手が伸びていることによる姿勢の不自然さは、プロの目で見るとすぐに分かります。また、背景に生活感のあるカーテンや家具が写り込んでいたり、影が落ちて暗くなっていたりすることも多々あります。これらは「転職活動への準備不足」や「TPO(時・所・場合)をわきまえない姿勢」と受け取られ、仕事に対する真剣さが足りないと判断される決定的な要因となります。
2. 過度な加工や「プリクラ」の使用
肌をきれいに見せたいという思いから、加工アプリを使って目を大きくしたり、顎を細くしたり、肌を陶器のようにツルツルにしたりするケースも見受けられます。しかし、履歴書写真は「本人確認」が主目的です。実物とあまりにかけ離れた加工(レタッチ)は、面接で会った瞬間に「写真と別人が来た」という違和感を生み、不信感につながります。また、プリクラの使用は論外です。ビジネスの場において、遊びの延長線上にあるツールを使用することは、社会人としての常識を疑われる行為です。修正を行う場合は、写真館などで肌のトラブルを隠す、アホ毛を消すといった「身だしなみを整える範囲」に留めることが鉄則です。
3. 身だしなみの乱れと清潔感の欠如
写真の画質が良くても、被写体である本人の身だしなみが整っていなければ意味がありません。以下のような状態は「だらしない」と判断される典型的なダメな例です。
- 髪型の乱れ: 寝癖がついている、アホ毛が立っている、前髪が目にかかっていて表情が見えない。
- 服装の乱れ: ネクタイが曲がっている、第一ボタンが開いている(男性)、ブラウスの襟がジャケットから出ていない、または片方だけ出ている(女性)、スーツにシワが寄っている。
- 季節外れの服装: 夏に提出する履歴書なのに、厚手のコートやマフラーをしている写真(使い回しが露呈します)。
これらは、鏡を見てチェックすれば防げるミスです。細部への配慮が欠けている写真は、「仕事も雑に行うのではないか」という懸念を抱かせます。
4. 表情が「威圧的」または「ふざけている」
表情の作り方一つで、人柄の評価は大きく変わります。真剣さをアピールしようとして、口を一文字に結び、目を吊り上げた「睨みつけるような真顔」は、威圧的で扱いづらい印象を与えます。逆に、歯を見せて満面の笑みを浮かべた写真は、元気な印象はあるものの、業界によっては「軽薄」「真剣みがない」と判断されるリスクがあります。また、顎を上げすぎて相手を見下ろすような角度や、逆に引きすぎて上目遣いになっている角度もNGです。好印象なのは、口を閉じて口角をわずかに上げた「自然な微笑み」です。無表情すぎず、笑いすぎない、知性と親しみやすさを兼ね備えた表情を目指してください。
5. サイズ間違いや切り貼りの雑さ
写真そのものの内容だけでなく、履歴書への貼り方にも注意が必要です。履歴書の写真枠(一般的には縦40mm×横30mm)よりも写真が小さすぎて余白ができている、あるいは大きすぎて枠からはみ出している状態は、非常に見栄えが悪く、雑な印象を与えます。また、写真をハサミで切る際に線がガタガタになっていたり、のりがはみ出して汚れていたりするのもマイナスポイントです。さらに、古い写真を剥がして再利用した痕跡(裏面の剥がし跡やシワ)があるものは、応募先企業に対する敬意が感じられません。写真は規定のサイズ通りに定規とカッターできれいに切り、真っ直ぐ丁寧に貼ることが、書類全体の完成度を高めるための最低限のマナーです。
6. 3ヶ月以上前の写真の使い回し
「見た目があまり変わっていないから」という理由で、半年や1年前に撮影した写真を使用するのも避けるべきです。髪型や体型、顔つきは、自分が思っている以上に変化しています。面接官が履歴書写真と実物を見比べたときに違和感を覚えると、本人確認に時間がかかるだけでなく、「手抜きをしている」という印象を持たれかねません。ビジネスマナーとして、証明写真は「撮影から3ヶ月以内」のものを使用するのが原則です。常に最新の自分を見てもらうという誠実な姿勢が、採用担当者の信頼を得ることにつながります。





