転職活動の履歴書。A4サイズ1枚のテンプレートは有効か

転職活動と履歴書のサイズ・枚数

転職活動において、履歴書は応募先企業に提出する必須の応募書類の一つであります。この履歴書を作成する際、テンプレート（雛形）のサイズや枚数について悩む方は少なくありません。特に、ビジネス文書の標準である「A4サイズ」を選ぶとして、それを「1枚」にまとめるべきか、あるいは複数枚になっても良いのか、という点でございます。

転職における履歴書の標準サイズ

履歴書のテンプレート（雛形）には、主に「A4サイズ」（見開きA3）と「B5サイズ」（見開きB4）の二つの規格がございます。現在の転職活動においては、A4サイズがビジネス文書の標準であり、併せて提出する職務経歴書（通常A4で作成）とサイズを統一できるという観点から、A4サイズのテンプレートを選ぶことが一般的であります。

「A4 1枚」テンプレートの存在

一般的なA4サイズの履歴書テンプレートは、JIS規格（日本産業規格）などに準拠し、必要な項目（学歴・職歴、資格、志望動機、自己PRなど）を網羅するため、結果として「A4サイズ2枚」で構成されることがほとんどであります（見開きA3サイズを、A4用紙2枚に分けて印刷・データ化する形式）。

しかし、インターネット上などで探すと、全ての項目をA4用紙1枚に凝縮して収めた、簡易的なテンプレート（雛形）も見受けられます。

転職活動における「A4 1枚」のリスク

転職活動において、この「A4 1枚」に凝縮されたテンプレートを使用することには、注意が必要であります。社会人経験がまだ浅い第二新卒の方や、アルバイト・パートタイムの応募などで、記載すべき職歴やアピール内容が限られている場合には、1枚にコンパクトにまとめる方が見やすいケースもございます。

しかし、一定のキャリアを積んできた転職者の場合、A4サイズ1枚の限られたスペースに情報を無理に詰め込もうとすると、職歴欄や自己PR欄、志望動機欄が圧迫され、本来アピールすべき自身の経験や強み、熱意を十分に記載しきれない可能性が高くなります。

転職活動で推奨される分量

情報量が不足した履歴書は、採用担当者に対して自身の魅力を伝えきれず、書類選考で不利になる恐れがございます。そのため、一般的な転職活動においては、「A4 1枚」という枚数に固執するよりも、自身のキャリアやアピールポイントを過不足なく記載できる、標準的な「A4サイズ2枚」構成の履歴書テンプレート（雛形）を使用することが、結果として自身の経歴を正確に伝える上で最も適切であり、推奨される選択と言えます。

枚数よりも内容の充実が重要

履歴書のサイズや枚数（1枚か2枚か）という形式以上に、採用担当者が重視するのは、そこに記載されている「内容」そのものであります。テンプレート（雛形）はあくまで効率的に作成するための枠組みとして活用し、学歴・職歴の正確な記載はもちろん、志望動機や自己PRといった項目で、いかに自身の強みと入社意欲を具体的に伝えられるかを追求することが、書類選考を通過するための鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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