ダブルワーク(副業)の履歴書の書き方完全ガイド。職歴欄の並列記載と採用されるためのポイント
働き方改革や物価高の影響もあり、本業を持ちながら別の仕事をする「ダブルワーク(副業・兼業)」を希望する方が増えています。しかし、いざ応募しようとしたとき、履歴書の書き方に迷うことはありませんか?
「本業の会社名は書くべき?」「職歴欄はどうやって書き分ければいいの?」「ダブルワークであることを伝えると不利になる?」といった疑問は、多くの応募者が抱える悩みです。
ダブルワークの履歴書は、書き方一つで「働き者で頼りになる人」という印象を与えることもあれば、逆に「スケジュール管理が不安な人」と思われてしまうこともあります。ここでは、ダブルワークを成功させるための履歴書の書き方や、職歴欄のレイアウト、そして採用担当者に安心感を与える志望動機のコツについて詳しく解説します。
ダブルワーク希望であることを履歴書で隠さず伝える重要性
まず大前提として、ダブルワークを希望する場合、履歴書にはその事実を正直に記載するのが鉄則です。
「本業があると言うと敬遠されるのではないか」と不安になり、隠して応募しようとするケースがありますが、これは逆効果です。採用担当者はシフトを組む上で「いつ働けるのか」を正確に知る必要がありますし、隠して入社しても、年末調整や社会保険の手続き、あるいは急な残業対応などで必ず実情が露呈し、トラブルの原因になります。
「本業と両立して働きたい」という意思を明確に伝えることで、企業側もあなたの稼働可能な時間を把握でき、無理のないシフト組みが可能になります。誠実さが信頼を生む第一歩です。
【職歴欄】本業と副業を並列させる書き方のルール
ダブルワークの履歴書で最も悩ましいのが職歴欄です。現在働いている会社(本業)を書きつつ、これから応募する、あるいは既に行っている副業をどう表現するか。見やすく整理するための書き方を紹介します。
基本は「時系列」で記載する
通常の履歴書と同様に、入社した順に時系列で記載します。本業が現在も続いている場合は、以下のように記載します。
【記入例:本業があり、新たに副業に応募する場合】
Plaintext
平成28年 4月 株式会社〇〇(本業の会社名) 入社
現在に至る(在職中)
このように、**「現在に至る」あるいは「在職中」**と明記することで、辞めるわけではなく、籍を置いたまま応募していることが伝わります。
複数の仕事を掛け持ちしている場合
すでに複数のアルバイトなどをしており、さらに追加で応募する場合や、本業と既存の副業がある場合は、それぞれの状況を記載します。
【記入例:すでに2社で働いている場合】
Plaintext
令和 2年 4月 株式会社〇〇(本業) 入社
現在に至る
令和 4年 5月 コンビニエンスストア△△店(副業) 入社
現在に至る(週2回勤務)
このように並列して記載し、それぞれの勤務状況(頻度など)を補足しておくと、採用担当者はあなたの忙しさをイメージしやすくなります。
【本人希望記入欄】勤務可能日時を具体的に書いて安心させる
ダブルワークの採用において、合否を分ける最大のポイントは「シフトに入れるか」です。そのため、履歴書の最後にある「本人希望記入欄」の使い方が非常に重要になります。
「頑張ります」という精神論ではなく、具体的なスケジュールを提示しましょう。
【記入例】
勤務可能時間について
現在、正社員として株式会社〇〇に勤務しております(土日祝休み)。
平日は18:00以降、土日祝日はフルタイムでの勤務が可能です。
※本業の就業規則において副業は許可されております。
ポイント:
- 本業の就業状況: いつが休みで、何時まで働いているかを書く。
- 勤務可能な時間帯: 具体的に「何時から何時まで」入れるかを書く。
- 副業の許可: 本業の会社で副業が認められていることを明記すると、採用側のリスク懸念(トラブルに巻き込まれないか)を払拭できます。
【志望動機】「お金」以外のポジティブな理由を添える
ダブルワークの目的の多くは「収入を増やしたい」というものですが、志望動機で「お金のため」だけを強調しすぎると、「条件が良ければすぐに辞めてしまうのでは」と思われるリスクがあります。
収入面に加え、以下のようなポジティブな理由を掛け合わせることで、採用したい人材としての魅力が増します。
- 経験の拡大:「本業はデスクワークのため、以前から興味のあった接客業を通じてコミュニケーションスキルを磨きたいと考えました。」
- 時間の有効活用:「体調管理には自信があり、空いた時間を有効活用して貴店の運営に貢献したいと考えました。」
- 好き・ファン心理:「普段から貴店を利用しており、その温かい雰囲気が好きで、自分もスタッフの一員として働きたいと強く思いました。」
「本業があるから片手間」ではなく、「限られた時間だからこそ集中して貢献したい」という熱意を伝えてください。
【自己PR】ダブルワーカーならではの「強み」をアピールする
ダブルワークができるということは、それだけ「体力」や「自己管理能力」があることの証明でもあります。
- タフさと健康管理: 「2つの仕事をこなす体力と、体調管理には自信があります」
- 切り替えの早さ: 「気持ちの切り替えが得意で、前の仕事の疲れを引きずらずに業務に入れます」
- 効率性: 「限られた時間の中で成果を出すための工夫が得意です」
これらのスキルは、忙しい現場にとって非常に頼もしい要素です。
まとめ
ダブルワークの履歴書作成で大切なのは、「本業があること」をハンデと思わず、「複数の役割をこなせる能力がある」とポジティブに捉えることです。
ただし、相手企業にとってはあなたがダブルワークかどうかに関わらず、シフトに入っている時間は「一人のプロ」として戦力になることを期待しています。正確なスケジュール情報と、仕事に対する誠実な姿勢を履歴書に込め、採用担当者に安心感を与えてください。





