転職活動の履歴書。「全商」の資格は記載すべきか?
転職活動における履歴書の「全商」資格の扱い
転職活動において履歴書を作成する際、資格欄にどのような資格を記載すべきか、悩まれる方は少なくありません。特に、高等学校(主に商業高校)在学中に取得した「全商(全国商業高等学校協会)」が主催する各種検定(例。全商簿記実務検定、全商情報処理検定、全商ワープロ実務検定など)について、キャリア(職務経歴)を持つ転職活動の場で記載して良いものか、あるいはアピールになるのか、判断に迷う場合がございます。
採用担当者は「全商」の資格をどう見るか
採用担当者が履歴書の資格欄で確認しているのは、応募者の「基礎的な知識・スキル」や「学習意欲」であります。全商の各種検定は、主に高校生を対象としたものではありますが、簿記やPCスキルといった、ビジネスにおける基本的な技能を証明する公的な資格・検定であります。
そのため、これらの資格を保有していることは、応募者の基礎的な素養や、学生時代からの学習への取り組み姿勢を示すものとして、決してマイナスに評価されるものではございません。
転職で「全商」資格の記載が有効となるケース
全商の資格が、転職活動において特にアピールポイントとして有効に機能するケースがございます。例えば、社会人経験がまだ浅い「第二新卒」や20代前半の方の場合、職務経歴だけでは伝えきれない自身のポテンシャル(潜在能力)を補完する材料となり得ます。
また、応募先企業の業務内容と、取得した資格の内容が「関連」している場合は、年齢に関わらず記載すべきであります。例えば、未経験から事務職や経理職を目指す場合、「全商簿記実務検定試験(1級など)」を保有していることは、その分野への適性や基礎知識を有していることの強力な証明となります。
職務経験や上位資格とのバランス
一方で、応募者のキャリア(職務経歴)によっては、全商資格の記載の優先度が下がる場合もございます。例えば、既に応募する分野(例。経理)において、10年以上の豊富な実務経験を持っている場合、採用担当者が重視するのは資格そのものよりも、その実務経験の中身であります。
また、もし全商の資格(例。全商簿記)に加えて、より上位、あるいは転職市場で広く認知されている資格(例。日商簿記検定2級以上など)を併せて保有している場合は、スペース(枠)の都合上、上位の資格を優先して記載し、全商の資格の記載は省略する、という判断も考えられます。
履歴書の資格欄への正しい書き方(正式名称)
もし、履歴書の資格欄に全商の資格を記載する場合は、他の資格と同様に、取得した年月と共に、必ず「正式名称」で記載するのがビジネスマナーとしての基本であります。「全商簿記1級」といった一般的な略称ではなく、「全国商業高等学校協会主催 簿記実務検定試験1級 合格」のように、主催団体名と試験の正式名称を正確に記す必要がございます。
結論。関連性と学習意欲を示すものとして
転職活動の履歴書において、全商の資格は、応募先の職務内容との関連性が高い場合や、他にアピールできる資格が少ない場合、あるいは自身の基礎能力や学習意欲を示す補足材料として、記載することは有効な手段であります。自身のキャリア全体の中で、その資格がどのような位置づけになるのかを判断し、戦略的に記載することが求められます。





