ゲーム業界への転職を成功させる履歴書写真の選び方と撮影のポイント

ゲーム業界への転職を目指す際、履歴書に貼る写真はどのようなものが適切なのか迷う方は少なくありません。自由でクリエイティブなイメージが強い業界であるため、一般的な企業と同じような堅いスーツ姿でよいのか、それとも個性を出した私服のほうが好まれるのか判断が難しいところです。実はゲーム会社といっても、応募する職種や企業の規模によって求められる人物像は異なり、それに合わせて写真のスタイルも微調整する必要があります。ここでは、ゲーム業界の採用担当者に響く履歴書写真の正解と、職種別の服装や身だしなみのポイントについて詳しく解説します。

ゲーム会社が履歴書写真に求める要素とは

ゲーム業界の採用において重視されるのは、クリエイティビティと同時に、チームでプロジェクトを遂行するための協調性や社会人としての常識です。履歴書の写真は、このバランス感覚を持っているかを確認するための重要な資料となります。写真で過度に個性を主張する必要はありません。むしろ、個性やスキルは職務経歴書やポートフォリオ（作品集）で十分にアピールできるため、履歴書の写真では「一緒に働きやすい人物であること」や「清潔感」を伝えることに徹するのが賢明です。基本的には、誰が見ても不快感を持たない整った身だしなみが求められますが、金融機関のような堅苦しさまでは必要ないケースが多いのが特徴です。

総合職や大手パブリッシャーはスーツが鉄則

同じゲーム会社でも、プロデューサーやディレクターなどの企画職、営業職、バックオフィス業務、あるいは歴史ある大手パブリッシャー（販売元）に応募する場合は、スーツでの撮影が鉄則です。これらの職種や企業では、社外の取引先と関わる機会も多く、ビジネスパーソンとしての基本的なマナーが厳しく見られます。色は濃紺やチャコールグレーなどの落ち着いたものを選び、男性ならネクタイを着用し、女性ならジャケットを羽織るスタイルが最も無難で信頼を得やすいです。ここで個性を出そうとしてラフな格好をすると、「TPOをわきまえていない」と判断されるリスクが高いため、オーソドックスなスタイルを貫くことが書類選考通過への近道となります。

クリエイター職における服装の許容範囲と正解

デザイナー、プログラマー、サウンドクリエイターなどの開発職（クリエイター職）に応募する場合、服装の自由度は比較的高い傾向にあります。多くの開発現場では私服勤務が一般的であるため、履歴書写真においても必ずしもスーツである必要はありません。しかし、だからといってTシャツやパーカーといった普段着で撮影するのは避けるべきです。おすすめなのは「オフィスカジュアル」です。襟付きのシャツやきれいめなカットソーにジャケットを羽織るスタイルであれば、クリエイターとしての柔軟な雰囲気を出しつつ、社会人としての礼儀正しさもアピールできます。清潔感のある服装を選ぶことで、ポートフォリオの中身を純粋に評価してもらうための土台を作ることができます。

髪型や表情で伝える柔軟性とコミュニケーション能力

ゲーム制作はチームプレーで行われるため、写真の表情からは「コミュニケーションが取りやすそうか」という点がチェックされます。真顔で威圧的な表情よりも、口角を少し上げて微笑んでいる表情のほうが、柔軟性や親しみやすさを感じさせ好印象です。髪型については、クリエイター職であれば多少の長髪やカラーリングが許容される場合もありますが、清潔感があることが大前提です。髪が目にかかっていたり、ボサボサだったりすると、不潔な印象を与えてしまいます。長い髪はまとめるか耳にかけ、顔の表情がはっきりと見えるように整えます。もし奇抜な髪型や色をしている場合は、それが作品作りの感性としてプラスに働く企業なのか、それとも協調性を重んじる企業なのかを事前にリサーチし、不安があれば落ち着いたトーンに戻してから撮影に臨むのが安全です。

Webエントリーを見据えたデータ準備と画質へのこだわり

ゲーム業界の採用選考は、その多くがWebサイトや専用フォームを通じたデジタルエントリーで行われます。そのため、履歴書写真はプリント（現像写真）だけでなく、適切なサイズの画像データとして準備しておくことが必須です。この際、スマートフォンの自撮りアプリなどで撮影した低画質なデータを使用すると、デジタル技術に精通しているゲーム会社の担当者にはすぐに画質の粗さを見抜かれてしまいます。「ITリテラシーが低い」「細部へのこだわりがない」と思われないためにも、写真館やフォトスタジオで撮影した高画質なデータを使用することをおすすめします。スタジオであれば、Web応募用のサイズ調整やデータ転送もスムーズに行ってくれるため、急な応募にも対応できます。

ポートフォリオとのギャップを考慮した戦略

最後に意識したいのが、履歴書写真とポートフォリオとのバランスです。クリエイター職の場合、ポートフォリオでは存分に自分の個性や尖ったセンスを表現すべきですが、履歴書写真ではあえて「常識的な社会人」の姿を見せるというギャップが、信頼感につながることがあります。「作品は独創的だが、本人は非常に真面目でコミュニケーションが取れる」という印象を与えることができれば、採用担当者は安心して次のステップである面接に呼ぶことができます。履歴書写真はあくまでビジネスの入り口であると割り切り、清潔感と信頼感を最優先した一枚を用意してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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