履歴書のPCスキル欄の正しい書き方と採用担当者に響くアピール術
事務職や営業職に限らず、現代のビジネスシーンにおいてパソコンスキル(PCスキル)は必須の能力です。しかし、履歴書を作成する際に「どこまで詳しく書けばいいのか」「資格がない場合はどう表現すればいいのか」と迷う方は少なくありません。
採用担当者は、応募者が「入社後にどの程度の業務を任せられるか」を判断するためにPCスキルの項目を重視しています。「一通り使えます」という曖昧な表現ではなく、具体的な操作レベルを伝えることが、書類選考通過への近道です。
ここでは、履歴書におけるPCスキルの正しい書き方や、ソフト別のレベル表現、そして資格がない場合のアピール方法について詳しく解説します。
履歴書のどこにPCスキルを書くべきか
一般的なJIS規格の履歴書には、「PCスキル」専用の記入欄は設けられていません。そのため、保有している資格の有無によって書く場所を使い分けるのが基本です。
- 資格を持っている場合「免許・資格」欄に正式名称で記載します。
- 資格を持っていない場合(実務経験のみ)「自己PR」欄や「特技・スキル」欄、または「本人希望記入欄」の空きスペースを活用して記載します。職務経歴書を別添する場合でも、履歴書で簡潔に触れておくことで、スキルの見落としを防げます。
ソフト別・レベル別の具体的な書き方と表現例
「Word、Excelが使えます」だけでは、文字入力ができるレベルなのか、高度な計算ができるレベルなのかが伝わりません。使用できるソフト名(バージョンも分かれば記載)と、具体的な操作内容をセットで書くことが重要です。
Excel(エクセル)の書き方
ビジネスにおいて最も重視されるのがExcelスキルです。使える関数や機能によってレベルを表現します。
- 初級レベル(データ入力・表作成)「Excel:基本的なデータ入力、表作成、四則演算が可能です」
- 中級レベル(関数・グラフ作成)「Excel:SUM・AVERAGE・IF・VLOOKUPなどの関数を使用した集計、グラフ作成が可能です」「Excel:ピボットテーブルを使用したデータ分析が可能です」
- 上級レベル(マクロ・VBA)「Excel:マクロの記録・実行、VBAを用いた業務自動化ツールの作成経験があります」
Word(ワード)の書き方
文書作成のスピードや、レイアウトの調整能力をアピールします。
- 初級レベル(文書作成)「Word:基本的なビジネス文書の作成、文字装飾が可能です」
- 中級〜上級レベル(図表挿入・差し込み印刷)「Word:表や図形を挿入したレイアウト調整、差し込み印刷機能の活用が可能です」
PowerPoint(パワーポイント)の書き方
プレゼンテーション資料の作成能力を示します。
- 初級レベル(スライド作成)「PowerPoint:テキストと画像の挿入による基本的なスライド作成が可能です」
- 中級〜上級レベル(アニメーション・マスタ設定)「PowerPoint:アニメーション設定やスライドマスタを活用した統一感のある資料作成が可能です」
資格がない場合のアピール方法
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)などの資格を持っていない場合でも、実務経験があれば立派なスキルとしてアピールできます。その際は、**「経験年数」や「どのような業務で使用していたか」**を具体的に記述します。
【記入例】
- 「事務職として3年間、Excelを使用して毎月の売上管理表を作成しておりました(VLOOKUP関数使用)」
- 「前職ではPowerPointを用いて、社内会議用のプレゼンテーション資料をゼロから作成しておりました」
- 「タッチタイピングが可能で、迅速なデータ入力業務に自信があります」
クリエイティブ・エンジニア職の場合
専門職の場合は、Officeソフト以外にも使用できるツールや言語を記載します。
- デザイン系: Photoshop、Illustrator(「バナー作成が可能」「実務経験〇年」など)
- エンジニア系: 使用言語(Java, Pythonなど)、OS、DB、開発環境など
PCスキルを記載する際の注意点
1. 嘘や誇張は書かない
「できます」と書いて入社したものの、実際には全く使えなかったという事態は、自分自身の信用を失うだけでなく、業務に支障をきたします。現時点で自信を持って操作できる範囲を正直に記載しましょう。
2. 「特になし」は避ける
PCを全く使わない職種でない限り、PCスキルについて何も触れないのは避けるべきです。もし操作に自信がない場合でも、「現在、MOS資格取得に向けて勉強中です」「基本的なタイピング練習を行っています」など、学習意欲があることを書き添えることで、ポジティブな印象を与えることができます。
履歴書は、あなたのスキルを客観的に伝えるためのプレゼンテーション資料です。読み手である採用担当者が「この人なら仕事を任せられそうだ」と具体的にイメージできるよう、正確かつ具体的な記述を心がけてください。





