20代女性の転職は「写真」で差がつく。書類選考を突破するための服装・メイク・表情の正解

20代女性の転職活動において、履歴書の証明写真は採用担当者の第一印象を決定づける極めて重要な要素です。新卒の就職活動とは異なり、ただ「若さ」があれば良いわけではなく、社会人としての「ビジネスマナー」や「落ち着き」も同時に求められるからです。

「リクルートスーツを着るべきか？」「メイクはどこまで許されるのか？」といった悩みは尽きませんが、ここを戦略的に整えることで、「会ってみたい」と思われる確率は格段に上がります。ここでは、20代の女性が書類選考を突破するために知っておくべき、証明写真の服装、メイク、表情のポイントを徹底解説します。

「新卒感」を脱却し、「即戦力」の品格を演出する服装選び

20代の転職で最も意識すべきなのは、「新卒の就活生に見えないこと」です。リクルートスーツのままでは頼りなさを感じさせてしまう可能性があるため、インナー（中に着る服）やジャケットの選び方で、キャリアを積んだ大人の女性としての演出が必要です。

ジャケットは必須だが、色は自分に合わせて選ぶ

転職活動であっても、履歴書写真ではジャケットの着用が鉄則です。

• 黒・ネイビー： 最も無難で、誠実さや知的な印象を与えます。金融や公務員、堅実なメーカーなどを志望する場合に最適です。
• ダークグレー・チャコール： 黒よりも少し柔らかな印象になり、こなれ感が出ます。
• ベージュ・ライトグレー： アパレルや美容、IT系など、華やかさや柔軟性が求められる職種では、明るい色のジャケットで顔色をよく見せるのも戦略の一つです。

インナーで「脱・就活生」を図る

Vゾーンの印象は顔映りを大きく左右します。

• スキッパーシャツ（襟を開く）： 首元がすっきり見え、活発で明るい印象を与えます。営業職などに適しています。
• レギュラーシャツ（第一ボタンを留める）： 最も堅実な印象。事務職や公的な仕事に適していますが、新卒っぽくなりすぎないよう注意が必要です。
• カットソー・ブラウス（襟なし）： 転職活動では最もおすすめのスタイルです。鎖骨が少し見えるラウンドネックやスクエアネックの白インナーは、清潔感と大人の落ち着きを同時にアピールできます。フリルやレースが過度についたものは避けましょう。

20代の強みである「清潔感」を引き出すヘアメイク

採用担当者が写真でチェックしているのは「美人かどうか」ではなく、「一緒に働きたいと思える清潔感があるか」です。20代ならではの肌のハリや明るさを活かしつつ、ビジネス仕様に整えることが重要です。

髪型は「顔の輪郭」を出して信頼感を

• 前髪： 目にかからないように流すか、分けます。目元がはっきり見えることは、意志の強さを伝える上で不可欠です。
• サイドの髪： 耳にかけることで、顔周りが明るくなり、清潔感が増します。ロングヘアの場合は後ろで一つにまとめるか、ハーフアップにすると好印象です。
• 髪色： 明るすぎる茶髪は避け、ダークブラウンか黒に戻すのが無難です。プリン状態（根元が黒い状態）は「だらしない」と判断されるため、撮影前にメンテナンスを行いましょう。

メイクは「ナチュラル」かつ「健康的」に

普段のメイクよりも「写真写り」を意識する必要があります。

• ベースメイク： クマや肌荒れはコンシーラーでカバーし、健康的な肌色に整えます。テカリは厳禁ですので、パウダーでマットに仕上げます。
• チーク・リップ： 照明で色が飛びやすいため、血色がよく見えるコーラルピンクやローズ系を、普段より少しだけはっきりと入れます。
• アイメイク： ラメや派手な色は避け、ブラウン系で自然な陰影をつけます。アイラインは引きすぎず、目力を強調する程度に留めます。

「自信」と「親しみやすさ」が伝わる表情の作り方

20代の応募者に企業が期待するのは、「素直さ」や「前向きなエネルギー」です。無表情で冷たい印象の写真は、コミュニケーション能力に不安を持たれてしまうリスクがあります。

口角を上げて「ウィ」と発音する

真顔ではなく、口角をキュッと上げた「自然な微笑み」がベストです。歯を見せて笑うのは業界（CAや接客業など）によりますが、基本的には口を閉じて、心の中で「ウィ」と発音するイメージで口角を持ち上げると、自然で知的な笑顔になります。

目に力を宿す（キャッチライト）

レンズの奥を見据えるように、少しだけ目を見開きます。顎を引きすぎると上目遣いで睨んでいるように見え、上げすぎると偉そうに見えるため、正面からまっすぐカメラを見ることが大切です。目に光（キャッチライト）が入ると、生き生きとした表情になります。

自撮りやスピード写真ではなく「写真館」を選ぶべき理由

「スマホのアプリでいいや」と思っているなら、それは大きな機会損失です。20代の転職は、ポテンシャル採用から即戦力採用へと切り替わる過渡期であり、ライバルも多い世代です。

写真館（フォトスタジオ）で撮影することで、以下のメリットが得られます。

1. プロによる姿勢・表情の指導： 自分では気づかない「肩の傾き」や「こわばり」を修正してくれます。
2. 適切なライティングと修整： 肌トラブルやクマを自然にカバーし、清潔感を底上げしてくれます。
3. Webデータへの対応： 多くの企業がWebエントリーを導入しているため、適切なサイズの高画質データを受け取れるのは必須条件です。

数千円の投資を惜しんで書類選考で落ちてしまうより、最高の一枚を用意して自信を持って応募する方が、結果的にコストパフォーマンスは良くなります。

20代女性の履歴書写真は、「若さ」という武器を「ビジネススキル」として見せるための重要なツールです。細部までこだわった写真は、採用担当者に「この人は仕事も丁寧にしてくれそうだ」という期待感を抱かせます。万全の準備をして、最高の第一印象を勝ち取ってください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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