転職に伴う転居。履歴書の「本人希望欄」への書き方と注意点

転職活動と転居（引っ越し）の問題

転職活動において、応募先企業が現在の居住地から遠方にある場合、採用が決まれば転居（引っ越し）が必要となります。その際、履歴書の「本人希望欄」に、この転居の予定についてどのように記載すべきか、悩まれる方は少なくありません。採用担当者は、遠方からの応募者に対し、「本当に入社までに転居できるのか」「入社可能日はいつになるのか」といった点を懸念する場合がございます。本人希望欄は、こうした採用担当者の懸念を払拭し、自身の状況を正確に伝えるための重要な項目となります。

本人希望欄に「転居の意思」を記載する

内定後に転居（引っ越し）を予定している場合、本人希望欄には、その「意思」を明確に記載することが推奨されます。採用担当者に対し、入社にあたって転居の準備があることを示し、安心感を与えるためであります。

例えば、「内定をいただけましたら、速やかに貴社（御社）の近隣（あるいは〇〇市内など）へ転居の予定です。」といった形で、簡潔に記載します。あるいは、よりシンプルに「貴社（御社）への入社にあたり、転居に支障はございません。」と明記するだけでも、採用担当者の懸念を和らげる効果が期待できます。

転居と「入社可能日」の目安の記載

転居を伴う場合、採用担当者が次に気にするのは、物件探しや引っ越しの手続きを含め、「いつから入社が可能なのか」という具体的なスケジュールであります。在職中の方は、現職（前職）の業務の引き継ぎ期間に加え、転居に要する期間も考慮した上で、現実的な「入社可能日」の目安を記載することが非常に重要であります。

例えば、「内定後、現職（前職）の引き継ぎ及び転居の準備のため、〇ヶ月程度（あるいは〇週間程度）での入社が可能です。」や、「〇〇年〇月〇日以降の入社が可能です。」といった形で、時期を明示すると親切であります。

選考期間中に転居が重なる場合の連絡先

もし、転職活動の選考期間中に、既に決まっている別の引っ越し（転居）が重なり、履歴書に記載した住所や連絡先電話番号が変わる予定がある場合も、本人希望欄にその旨を補足説明しておく必要がございます。

例えば、「〇月〇日に転居予定のため、〇日以降の連絡先は下記となります。 住所。〒〇〇〇-〇〇〇〇 （新しい住所） 電話番号。〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇」といった形で、選考プロセス中に連絡の齟齬（そご）が生じないよう、配慮することがマナーであります。

転居の意思表示は「入社意欲」の表れ

遠方からの応募は、採用担当者にとって一つの懸念材料となり得ます。履歴書の本人希望欄を活用し、転居に対する明確な意思と、現実的な入社可能時期の目安を応募者側から主体的に提示することは、その懸念を払拭すると同時に、応募先企業への高い「入社意欲」を示すことにもつながります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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