履歴書写真の「裏」には名前を書くべき?採用担当者が評価する見えない気配りとマナー
履歴書の作成において、表面の記入には細心の注意を払っても、意外と見落とされがちなのが「証明写真の裏側」です。「貼ってしまえば見えないから何も書かなくていいだろう」「シール付きだからそのまま貼ればいい」と考えていませんか?
実は、履歴書写真の裏書きは、採用担当者に対する重要なリスク管理であり、ビジネスマナーの一つです。見えない部分にまで配慮が行き届いているかどうかは、仕事に対する丁寧さを判断する材料にもなります。
ここでは、履歴書写真の裏面に書くべき内容や、写真へのダメージを防ぐ正しい書き方、そして剥がれないための貼り方のコツについて詳しく解説します。
履歴書写真の裏書きは「必須のマナー」です
結論から言うと、履歴書に貼る証明写真の裏には、必ず**「氏名」**などを記入するのが鉄則です。
最近の糊やシールは粘着力が強くなっていますが、それでも郵送の途中や、採用担当者が書類を整理している最中に、写真が剥がれてしまう可能性はゼロではありません。もし裏が白紙のままだと、剥がれ落ちた写真が誰のものか分からなくなってしまい、採用担当者を困らせることになります。
裏書きをしておくことは、「万が一のトラブルが起きても相手に迷惑をかけないためのリスクヘッジ(配慮)」です。こうした細やかな気配りができるかどうかが、書類選考における隠れた加点ポイントになります。
裏面に書くべき具体的な内容
写真の裏面には、以下の情報を記入します。
- 氏名(フルネーム):必須
- 撮影日:推奨(または生年月日)
基本的には氏名だけでも十分ですが、撮影日を書いておくと「3ヶ月以内の写真であること」の証明になります。また、新卒採用などで同姓同名の応募者が想定される場合は、大学名などを書き添えることもあります。中途採用の場合は、氏名だけで問題ありません。
【記入例】
転職 太郎
撮影日:2025年11月20日
写真を傷つけないための筆記用具と書き方
写真の裏に文字を書く際、筆記用具選びを間違えると写真の表面に影響が出てしまうことがあります。
推奨されるペン:油性のフェルトペン(細字)
最もおすすめなのは、**「油性マジックの細い方(マッキーの細字など)」**です。
- メリット: 軽い筆圧で書けるため、写真の表面に凸凹の跡がつきにくい。インクが弾かれずに定着しやすい。
- 注意点: 書いた直後はインクが乾いていない可能性があるため、数秒乾かしてから貼り付け作業に移りましょう。
避けるべきペン:ボールペン
ボールペンは筆圧をかけないとインクが出にくいため、写真の表面に文字の跡(凹凸)が浮き出てしまうリスクがあります。また、写真用紙の裏面加工によってはインクが乗りにくい場合もあります。どうしてもボールペンしかない場合は、柔らかい下敷きの上で、できるだけ筆圧を弱くして書いてください。
避けるべきペン:水性ペン
水性ペンは写真用紙の裏面でインクが弾いてしまい、乾きにくいため、手や履歴書を汚してしまう原因になります。
シール付き写真の場合の対応
スピード写真機や写真館で作成した写真の中には、最初から裏面がシールになっているタイプがあります。この場合、裏紙(剥離紙)に文字を書いても、貼る時には剥がしてしまうため意味がありません。
シールタイプであっても、万が一粘着力が弱まって剥がれた時のことを考えると、「シールの粘着面」には書けないため、裏書きは省略してもマナー違反とはみなされにくい傾向にあります。
ただし、念を入れるのであれば、シールを剥がさずにそのまま糊付けするか、あるいは写真館でデータをもらい、コンビニなどで「裏面が紙タイプ」の写真として印刷し直して裏書きをするという方法が最も確実です。
剥がれを防ぐための「貼り方」のコツ
裏書きをした後は、剥がれないようにしっかりと貼り付けることが大切です。
- おすすめの糊:**「両面テープ」や「テープのり」**がベストです。水分を含まないため写真がふやけて波打つことがなく、粘着力も強力で均一に貼れます。
- 避けるべき糊:液状のり(水糊)は、写真が湿気で反り返ったり、はみ出して履歴書を汚したりしやすいため、履歴書作成には不向きです。
貼り付ける際は、枠線に合わせて真っ直ぐになるよう慎重に配置し、上から清潔なティッシュなどで押さえて圧着させましょう。
まとめ
履歴書写真の裏書きは、採用担当者が普段目にすることのない部分です。しかし、万が一のトラブルが起きた時にこそ、その人の「仕事への姿勢」が真に問われます。
「見えないところだから手を抜く」のではなく、「見えないところだからこそ万全を期す」。その誠実な姿勢を持って履歴書を作成し、書類選考の突破を目指してください。





