契約社員の履歴書の書き方完全ガイド。雇用形態を正しく記載しキャリアを武器にする方法
転職活動において履歴書を作成する際、過去に契約社員として働いていた期間をどのように記載すべきか迷う方は少なくありません。「正社員と同じように書いていいのか」「契約社員と書くと不利になるのではないか」といった不安は、正しい書き方を知ることで解消できます。
契約社員としての経験は、専門性や即戦力の証明となる立派なキャリアです。隠すことなく正確に記載し、かつ退職理由などを戦略的に使い分けることで、採用担当者にポジティブな印象を与えることができます。ここでは契約社員の職歴欄への正しい書き方や、契約満了時の表現、そして正社員登用された場合の記載例について詳しく解説します。
契約社員であることを明記するのが基本的なマナー
まず大前提として、契約社員として勤務していた場合は、履歴書の職歴欄にその雇用形態を明記するのが正しいルールです。もし雇用形態を書かずに「株式会社〇〇 入社」とだけ記載すると、採用担当者は一般的に「正社員として入社した」と認識します。
面接や入社後の手続き(雇用保険の履歴など)で事実と異なることが判明した場合、「経歴を偽っていた」と判断され、信頼を大きく損なうリスクがあります。雇用形態を隠す必要はありません。契約社員としてどのような業務を担い、貢献してきたかを伝えることが重要ですので、正直に記載してください。
職歴欄への具体的な書き方とレイアウト
契約社員であることを記載する際は、社名の横、または下の行にカッコ書きで添えるのが一般的で見やすい書き方です。
【記入例1:社名の横に書く場合】
行数に余裕がない場合に適しています。
平成28年4月 株式会社〇〇 入社(契約社員)
営業部にて法人営業を担当
【記入例2:社名の下に書く場合】
職務内容や配属部署も併せてアピールしたい場合に適しています。
令和元年5月 株式会社△△ 入社
[雇用形態]契約社員
[業務内容]販売促進部にてキャンペーン企画に従事
このように記載することで、採用担当者は「契約社員として入社し、具体的にこの業務を担当していたのだな」とスムーズに理解できます。
「契約期間満了」はポジティブな退職理由になります
契約社員の履歴書において、正社員にはない大きなメリットとなるのが「退職理由」の書き方です。
通常、自己都合で退職した場合は「一身上の都合により退社」と書きますが、契約期間を全うして退職した場合は**「契約期間満了により退社」**と記載します。
これは、「あらかじめ決められた期間を責任を持って勤め上げた」という証明であり、ネガティブな印象を与えません。また、採用担当者が懸念する「早期離職癖」や「忍耐力不足」といった疑念を持たれることもありません。「期間満了」は胸を張って書ける退職理由ですので、該当する場合は必ずこの表現を使用してください。
一方、契約期間の途中で自ら辞めた場合は、正社員と同様に「一身上の都合により退社」と記載します。
契約社員から正社員に登用された場合の書き方
契約社員として入社し、その働きが認められて正社員に登用された経験がある場合は、非常に強力なアピール材料になります。この事実は省略せず、時系列に沿って強調して記載しましょう。
【記入例】
平成29年4月 株式会社〇〇 入社(契約社員)
カスタマーサポート業務に従事
平成30年4月 同社 正社員に登用
リーダーとして新人育成を担当
令和3年3月 一身上の都合により退社
このように書くことで、「実力が評価される人材である」ことと「組織に定着して貢献できる人物である」ことの両方を証明できます。
契約更新の上限や派遣社員との書き分け
契約更新の上限で退職した場合
近年は「5年ルール」などにより、本人が希望しても契約更新ができずに退職となるケースがあります。この場合も「契約期間満了により退社」で問題ありませんが、面接で「なぜ正社員にならなかったのか」と聞かれる可能性があります。「会社の規定により契約更新の上限を迎えたため」と説明できるよう準備しておくと安心です。
派遣社員との混同に注意
「契約社員」と「派遣社員」は契約先が異なります。
- 契約社員: 勤務する企業と直接契約。「株式会社〇〇 入社(契約社員)」と書く。
- 派遣社員: 派遣元(派遣会社)と契約。「株式会社〇〇(派遣元)より△△株式会社(派遣先)へ派遣」と書く。
ここを間違えると経歴の正確性が疑われるため、ご自身の契約形態を今一度確認してください。
まとめ
契約社員としての経歴は、書き方ひとつで「不安定なキャリア」ではなく「専門性を磨いてきたキャリア」として見せることができます。
雇用形態を正しく明記し、期間満了などの事実を正確に伝えることで、採用担当者に安心感と信頼感を与えられる履歴書を作成してください。





