履歴書の通勤時間「1時間」の正しい書き方と採用担当者がチェックするポイント
転職活動において履歴書を作成する際、意外と悩んでしまうのが「通勤時間」の欄です。「1時間ちょうどの場合どう書くのか」「1時間半はどう表記するのか」「どこからどこまでの時間を含めるのか」など、細かいルールに迷うことは少なくありません。
通勤時間は採用担当者にとって、応募者の通いやすさや定着率、交通費のコストを判断するための重要な情報です。ここでは、履歴書における通勤時間の正しい計算方法と書き方、そして「片道1時間」という時間が選考にどう影響するのかについて詳しく解説します。
基本ルール:5分単位で切り上げ、「1時間00分」と記載する
履歴書の通勤時間欄に記入する際は、5分単位で切り上げて記載するのが一般的なマナーです。1分単位まで細かく書く必要はありませんが、大雑把すぎてもいけません。
具体的な記入例
時間が「1時間ちょうど」の場合や端数が出る場合の書き方は以下の通りです。
- 計算結果が58分の場合→ 「1時間00分」(繰り上げてキリの良い数字にします)
- 計算結果が1時間3分の場合→ 「1時間05分」(5分単位に切り上げます)
- 計算結果が1時間ちょうどの場合→ 「1時間00分」(「00分」まで書くと丁寧です)
- 計算結果が1時間半の場合→ 「1時間30分」(「1.5時間」とは書きません)
「約」は必要か?
欄外に「約」と印刷されている履歴書であれば数字だけで構いませんが、そうでない場合は数字の前に「約」をつけて**「約 1時間00分」**と書くのが最も無難で丁寧な書き方です。
1時間未満の場合の書き方
通勤時間が1時間かからない場合は、「0時間」と記入して空欄を作らないようにします。
- 45分の場合 → 「0時間45分」
どこからどこまで?通勤時間の正しい計算方法
通勤時間を算出する際の基準は、**「自宅の玄関から会社の玄関まで(ドア・ツー・ドア)」**の片道の所要時間です。「電車の乗車時間」だけではない点に注意してください。
計算に含めるべき要素
- 自宅から最寄駅までの時間(徒歩、バス、自転車など含む)
- 電車の乗車時間(乗り換え時間も含む)
- 会社の最寄駅から会社までの徒歩時間
経路の選び方
利用する経路が複数ある場合は、**「最短時間」で到着するルートを選ぶのが基本です。ただし、乗り換え回数が極端に多く現実的でない場合や、交通費が極端に高くなる特急利用などは避け、「最も合理的で経済的なルート」**を選んで記載します。Yahoo!乗換案内やGoogleマップなどで検索し、平日の朝の通勤ラッシュ時を想定した時間で計算するとより正確です。
通勤時間「1時間」は選考で不利になるのか?
「通勤に1時間もかかると不採用になるのではないか」と不安に思う方もいますが、結論から言えば、片道1時間は全く問題のない範囲であり、不利になることはほとんどありません。
企業の許容範囲の目安
- 〜60分: 理想的な通勤圏内。全く問題なし。
- 〜90分: 一般的な許容範囲。首都圏などでは普通。
- 90分以上: 懸念を持たれる可能性がある(体力面、交通費)。
多くの企業では「90分以内」を通勤圏内として想定しています。片道1時間であれば、首都圏や大都市圏では平均的な通勤時間であり、マイナス評価につながることはまずありません。
ただし、バスの本数が極端に少ない地域や、終電が早いエリアからの1時間の場合は、「残業に対応できるか」「緊急時に駆けつけられるか」といった点を面接で確認される可能性はあります。
転居予定がある場合の書き方
現在遠方に住んでおり、採用が決まったら会社の近くに引っ越す予定がある場合は、現在の住所からの時間を書くと「通えない」と判断されてしまいます。この場合は、以下のように記載して意欲と事情を伝えます。
- 通勤時間欄: 空欄にするか、横線を引く。あるいは「―」と書く。
- 本人希望記入欄: 「内定後、通勤可能な範囲に転居予定です」と明記する。
- または時間欄に: 「転居予定(詳細は本人希望欄に記載)」とし、希望欄で補足する。
このように記載することで、現在の居住地に関わらず選考の対象としてもらえます。
まとめ:正確な時間を記載して誠実さをアピールする
履歴書の通勤時間欄は、書き方のルールさえ守れば難しい項目ではありません。「1時間00分」のように5分単位で正確に記載し、採用担当者が勤務イメージを持ちやすいように配慮しましょう。
たかが通勤時間と思わず、正確な情報を記載することは「仕事の正確性」や「誠実さ」のアピールにもつながります。虚偽の申告(短く書くなど)は、交通費の支給トラブルや入社後の信頼に関わるため絶対に避け、事実に基づいた時間を記入してください。





