一般事務の転職を成功させる履歴書の書き方ガイド！倍率の高い選考を突破するアピール術

有効求人倍率が低く、常に人気が高い「一般事務」の職種。未経験から挑戦しやすい一方で、1つの求人に多くの応募が殺到する激戦区でもあります。「事務経験があれば受かる」「パソコンができれば大丈夫」と油断していると、書類選考であっさりと落とされてしまうことも少なくありません。

一般事務の採用担当者は、履歴書を通じて「事務処理能力」だけでなく、「気配り」や「組織への貢献意欲」を厳しくチェックしています。ここでは、一般事務の書類選考を突破するために特化した履歴書の書き方や、経験者・未経験者別のアピール戦略、そして「会ってみたい」と思わせる志望動機のコツについて詳しく解説します。

一般事務の採用担当者が履歴書でチェックしている3つのポイント

一般事務は、企業の活動を縁の下で支える重要なポジションです。採用担当者は以下の3点を重視して履歴書を確認しています。この視点を意識して作成することが、通過率アップの鍵となります。

1. 「正確性」と「丁寧さ」（履歴書そのものが実務能力の証明）

事務職にとって最も重要なスキルは、ミスなく正確に業務を遂行することです。そのため、履歴書自体に誤字脱字があったり、文字が雑だったり、写真が斜めに貼られていたりすると、「仕事も雑なのではないか」と判断され、即不採用になるリスクがあります。美しく整った履歴書を作成すること自体が、事務処理能力の高さを示す最初のアピールになります。

2. PCスキルと実務レベル

WordやExcelなどのパソコンスキルは必須です。ただし「パソコンが使えます」だけでは不十分です。「どの程度のレベルなのか（関数が組める、ピボットテーブルが使えるなど）」を具体的に伝える必要があります。

3. コミュニケーション能力とサポート意欲

事務職は社内の多くの人と関わり、スムーズに業務が回るようサポートする仕事です。「誰とも話さずに黙々と作業したい」という姿勢ではなく、周囲と協調し、先回りして行動できる「気配り」や「コミュニケーション能力」が求められます。

【職歴欄】経験者と未経験者で異なるアピール戦略

職歴欄は、あなたが即戦力か、あるいはポテンシャルがあるかを判断する重要な項目です。

事務経験者の場合：業務範囲と効率化の実績を書く

単に「一般事務に従事」と書くだけでは、スキルの深さが伝わりません。具体的な担当業務と、業務改善の成果を盛り込みましょう。

• 具体的な業務： 電話応対（1日〇件）、データ入力、請求書発行、来客対応、備品管理など。
• 使用ソフト・ツール： Word、Excel（VLOOKUP、ピボットテーブル）、PowerPoint、自社基幹システムなど。
• 実績（効率化）： 「業務フローを見直し、月次処理を2日短縮した」「マニュアルを作成し、引き継ぎ時間を削減した」など、能動的な行動をアピールします。

【記入例】

平成〇年〇月　株式会社〇〇　入社
　　　　　　　営業事務として見積書作成、受発注管理を担当
　　　　　　　※Excelマクロを活用し、入力作業時間を月10時間削減

事務未経験者の場合：ポータブルスキル（持ち運び可能なスキル）を書く

異業種からの転職でも、事務に通じるスキルは必ずあります。営業職や販売職であっても、以下のような経験があれば積極的に記載しましょう。

• PC業務： 報告書の作成、売上管理、POP作成などでPCを使用していた経験。
• 正確な処理能力： レジ締めや在庫管理など、数字を正確に扱う業務経験。
• 調整力・対応力： 顧客や社内関係者とのスケジュール調整、クレーム対応経験。

【記入例】

平成〇年〇月　株式会社△△　入社（販売職）
　　　　　　　店舗での接客販売および売上管理、日報作成（Word・Excel使用）を担当
　　　　　　　※正確なレジ業務と在庫管理により、棚卸差異ゼロを継続

【資格・スキル欄】「特になし」はNG！具体的に書くコツ

資格欄は、客観的なスキル証明の場です。

MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）や日商簿記（2級以上が望ましい）、秘書検定などは、実務に直結するため高く評価されます。

もし資格を持っていない場合でも、「特になし」とするのはもったいないです。

• 「日商簿記3級 取得に向けて勉強中（〇月受験予定）」
• 「Excel：SUM、AVERAGE、IF関数などが使用可能」
• 「タッチタイピング可能（10分間で〇文字程度）」

このように、現在のスキルレベルや学習意欲を具体的に記載することで、即戦力としての可能性をアピールできます。

【志望動機】「楽そうだから」と思われないための書き方

一般事務の志望動機で最も避けるべきなのは、「事務なら誰でもできると思った」「残業が少なそうだから」といった受け身な理由です。また、「どの会社でも通用する志望動機」も敬遠されます。

採用担当者に響くのは、**「サポート役としての適性」と「その会社を選んだ理由」**がセットになっている内容です。

【志望動機の構成例】

1. なぜ事務職なのか： 「前職でチームをサポートすることにやりがいを感じた」「正確な作業が得意で、それを活かして貢献したい」
2. なぜこの会社なのか： 「貴社の〇〇という理念に共感し、事業の成長をバックオフィスから支えたい」
3. 入社後の抱負： 「正確かつスピーディーな業務遂行を心がけ、社員の皆様が働きやすい環境作りに貢献したい」

【自己PR】「縁の下の力持ち」としての資質を伝える

自己PRでは、事務職に求められる資質を持っていることをエピソードを交えて伝えます。

• 正確さとスピード： 「ダブルチェックを徹底しミスを防いだ」「優先順位をつけて効率的に業務をこなした」
• 気配りとホスピタリティ： 「相手が何を求めているかを察して資料を準備した」「明るい電話対応で会社の顔として信頼を得た」
• 改善意識： 「ルーチンワークでも、より良い方法がないか常に考えて工夫した」

一般事務の求人は競争率が高いですが、履歴書を通じて「丁寧に、正確に仕事をしてくれそう」「一緒に働いたら助かりそう」というイメージを持ってもらえれば、書類選考突破の可能性は大きく広がります。細部まで気を抜かず、あなたの誠実さが伝わる履歴書を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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