ネイリストの転職。採用担当者に伝わる履歴書の書き方
ネイリストの転職と履歴書の役割
ネイリストの方が転職を考える際、自身の技術力を示すポートフォリオ(作品集)は非常に重要であります。しかし、それと同時に、応募者の基本的なプロフィールや人柄、そしてキャリアの概要を伝えるための「履歴書」も、採用担当者(サロンのオーナーや店長)が応募者を判断する上で不可欠な書類となります。
採用担当者は、履歴書を通じて、応募者がどのような人物であるのか、基本的なビジネスマナーや誠実さを備えているか、そしてどのような環境で経験を積んできたのかを最初に確認します。
基本情報と写真。ネイリストに求められる「清潔感」
履歴書の上部に記載する日付(提出日)、氏名、連絡先といった基本情報は、省略せず正確に記載することが大前提であります。
特に、証明写真は応募者の第一印象を大きく左右します。ネイリストは、お客様の美容と「美」に直接関わる職業であり、技術者本人にも高い「清潔感」や「美的センス」が求められます。服装はビジネススーツや、それに準ずる清潔感のあるジャケット、襟付きのシャツ(ブラウス)などが基本となりますが、だらしない印象を与えないよう、髪型やメイクといった身だしなみにも細心の注意を払った写真を用意することが重要であります。
学歴・職歴欄。サロン概要と役割の明記
学歴欄は、高等学校卒業から、あるいはネイリストに関連する最終学歴(美容専門学校、ネイルスクールなど)から、学校名・コース名を正式名称で正確に記載します。
職歴欄は、これまでに勤務した法人名、サロン名、在籍期間を時系列で正確に記載します。その際、採用担当者が業務の規模感や環境を把握できるよう、「(ネイル専門店、スタッフ〇名、〇〇(立地)店)」といった形で、勤務先サロンの概要や客層を簡潔に補足すると、自身の経験の背景が伝わりやすくなります。
また、もし「店長」「副店長(サブ)」、あるいは「新人教育担当」といった役職や役割を担っていた場合は、その事実も必ず明記します。これは、自身のスキルレベルや責任範囲を示す上で重要な情報となります。
ネイリストの転職で最重要な「資格欄」
ネイリストの転職において、履歴書の「資格欄」は、自身の技術レベルを客観的に証明するための、最重要項目の一つであります。保有している資格は、取得年月と共に「正式名称」で正確に記載する必要がございます。
例えば、「JNECネイリスト技能検定試験(〇級) 合格」「JNAジェルネイル技能検定試験(〇級) 合格」「ネイルサロン衛生管理士 取得」といった、業界で認知されている資格は、自身の知識と技術の信頼性を示す強力なアピールポイントとなります。
熱意と適性を伝える「志望動機欄」
採用担当者が履歴書の中で特に注目するのが「志望動機」欄であります。なぜ他の多くのネイルサロンではなく、その応募先のサロンを志望するのか、その理由を具体的に記載する必要があります。
そのためには、応募先のサロンのデザイン(得意なテイスト)、技術レベル、使用している商材、顧客へのサービス方針などを事前にしっかりと研究することが不可欠であります。「貴店(御店)の〇〇(例。上品なデザイン、丁寧なカウンセリング)という点に深く共感し」といった形で、自身の価値観や得意分野と、応募先の特色とを結びつけて、熱意を伝えます。
「自己PR」欄。技術と接客の両面からアピール
自己PR欄は、職歴欄や資格欄では伝えきれなかった自身の強みをアピールする項目であります。履歴書のスペースは限られているため、自身の強みの「要点」を簡潔に記載します。
アピールすべきは、「技術面」と「接客面」の両方であります。技術面では、「ジェルネイル(特に〇〇アート)を得意としております」「丁寧かつスピーディーな施術を心がけております」といった内容です。接客面では、「お客様のニーズを深くくみ取るカウンセリング能力」「指名客数(あるいはリピート率)」「(もしあれば)物販の販売実績」など、サロンの売上に貢献できる強みをアピールします。
職務経歴書・ポートフォリオとの役割分担
履歴書は、あくまで自身のキャリアの「概要」と「熱意」を伝える書類であります。履歴書に記載した具体的な施術内容の詳細、得意なデザインの傾向、あるいは売上実績といった情報については、併せて提出する「職務経歴書」や「ポートフォリオ(作品集)」の方で、より詳細かつ具体的にアピールする必要がございます。この二つ(あるいは三つ)の書類の役割分担を意識し、一貫性のあるメッセージを伝えることが、書類選考を通過するための鍵となります。





