履歴書の職歴欄における正社員登用の書き方と評価を高めるアピール術
契約社員やアルバイトとして入社し、その働きぶりが認められて正社員に登用された経験は、転職活動において非常に強力な武器となります。しかし履歴書の職歴欄を作成する際、このキャリアアップをどのように記載すればよいのか迷う方は少なくありません。単に入社と退社だけを書いてしまうと、せっかくの実績が埋もれてしまう可能性があります。
同じ会社内で雇用形態が変わった事実を正確かつ魅力的に伝えることは、採用担当者に実力と信頼感をアピールする絶好の機会です。ここでは正社員登用された経歴の正しい書き方や、キャリアの変化を分かりやすく伝えるためのレイアウト、そしてその実績がなぜ高く評価されるのかについて詳しく解説します。
正社員登用された経歴は強力なアピール材料になります
履歴書を作成する上でまず認識しておきたいのは、正社員登用という事実は単なる契約変更の手続きではないということです。企業が非正規雇用のスタッフを正社員にする場合、そこには厳格な審査や評価が存在します。その壁を突破したということは、実務能力はもちろんのこと、勤務態度や周囲との協調性、そして会社への貢献度が高く評価されたことの客観的な証明になります。
したがって履歴書においては、この事実を目立たせることが重要です。雇用形態が変わったタイミングを明確にし、昇進や昇格と同じようにキャリアのステップアップとして記載することで、採用担当者に成長意欲の高い人材であるという印象を与えることができます。遠慮せずに事実を強調して記載することが、書類選考突破への近道となります。
職歴欄における正社員登用の正しい書き方と記入例
職歴欄に正社員登用の事実を記載する際は、時系列に沿って行を分けて書くのが基本ルールです。入社時の雇用形態と、正社員になった時期を分けて記載することで、キャリアの変遷が一目で分かります。
具体的な書き方としては、まず入社した年月と会社名を書き、その横や下の行に当時の雇用形態(契約社員やアルバイト)を明記します。そして、正社員に登用された年月の行を作り、同社 正社員に登用と記載します。これにより、どのくらいの期間で正社員になったのかが明確になります。
記入例としては以下のようになります。
平成28年4月 株式会社〇〇 入社(契約社員)
営業事務として受発注業務および顧客対応を担当
平成29年4月 同社 正社員に登用
リーダーとして新人教育および業務フロー改善に従事
令和3年3月 一身上の都合により退社
このように記載することで、契約社員としてスタートし、1年後に正社員として認められ、さらに責任ある業務を任されたというストーリーを伝えることができます。
同じ会社で雇用形態が変わった場合の行の使い分け
雇用形態が変わった際に、一度退社としてから再度入社と書くべきか迷うことがありますが、会社自体を辞めていないのであれば退社と書く必要はありません。退職金精算などの手続き上、形式的に退職扱いとなるケースもありますが、履歴書上ではキャリアが連続していることを示すために、退社とは書かずに登用という言葉を使って行を変えるのが一般的で分かりやすい書き方です。
もし部署異動と同時に正社員になった場合は、同社 正社員に登用 〇〇部へ異動と記載します。これにより、正社員になったことと同時に新しい役割を与えられたことが伝わります。行数が増えてしまい職歴欄に収まらない場合は、正社員登用後の経歴を中心に記載し、入社時の雇用形態については職務経歴書で補足するという方法もありますが、基本的には履歴書上で変化を見せる方がアピール力は高まります。
正社員登用の事実が採用担当者に与えるポジティブな印象
採用担当者は正社員登用という記載を見たとき、いくつかのポジティブな要素を読み取ります。一つ目は環境適応能力の高さです。非正規雇用からスタートして組織に馴染み、信頼を勝ち取った実績は、新しい職場でも早期に順応して活躍できるだろうという期待につながります。
二つ目は仕事への責任感と向上心です。与えられた業務をこなすだけでなく、より高いレベルの仕事を求めて努力した姿勢は、入社後の成長性を予感させます。三つ目は定着性への安心感です。一つの会社でステップアップしてきた事実は、すぐに辞めずに腰を据えて働ける人材であるという証明になります。これらの要素は中途採用において非常に重視されるポイントですので、職務経歴書の自己PR欄などでも、正社員登用されるためにどのような努力をしたかを具体的に記述することをお勧めします。
アルバイトから契約社員を経て正社員になった場合の書き方
中にはアルバイトからスタートし、契約社員を経て正社員になったという段階的なステップアップを経験された方もいるでしょう。この場合も基本的には全ての変化を記載することが望ましいです。
記入例としては以下のようになります。
平成25年4月 株式会社△△ 入社(アルバイト)
平成27年4月 同社 契約社員に登用
平成29年4月 同社 正社員に登用
このように段階を追って記載することで、長期にわたり評価され続けてきたことが強調されます。もし行数が足りない場合は、アルバイト期間を省略するか、入社(アルバイト)と正社員登用の事実のみを記載し、間の契約社員期間については職務経歴書で触れるといった調整を行います。重要なのは、現在の実力に至るまでのプロセスにおいて、他者から認められた事実を正確に伝えることです。自身のキャリアに自信を持ち、堂々と記載してください。





