ワードで履歴書を作成する際の写真の貼り方とレイアウト崩れを防ぐ設定手順
近年では手書きの履歴書だけでなく、パソコンを使用して作成したデジタル履歴書を提出する機会が増加しています。特にマイクロソフトのワードを使用して作成する場合、最も多くの求職者がつまずくポイントが証明写真の貼り付けです。写真を挿入した瞬間に全体のレイアウトが崩れてしまったり、所定の枠にきれいに収まらなかったりといったトラブルは頻繁に起こります。ここでは、ワードで履歴書を作成する際に、写真を正しい位置に貼り付け、採用担当者に好印象を与える美しい仕上がりにするための具体的な操作手順とポイントについて解説します。
貼り付け前に準備すべき画像データの規格
ワードに写真を貼り付ける前に、まずは適切な画像データを用意することが重要です。撮影したデータは、履歴書の一般的な写真サイズである縦4対横3の比率になっているかを確認します。もし比率が異なる場合は、あらかじめ画像編集ソフトなどでトリミングをしておくか、ワードの機能を使って調整する必要があります。また、画質も重要な要素です。解像度が低すぎる画像は、印刷した際にぼやけてしまい、不鮮明な印象を与えてしまいます。写真館で撮影したデータや、スピード写真機からダウンロードした高画質なデータを使用するのが理想的です。プリントされた写真をスキャナーで取り込んだデータは、画質が劣化したりホコリが写り込んだりしやすいため、可能な限り元のデジタルデータを使用することをおすすめします。
写真を挿入した際のレイアウト崩れを防ぐ設定
ワードに写真を挿入する際、多くの人が直面するのが、写真を入れた途端に文字が勝手に移動したり、罫線がずれたりするレイアウト崩れです。これは、ワードの初期設定において、画像が文字と同じ行内配置として扱われているために起こります。この問題を解決し、写真を自由な位置に動かせるようにするためには、文字列の折り返し設定を変更する必要があります。まず、挿入タブから画像を選択して文書内に表示させます。次に、その画像を選択した状態で、図ツールの書式タブにある文字列の折り返しをクリックし、表示されたメニューの中から前面を選択します。この設定を行うことで、画像がテキストや枠線の上に浮いた状態となり、マウスのドラッグ操作で自由に位置を動かせるようになります。履歴書の所定の写真枠に合わせるためには、この前面設定が必須の工程となります。
写真サイズを正確に調整して枠に収める方法
写真を自由に動かせるようになったら、次は履歴書の写真枠に合わせてサイズを調整します。一般的な履歴書の写真サイズは縦40ミリ、横30ミリです。マウスを使って画像の四隅にあるハンドルをドラッグし、感覚的にサイズを合わせることも可能ですが、より正確に調整するためには数値指定を行うのが確実です。画像を選択した状態で、画面右上のサイズグループにある高さと幅の入力欄に、それぞれ40ミリ、30ミリと入力します。このとき、縦横比を固定する設定になっていると、片方の数値を入力した際にもう片方が自動的に変わり、指定通りのサイズにならないことがあります。その場合は、レイアウトの詳細設定から縦横比を固定するのチェックを外すか、トリミング機能を使って不要な部分をカットし、比率を整えてからサイズ変更を行うとうまくいきます。
画像が歪んでいないか最終チェックを行う
サイズ調整を行う際に注意しなければならないのが、画像の歪みです。マウスでサイズを変更する際、四隅ではなく辺の中央にあるハンドルをドラッグしてしまうと、縦長になったり横長になったりして、顔の形が変わってしまいます。本人確認の役割を持つ写真において、顔が歪んでいることは大きなマイナスポイントとなります。必ず四隅のハンドルを使って比率を保ったまま拡大縮小を行うか、前述の数値指定機能を使用してください。また、写真が枠からはみ出していたり、逆に小さすぎて余白ができていたりするのも見栄えがよくありません。枠線と写真の端がぴったり重なるように配置するか、もしくは枠線の上に写真を重ねて、枠線が見えないように配置するときれいに仕上がります。微調整を行う際は、マウスではなくキーボードの矢印キーを使うと、細かく位置を動かすことができます。
PDFファイルに変換して提出する際の注意点
ワードで作成した履歴書をメールや応募フォームで送信する場合、ワード形式のまま送るのではなく、PDF形式に変換して送るのが一般的です。ワードのまま送ると、採用担当者のパソコン環境によっては、レイアウトが崩れたり、写真の位置がずれたりする可能性があるからです。PDFに変換することで、自分が作成した通りのレイアウトで相手に見てもらうことができます。変換後は必ずファイルを開き、写真の画質が粗くなっていないか、位置がずれていないかを確認してください。また、ファイル名には自分の氏名と履歴書という言葉を含め、採用担当者が管理しやすいように配慮することも大切です。デジタル作成であっても、写真の扱いはその人の丁寧さを表す部分ですので、細部までこだわって作成してください。





