転職活動の履歴書。ボランティア活動は書くべきか判断基準とアピール方法
転職における履歴書とボランティア活動の記載
転職活動において履歴書を作成する際、過去に取り組んだボランティア活動を記載すべきかどうか悩まれる方は少なくありません。新卒の就職活動では学生時代に力を入れたこととしてアピール材料になることが多いボランティアですが、社会人の転職活動においては評価のされ方が異なります。採用担当者は主に応募者の実務経験やスキルを重視するため、ボランティア活動が必ずしもプラス評価に直結するとは限りません。しかし記載の仕方や活動内容によっては、応募者の人柄やスキルを補完する有効な材料となります。
ボランティア活動を履歴書に書くべき判断基準
ボランティア活動を履歴書に記載するかどうかの判断基準は、その活動が応募先企業の業務や求める人物像に関連性があるかという点にあります。例えばNPO法人や福祉関連の企業への転職であれば、関連するボランティア経験は業務への理解や適性を示す強力なアピールになります。また異業種への転職において、実務経験はないもののボランティアを通じてその業界の知識やスキルを習得している場合も記載する価値は十分にあります。一方で単発の参加や業務と全く関係のない活動であれば、あえて記載する必要性は低くなります。
履歴書のどの欄に記載するのが適切か
ボランティア活動を記載する場所は、その活動の規模や期間、重要度によって使い分けます。もしボランティア活動が長期的かつ本格的なものであり、実務に近いスキルを発揮していた場合は職歴欄に記載することも可能です。その際は「職歴」とは区別し「活動歴」として記載するか、あるいは職務経歴書で詳細を補足します。一般的なボランティア活動であれば、趣味や特技の欄、あるいは自己PR欄に記載するのが適切です。スペースの限られた履歴書においては、他の重要な情報を圧迫しない範囲で記載することが求められます。
アピールにつながるボランティア活動の内容
転職活動で評価されやすいボランティア活動には傾向があります。単に参加したという事実だけでなく、そこでどのような役割を果たし何を得たかが重要です。例えばチームリーダーとしてメンバーをまとめた経験や、イベントの企画運営に携わった経験は、マネジメント能力や企画力として評価されます。またプロボノと呼ばれる専門スキル(ITスキルや会計知識など)を活かしたボランティアは、実務能力の証明として非常に有効です。単なる奉仕活動としてではなく、ビジネススキルを発揮した経験として伝えることがポイントです。
ブランク期間(空白期間)の説明としての活用
離職期間が長く職歴にブランク(空白期間)がある場合、その期間中にボランティア活動を行っていたのであれば積極的に記載することをお勧めします。ブランク期間に何もしていなかったのではなく、社会との接点を持ち続け、自身のスキルアップや社会貢献のために時間を使っていたという事実は、採用担当者の懸念を払拭する材料になります。活動を通じて得た気づきや、仕事への復帰意欲と結びつけて記載することで、ブランク期間を前向きな準備期間としてアピールできます。
記載する際の注意点と避けるべき内容
ボランティア活動を記載する際には注意点もあります。政治的な活動や宗教的な活動に関するボランティアは、採用担当者によって受け取り方が異なるため、記載を控えるのが一般的です。個人の思想信条に関わる部分は、業務遂行能力とは直接関係がないと判断されることが多いためです。また、あまりにボランティア活動に熱心すぎると、仕事よりもそちらを優先してしまうのではないかという懸念を抱かれる可能性もあります。あくまで仕事が主軸であり、ボランティアは余暇や自己研鑽の一環であることをバランスよく伝える必要があります。
人柄や価値観を伝える補足要素として
最終的にボランティア活動の記載は、応募者の人柄や価値観を伝えるための補足要素として機能します。社会課題に対する意識の高さや、他者と協力して物事を進める協調性、主体的に行動する姿勢などは、どのような職種であっても好まれる資質です。実務経験のアピールを最優先としつつ、自身の人間的な魅力を伝えるスパイスとしてボランティア経験を上手に活用してください。履歴書全体を通して、一貫性のあるプロフェッショナルな人物像を描くことが書類選考通過の鍵となります。





