スーパーマーケットの書類選考を突破する履歴書の書き方。採用担当者が「即戦力」と判断するアピール術
スーパーマーケット業界への転職活動において、履歴書は単なる経歴の羅列ではありません。採用担当者は、履歴書の文字の向こうに「店舗で生き生きと働く姿」をイメージできるかどうかをチェックしています。
人手不足と言われる業界ですが、正社員や好条件の求人には応募が集まります。「経験があるから大丈夫」と高を括らず、スーパーマーケットならではの評価ポイントを押さえた履歴書を作成することが、書類選考通過への近道です。
ここでは、スーパーマーケットの採用担当者が重視するポイントや、経験を魅力的に伝える職歴の書き方、そして「会ってみたい」と思わせる志望動機の作成法について詳しく解説します。
スーパーマーケットの採用担当者が履歴書で重視する3つの視点
スーパーマーケットの仕事は、接客、品出し、発注、売場作り、スタッフ管理など多岐にわたります。そのため、採用担当者は以下の3点を重点的に確認しています。
- 接客適性とホスピタリティ老若男女あらゆるお客様が来店するため、明るい対応や丁寧な言葉遣いができるか。履歴書の丁寧さや写真の表情から人柄を判断します。
- 実務能力と部門への適性レジ、青果、鮮魚、精肉、惣菜、グロサリーなど、どの部門で即戦力となるか。または、未経験でも体力や手先の器用さがあるか。
- 勤務条件(シフト)への柔軟性土日祝日や繁忙期(年末年始やお盆)に出勤できるか。早朝・深夜勤務に対応できるか。
【職歴欄】部門・担当業務・数値を具体的に記載する
職歴欄は、あなたのスキルを証明する最も重要なスペースです。単に「〇〇スーパー 入社」と書くだけでは不十分です。具体的な業務内容を記載し、採用担当者があなたの働く姿をイメージできるようにしましょう。
経験者の場合の書き方ポイント
どの部門で、どのような業務を、どのくらいの規模で行っていたかを明記します。
- 所属部門: 青果、鮮魚、精肉、惣菜、レジ、グロサリーなど。
- 担当業務: 接客、加工、パック詰め、発注、陳列、POP作成、棚卸し、アルバイトのシフト管理など。
- 実績(数値): 「昨対比110%の売上達成」「廃棄率を5%削減」「チーフとして10名のスタッフを管理」など。
【記入例】
平成〇年〇月 株式会社〇〇(スーパーマーケットチェーン) 入社
〇〇店 青果部門に配属
[担当業務]
・野菜・果物の加工、パック詰め、陳列
・季節商品の売場作り、手書きPOP作成
・市場への発注業務、在庫管理
※旬の特設コーナーを企画し、部門売上昨対比105%を達成
令和〇年〇月 一身上の都合により退社
未経験者の場合の書き方ポイント
スーパーの経験がなくても、関連するスキル(ポータブルスキル)をアピールします。
- 接客・販売経験: 飲食店やアパレルなどでの接客経験は、レジやフロア業務で即戦力とみなされます。
- 体力仕事の経験: 物流や倉庫作業などの経験は、品出しやバックヤード業務での体力・正確性の証明になります。
- 調理経験: 飲食店での調理経験は、惣菜や鮮魚部門での加工業務に直結します。
【志望動機】「家が近い」だけでなく「その店で働きたい理由」を
志望動機で「家から近く、よく利用するから」という理由は、通勤のしやすさを示す上で悪くはありませんが、それだけでは熱意が伝わりません。「なぜ他店ではなく、そのスーパーなのか」を明確にすることが大切です。
1. 店舗の特徴や理念への共感
「地産地消に力を入れている点」「鮮度へのこだわり」「お客様との距離が近い接客スタイル」など、その店ならではの強みに触れましょう。実際に客として利用した際のエピソードを盛り込むと説得力が増します。
2. 自身の経験をどう活かすか(貢献意欲)
「前職での売場作りの経験を活かし、お客様が思わず手に取りたくなる魅力的な売場を作りたい」「持ち前の明るさを活かし、地域のお客様に愛される店舗づくりに貢献したい」など、入社後のビジョンを伝えます。
【志望動機・例文(経験者)】
「私はこれまで5年間、食品スーパーの精肉部門で加工および対面販売に従事してまいりました。貴社は地域密着型で、お客様との会話を大切にしながら鮮度の良い商品を提案されている点に深く共感し、志望いたしました。前職で培ったスライサー技術や、季節ごとのメニュー提案力を活かし、貴社のお客様の食卓を豊かにするお手伝いがしたいと考えております。」
【自己PR】効率性とチームワークをアピールする
スーパーマーケットの現場は、時間との勝負です。開店までに品出しを終える、レジの混雑を解消するなど、テキパキとした動きが求められます。
- 効率化・スピード: 「優先順位をつけて作業を行い、残業を削減した」「レジのスピードには自信がある」
- チームワーク: 「スタッフ同士で声を掛け合い、連携して繁忙期を乗り切った」「新人スタッフの教育に力を入れた」
- 提案力: 「お客様の声を拾い上げ、商品の仕入れに反映させた」
これらのエピソードを交え、現場で頼りになる存在であることをアピールしてください。
【本人希望記入欄】土日祝日の勤務可否は必ず記載
スーパーマーケットの採用において、シフトの柔軟性は非常に重要な評価ポイントです。
- 土日祝日の勤務: 「土日祝日の勤務も可能です」と明記すると、採用確率は格段に上がります。
- 勤務時間: 早朝の品出しや、夜間の閉店作業など、幅広い時間帯に対応できる場合もアピールになります。
逆に、どうしても外せない曜日や時間帯がある場合は、理由とともに正直に記載しましょう(例:「子供の送迎のため、17時までの勤務を希望します」)。入社後のミスマッチを防ぐためにも、条件面は明確にしておくことがマナーです。
スーパーマーケットの履歴書は、「お客様目線」と「現場の戦力としての信頼感」が鍵となります。丁寧な字で、あなたの誠実さとやる気を伝えてください。





