履歴書の「性格」欄で好印象を与える書き方と例文。長所・短所の伝え方まで徹底解説
転職活動において履歴書の作成を進める中で、意外と筆が止まってしまうのが「性格」や「長所・短所」の欄です。学歴や職歴とは異なり、自分自身の内面を言葉にする必要があるため、何をどう書けば採用担当者に好印象を与えられるのか迷う方は少なくありません。
しかし、この性格欄は、スキルや経験だけでは伝わりきらない「あなたの人柄」や「仕事へのスタンス」をアピールできる貴重なスペースです。採用担当者の視点を理解し、適切な言葉を選ぶことで、書類選考の通過率を高める武器に変えることができます。ここでは、履歴書における性格欄の正しい書き方や、性格タイプ別の例文、そして短所をポジティブに変換するテクニックについて詳しく解説します。
採用担当者が履歴書で性格を確認する本当の意図
採用担当者は、単にあなたが明るい人か、真面目な人かを知りたいわけではありません。ビジネスの場において、その性格がどのように作用するかを見ています。具体的には以下の二つの視点でチェックしています。
一つ目は、企業の風土や募集職種との相性(マッチング)です。例えば、チームワークを重視する穏やかな社風の企業であれば「協調性」や「気配り」ができる人が好まれますし、実力主義でスピード感を求める企業であれば「行動力」や「負けず嫌い」な性格が評価されます。自分の性格が、その会社の文化や業務内容にフィットしているかを判断しようとしています。
二つ目は、客観的な自己分析ができているかです。自分の性格を正しく理解し、長所をどう活かし、短所をどうコントロールしているかを言語化できる能力は、ビジネスパーソンとしての成熟度を示す指標となります。したがって、単なる性格の羅列ではなく、それが仕事にどう影響するかという視点で書くことが重要です。
性格をアピールする際はエピソードを添えて説得力を持たせる
履歴書に性格を記載する際、「私は真面目な性格です」や「明るい性格です」と一言だけで終わらせてしまうのは非常にもったいない書き方です。これだけでは具体性がなく、採用担当者の記憶に残りません。説得力を持たせるためには、その性格が表れた具体的なエピソードを添えることが鉄則です。
例えば「責任感が強い」と書くのであれば、「前職では納期の厳しいプロジェクトにおいても、チームの進捗を毎日確認し、遅れが出そうな場合は自らサポートに入り、一度も納期を遅延させたことがありません」といったように、具体的な行動事実を加えます。これにより、単なる主観的な主張ではなく、実務能力に裏打ちされた強みとして伝えることができます。
【タイプ別】履歴書で使える性格の書き方と例文
自分の性格をどのように表現すればよいか迷う方のために、ビジネスシーンで好まれる代表的な性格タイプ別の書き方を紹介します。
責任感が強く、真面目なタイプ
事務職や経理、管理部門などで特に好まれる性格です。正確さや誠実さをアピールします。
例文
私は一度引き受けた仕事は最後まで責任を持ってやり遂げる性格です。現職の経理業務においては、ダブルチェックを徹底し、ミスのない正確な処理を心がけてきました。また、イレギュラーな事態が発生した際も、冷静に優先順位を判断し、周囲と連携して解決に導くことができます。貴社においても、確実な業務遂行で信頼される存在になりたいと考えております。
協調性があり、人との関わりを大切にするタイプ
営業職や接客業、チームで動くプロジェクト業務などで評価されます。コミュニケーション能力の高さを伝えます。
例文
私は初対面の人ともすぐに打ち解けられる明るく社交的な性格です。前職の販売職では、お客様の何気ない会話からニーズを汲み取り、信頼関係を築くことを得意としていました。また、チーム内ではムードメーカーとして、円滑なコミュニケーション環境を作ることに尽力しました。この対人スキルを活かし、貴社の営業職として顧客との長期的なリレーション構築に貢献いたします。
忍耐強く、継続力があるタイプ
エンジニアや研究職、長期的な成果を追う職種で強みとなります。粘り強さやストレス耐性をアピールします。
例文
私は困難な課題に対しても粘り強く取り組み、解決策を見出すまで諦めない性格です。前職のシステム開発では、原因不明のバグが発生した際も、数日かけてログを解析し、根本的な解決に至りました。地道な作業も苦にならず、目標達成に向けてコツコツと努力を継続することができます。この忍耐力を活かし、貴社の技術開発に貢献したいと考えております。
短所を書く際はポジティブな言葉に言い換える変換術
履歴書のフォーマットによっては「長所・短所」をセットで書く場合があります。この時、短所を正直に書きすぎて評価を下げてしまわないよう注意が必要です。短所を書く際のポイントは、長所の裏返しとして表現すること、または改善の努力を書き添えることです。
例えば「優柔不断」という短所は、「慎重に物事を考え、リスクヘッジができる」と言い換えることができます。「せっかち」は「行動力があり、スピード感を持って業務を進める」と変換できます。「心配性」は「細部まで注意が行き届き、準備を怠らない」という長所にもなります。
記述する際は、「少し心配性な面がありますが、その分、事前の準備や確認を徹底することでミスを防ぐように心がけています」といったように、短所を自覚した上でどのように仕事に活かしているか、あるいはコントロールしているかを伝えることで、自己管理能力の高さをアピールできます。
履歴書全体との一貫性を意識する
最後に重要なのが、履歴書全体での一貫性です。例えば、自己PR欄で「行動力」をアピールしているのに、性格欄で「慎重で石橋を叩いて渡る性格」と書いてしまうと、人物像がブレてしまい、採用担当者はどちらが本当の姿なのか迷ってしまいます。
また、志望動機や職務経歴書の内容とも矛盾がないようにする必要があります。性格欄は独立した項目ではなく、あなたという人物を立体的に伝えるためのピースの一つです。応募する企業が求めている人物像を想像し、自分の性格の中で最もフィットする側面を切り取って表現することが、書類選考を突破するための鍵となります。嘘をつく必要はありませんが、見せ方を工夫することで、あなたの性格は強力なアピールポイントになります。





