書類選考の「7営業日」の正しい数え方と期間を過ぎた場合の対処法

転職活動において求人に応募した際、企業から書類選考の結果は7営業日以内に連絡しますと案内されることがよくあります。1週間程度という曖昧な表現ではなく、明確な日数を提示されると目安が分かりやすい反面、その数え方が分からなかったり、期限を過ぎても連絡が来なかったりすると不安が増してしまうものです。カレンダー通りの日数とは異なるビジネス特有の数え方を正しく理解しておくことは、無用な焦りを防ぐために重要です。ここでは書類選考における7営業日の正確な定義やカウント方法、連絡が来ない場合の原因、そして適切な問い合わせのタイミングについて詳しく解説します。

7営業日の定義と正確な日数のカウント方法

企業が提示する7営業日という期間を正しく把握するためには、まず営業日という言葉の定義を理解する必要があります。営業日とは土曜日や日曜日、祝日、年末年始、夏季休暇などの企業の休業日を除いた、会社が実際に業務を行っている稼働日のことを指します。したがってカレンダー上の7日間とは必ずしも一致しません。

具体的な数え方としては、応募した当日（書類到着日）は含めず、その翌営業日を1日目として起算するのが通例です。例えば金曜日に応募書類を送付した場合、土日が完全週休2日制の企業であれば、土日はカウントされません。その場合、翌週の月曜日が1日目となり、火曜日が2日目と数えていきます。この計算でいくと7営業日目にあたるのは、翌々週の火曜日となります。つまりカレンダー上では10日以上経過していても、ビジネス上の7営業日以内という約束は守られていることになります。まずは応募先企業の休業日カレンダーを確認し、営業日ベースで期限を再計算してみることが大切です。

期限である7営業日を過ぎても連絡が来ない主な理由

営業日で正しく計算しても期限を過ぎ、かつ何のアクションもない場合は不安になりますが、必ずしも不採用であるとは限りません。企業内部で選考プロセスが物理的に遅延しているケースが多々あるからです。よくある理由の一つとして、応募者が想定以上に殺到し、書類確認作業が追いついていない状況が挙げられます。採用担当者が通常業務と並行して選考を行っている場合、数百通の書類を期限内に全て精査し終えることが困難になることがあります。

また社内での調整や決裁に時間がかかっていることも考えられます。人事担当者の段階では合格としていても、面接官となる現場責任者のスケジュール調整がつかなかったり、最終的な決裁権を持つ上司が出張中で承認印がもらえなかったりする場合です。さらに合格ラインぎりぎりのボーダー上にいる応募者に対して、他の候補者と比較検討するためにあえて連絡を保留にしているケースもあります。このように連絡がない背景には事務的な遅延や慎重な検討が含まれており、直ちに不採用と結びつける必要はありません。

連絡が遅いことは不採用確定のサインなのか

一般的に合格者への連絡は早く不採用への連絡は遅いと言われることがありますが、これはあくまで傾向の一つに過ぎません。確かに企業は優秀な人材を他社に取られる前に確保したいと考えるため、合格者には優先的に連絡を入れることが多いです。しかし不採用の場合であっても、システムで自動的に通知を送る企業であれば、応募の翌日にお見送りメールが届くこともあります。

逆に7営業日ぎりぎり、あるいは少し過ぎてから合格の連絡が来ることも珍しくありません。これは前述のように社内調整に時間がかかっていたり、あるいは補欠合格的な位置づけでキープされていたりした場合に起こります。7営業日という期間は企業が選考を行うための標準的な期間設定ですが、現場の状況によっては多少の前後は発生し得るものです。したがって即座に連絡が来ないからといって望みがないわけではなく、期限内あるいは数日の遅れであれば合格の可能性は十分に維持されています。

期限超過後に問い合わせを行うべきタイミングとマナー

約束の期日である7営業日を過ぎても連絡がなく、次の行動に支障が出る場合は、企業へ問い合わせを行っても失礼にはあたりません。ただしタイミングには配慮が必要です。期限当日の問い合わせは担当者を急かしてしまう印象を与えるため、期限からさらに2日から3営業日ほど待ってから連絡するのがマナーとして無難です。郵便事情や担当者の急な不在などを考慮する余裕を見せることで、心象を悪くせずに済みます。

問い合わせは電話ではなくメールで行うのが基本です。件名は書類選考結果のお問い合わせ（氏名）とし、本文では応募の機会をいただいたことへの感謝を述べた上で、選考結果の連絡について7営業日以内を目安と伺っていた旨を伝え、現在の選考状況を確認させていただきたいと丁寧に書き添えます。その際、もし行き違いでご連絡をいただいておりましたらご容赦くださいとクッション言葉を入れることが重要です。催促ではなくあくまで確認であるというスタンスを保つことが大切です。

結果待ちの時間を有効活用するための心構え

書類選考の結果を待っている間、メールボックスを何度も確認しても状況は変わりません。7営業日という期間は土日を挟むため実質10日以上かかることもあり、待つ身としては長く感じるものです。この期間をただ不安に過ごすのではなく、次のチャンスに向けた準備期間として有効活用することが転職活動を成功させる鍵となります。

具体的には一つの企業の結果に執着せず、並行して他の企業の求人を探して応募を進めることです。転職活動では持ち駒を常に持っておくことがリスクヘッジとなり、精神的な余裕を生み出します。またもし今回の企業が不採用だった場合に備えて、職務経歴書の内容を見直し、よりアピール力を高めるためのブラッシュアップを行う時間にあてることもお勧めします。連絡が来ない期間を次の成功のための準備期間と捉え直し、前向きに行動し続ける姿勢が最終的な転職成功を引き寄せます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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