履歴書の写真は「笑顔」で撮ってもいい？採用担当者に好印象を与える表情の正解と歯を見せる基準

転職活動において、履歴書の証明写真は採用担当者との「最初の対面」となる重要なツールです。そこで多くの人が悩むのが、「写真での表情」です。

「真面目な顔の方が誠実に見えるのではないか」「笑顔だと不真面目だと思われないか」と不安に思う一方で、無表情だと「暗い」「怖そう」に見えてしまうこともあります。

結論から申し上げますと、履歴書の写真は「笑顔」で撮るのが正解です。ただし、プライベートのスナップ写真のような満面の笑みではなく、ビジネスシーンにふさわしい「節度ある笑顔」が求められます。

ここでは、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる好印象な表情の作り方や、歯を見せても良いのかという基準、そして自然な笑顔を撮るためのテクニックについて詳しく解説します。

なぜ履歴書の写真は「笑顔」が良いのか？採用側の心理

かつては「証明写真は真面目な顔で」という風潮もありましたが、現在の中途採用市場においては、**「口角の上がった自然な微笑み」**が最も評価される傾向にあります。

採用担当者は、写真を通じて単に容姿を確認しているのではなく、「一緒に働きたい人物か」を判断しています。

• 無表情（真顔）：「気難しそう」「コミュニケーションが取りづらそう」「暗い」というネガティブな印象を与えがちです。
• 自然な笑顔：「親しみやすい」「自信がある」「コミュニケーション能力が高そう」というポジティブな印象を与えます。

特に中途採用では、スキルだけでなく「職場に馴染めるか」という人間性も重視されるため、柔らかい表情は大きな武器になります。

どこまで笑っていい？「歯を見せる」か「口を閉じる」かの判断基準

「笑顔」といっても、歯を見せて笑うのか、口を閉じて微笑むのかで印象は大きく変わります。基本的には**「志望する業界・職種」**に合わせて使い分けるのが賢明です。

1. 基本は「口を閉じて口角を上げる」

最も汎用性が高く、どの業界でも好印象なのは、**「歯を見せずに、口角をキュッと上げた表情（アルカイックスマイル）」**です。

• 印象： 知的、誠実、穏やか、品がある
• おすすめの職種： 事務職、経理、エンジニア、メーカー、公務員、金融系など
  • ※特に堅実さが求められる業界では、歯を見せない方が無難です。

2. 「歯を見せる」のがプラスになるケース

上の歯が少し見える程度の笑顔は、明るさや活発さを強調できます。ただし、大笑いではなく、あくまで「爽やかさ」を感じさせる範囲に留めましょう。

• 印象： 明るい、社交的、エネルギッシュ、親しみやすい
• おすすめの職種： 営業職、接客・販売業、サービス業、クリエイティブ職、外資系企業など
  • ※「お客様と接する仕事」では、第一印象の良さが実務能力の一部とみなされるため、歯を見せた笑顔が高く評価されることがあります。

自然で好印象な「笑顔」を作る撮影テクニック

いざカメラの前に立つと、緊張して顔がこわばってしまいがちです。自然で素敵な表情を引き出すための具体的なコツを紹介します。

1. 「ウィ」の口を作る

口角を上げるコツは、心の中で「ウィ」と発音することです。

「イ」の口だと横に広がりすぎて不自然になることがありますが、「ウィ」の形を意識すると、頬の筋肉が持ち上がり、自然に口角が上がります。この状態で口を閉じると、綺麗な微笑みになります。

2. 目に力を入れる（目力を意識する）

口元だけ笑っていても、目が笑っていないと「作り笑顔」に見えてしまい、かえって不信感を与えます。

レンズの奥を見据えるように、少しだけ目に力を込めましょう。「やる気」や「意志の強さ」が目に宿り、表情全体が引き締まります。顎を引きすぎず、正面からまっすぐカメラを見るのがポイントです。

3. 撮影直前に深呼吸とストレッチ

撮影ブースに入ったら、まずは深呼吸をして肩の力を抜きましょう。顔の筋肉をほぐすために、口を大きく開け閉めしたり、頬を膨らませたりするストレッチを行うと、表情が柔らかくなります。

これはNG！避けるべき「悪い笑顔」の例

笑顔を意識しすぎて、逆効果になってしまうケースもあります。以下の点に注意して最終チェックを行いましょう。

• 上目遣い・顎が上がっている：角度がつくと、「媚びている」あるいは「偉そう」に見えてしまいます。あくまで正面を向いてください。
• ニヤケ顔（薄ら笑い）：口角が片方だけ上がっていたり、目が笑っていなかったりすると、「何か企んでいる」「不誠実」な印象を与えます。
• 爆笑しているような笑顔：目が細くなるほど笑ったり、下の歯まで見えたりする笑顔は、ビジネスシーンには不適切です。「真剣味がない」と判断されるリスクがあります。

まとめ：写真は「最高の自分」をプレゼンする場

履歴書の写真は、あなたのキャリアと人柄を伝えるための最初のプレゼンテーションです。

「真面目さ」を履き違えて怖い顔をする必要はありません。

応募する企業のカラーに合わせて、**「この人なら職場の雰囲気を良くしてくれそうだ」**と思わせるような、清潔感と自信に満ちた笑顔の写真を準備してください。その一枚が、書類選考突破の大きな後押しとなります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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