転職の履歴書。志望動機欄の適切な「文字数（分量）」とは

転職における履歴書の志望動機欄と文字数

転職活動において履歴書を作成する際、その中に設けられている「志望動機」欄のスペース（枠）は、多くの場合、限られております。この限られたスペースに対し、どの程度の文字数（分量）を記載するのが適切なのか、悩む方は少なくありません。文字数が少なすぎると熱意が伝わらないのではないか、逆に多すぎると読みにくいのではないか、といった懸念が生じることがあります。

採用担当者が文字数（分量）から受ける印象

採用担当者は、履歴書の志望動機欄に記載された内容そのものと同時に、その「分量」からも、応募者の入社意欲や書類作成への姿勢を推し量ることがあります。例えば、スペース（枠）に対して文字数が極端に少ない（例。1行や2行程度）場合、「入社意欲が低いのではないか」「自社への関心が薄いのではないか」といった、マイナスの印象を与えてしまう可能性がございます。アピールの機会を十分に活用していないと見なされることもあります。

適切な文字数（分量）の一般的な目安

履歴書の志望動機欄に記載する文字数（分量）について、厳密な決まりはございません。しかし、一般的な目安として、設けられているスペース（枠）の「8割以上」は埋めることが望ましいとされています。テンプレート（雛形）の枠の大きさにもよりますが、文字数に換算すると、おおよそ200文字から300文字程度が目安となるケースが多いでしょう。この程度の分量があれば、自身の熱意の根拠を簡潔に、かつ具体的に示すことが可能となります。

文字数が多すぎる（枠内にぎっしり）場合の注意点

一方で、熱意を伝えたいあまり、限られたスペース（枠）に、非常に小さな文字でぎっしりと内容を詰め込むことも、必ずしも良い結果を生むとは限りません。採用担当者（読み手）の視点に立つと、「読みにくい」と感じさせてしまう可能性があります。また、情報を簡潔にまとめる能力（要約力）が低いのではないか、と判断される懸念もございます。

適切な文字数で伝えるための書き方のコツ

適切な文字数（分量）の中で、自身の熱意と論理を効果的に伝えるためには、書き方の工夫が求められます。まず、自身のこれまでの経験や強みと、応募先企業が求める人物像との「接点」を見つけ出し、最もアピールしたい核となるメッセージを明確にします。その上で、「結論（なぜ志望するか）」「根拠（どう活かせるか）」「貢献（どう貢献したいか）」といった論理的な構成を意識し、要点を簡潔にまとめることが重要であります。

履歴書と職務経歴書との役割分担

履歴書の志望動機欄（限られた文字数）では、熱意の「要点」や「結論」を簡潔に述べ、その具体的な根拠となるエピソードや、より詳細な貢献イメージについては、文字数の制限が比較的少ない「職務経歴書」（自己PR欄や志望動機欄）の方で詳しく記述する、といった「役割分担」を意識することも、有効な戦略であります。

文字数は目安。最も重要なのは「内容」

履歴書の志望動機欄の文字数（分量）は、あくまで採用担当者に熱意を伝えるための「目安」であります。文字数を守ること自体が目的ではございません。最も重要なのは、その限られた文字数の中で、いかに自身の経験と応募先企業への貢献意欲を、具体的かつ論理的に結びつけ、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる「内容」を記載できるかであります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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