事務職の転職。採用担当者に伝わる履歴書の書き方
事務職の転職活動と履歴書の役割
転職市場において、事務職は常に人気が高く、多くの応募者が集まる職種の一つであります。そのため、書類選考を通過するためには、採用担当者に自身の適性やスキルを的確に伝える履歴書の作成が不可欠です。採用担当者は、履歴書を通じて、応募者が事務職に求められる「正確性」や「基本的なPCスキル」、そして社内外の調整役としてふさわしい「人柄(誠実さ、協調性)」を備えているかどうかを判断しようとしています。
基本情報と写真。事務職に求められる「信頼感」
履歴書の上部に記載する日付(提出日)、氏名、連絡先といった基本情報は、省略せず正確に記載することが大前提です。事務職は「正確性」が命であるため、これらの項目での誤字脱字や記載漏れは、致命的なマイナス評価につながる可能性があります。
特に、証明写真は応募者の第一印象を大きく左右します。事務職は、他部署の社員や、時には来客と接する「会社の顔」としての側面も持つため、写真からは「清潔感」「誠実さ」「安心感」が伝わることが重要です。服装はビジネススーツを着用し、髪型や身だしなみを整え、知的で落ち着いた表情を心がけた写真を用意することが求められます。
学歴・職歴欄。事務経験の概要の示し方
学歴欄は、高等学校卒業から、あるいは最終学歴(専門学校、短期大学、大学)から、学校名・学部・学科名を正式名称で正確に記載します。
職歴欄は、これまでのキャリアの概要を示す項目です。これまでに勤務した会社名を、入社・退職の年月と共に時系列で正確に記載します。
事務職の経験がある場合は、「(一般事務職として従事)」「(営業事務として〇〇を担当)」といった形で、どのような種類の事務業務を担当していたのかを簡潔に補足すると、経歴が伝わりやすくなります。
未経験から事務職へ応募する場合でも、前職(現職)の経験を正確に記載します。(※具体的な業務内容やアピールポイントは、併せて提出する職務経歴書の方で詳細に記述します)
事務職の転職で最重要な「資格欄」
事務職の転職において、履歴書の「資格欄」は、自身のスキルを客観的に証明するための、最重要項目の一つであります。未経験からの転職であれば、なおさら資格の有無が熱意と基礎能力の証明となります。
例えば、「日商簿記検定(〇級) 合格」は経理事務や一般事務で、「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」(Word、Excel、PowerPointなど)はPCスキルを客観的に示す上で非常に強力なアピールポイントとなります。また、「秘書技能検定(〇級)」は、ビジネスマナーやサポート能力の高さを示すことができます。保有している関連資格は、取得年月と共に必ず正式名称で記載します。
熱意と適性を伝える「志望動機欄」
採用担当者が履歴書の中で特に注目するのが「志望動機」欄です。なぜ他の職種ではなく「事務職」を希望するのか、そして「なぜ他の多くの会社ではなく、その応募先企業」の事務職でなければならないのか、その理由を具体的に記載する必要があります。
未経験から応募する場合は、なぜ事務職にキャリアチェンジしたいのか、その前向きな理由と、前職(現職)で培ったスキル(例。接客業でのコミュニケーション能力、販売職での正確な在庫管理能力など)が、事務職の業務でどのように活かせると考えているのかを、論理的に説明することが求められます。
経験者の場合は、自身のこれまでの事務経験(例。〇〇(業務)の改善経験)が、応募先の業務でどのように貢献できるのかを、企業研究に基づき具体的に結びつけて伝えます。
「自己PR」欄。事務職としての強み
自己PR欄は、職歴欄や志望動機欄では伝えきれなかった自身の強みをアピールする項目です。履歴書のスペースは限られているため、自身の強みの「要点」を簡潔に記載します。
事務職として求められる強み、例えば「ミスのない正確な作業遂行能力」「PCスキル(特にExcelでの関数やピボットテーブルの使用経験など)」「(営業事務などであれば)他部署や顧客との円滑な調整能力」「(一般事務などであれば)頼まれた業務を確実にこなすサポート力・協調性」など、自身の強みを簡潔なエピソード(要約)と共に記載します。
「本人希望欄」の書き方
本人希望欄には、原則として給与や待遇といった条件面を詳細に記載することは避けます。特に希望がない場合は、「貴社(御社)の規定に従います。」と記載するのが一般的です。ただし、希望する勤務形態(例。正職員、パートタイム)や、勤務可能な時間帯、曜日、あるいは勤務地(複数の支社がある場合)について、絶対に譲れない条件がある場合のみ、その旨を簡潔に記載します。





