美容師の転職。職務経歴書の書き方とアピール術

美容師の転職と職務経歴書の重要性

美容師が転職を考える際、自身の技術力や接客スキルを証明する方法として、これまでの作品（スタイル写真など）を重視する傾向があります。しかし、採用担当者（オーナーや人事責任者）は、応募者がどのようなサロンで、どのような役割を担い、どのような実績を上げてきたのかを、客観的な書類として確認したいと考えています。職務経歴書は、そのために不可欠な書類であり、自身のキャリアを論理的に説明する役割があります。

職務要約。キャリアの概要を簡潔に

職務経歴書の冒頭には、自身のキャリアの概要をまとめた「職務要約」を記載します。採用担当者が最初に目を通す部分です。ここでは、美容師としての実務経験年数、主に担当してきた顧客層（例。ファミリー層、若年層など）、そして自身の得意な技術や強み（例。カット、ヘアカラー、ヘッドスパ）を、3行から5行程度で簡潔にまとめます。

職務経歴。勤務先サロンの概要

職務経歴欄には、勤務したサロン名と在籍期間を記載します。その上で、採用担当者が業務の規模感や環境を把握できるよう、勤務先サロンの概要を補足します。例えば、サロンの立地（例。駅前、郊外）、店舗の規模（セット面〇席、スタッフ〇名）、主な顧客層などを簡潔に記載すると、自身の経験の背景が伝わりやすくなります。

業務内容。技術スキルと得意分野

美容師の職務経歴書において、核となるのが「担当した業務内容」です。単に「スタイリスト業務」と記載するのではなく、具体的な技術メニューを明記します。例えば、「カット」「ヘアカラー（デザインカラー、白髪染め）」「パーマ（デジタルパーマ、縮毛矯正）」「ヘッドスパ」「ヘアセット」といった形で、自身が対応可能な技術の範囲を詳細に記述します。得意な技術があれば、それを中心に記載することも有効です。

実績のアピール。指名数や売上への貢献

技術力を客観的に示す指標として、具体的な「実績」の記載は非常に重要です。美容師の場合、月間や年間の「個人売上高」や、その「目標達成率」、あるいは「指名客数（指名売上）」を明記することが、自身の顧客獲得能力やリピート率の高さを示す強力なアピールとなります。また、「店販（物販）の売上実績」なども、サロンへの貢献度を示す指標として有効です。

技術以外の役割。マネジメントや後輩指導

スタイリスト業務以外に担ってきた役割も、自身のキャリアを示す上で重要です。例えば、「店長」「副店長」としての店舗運営や売上管理、スタッフのシフト管理といった「マネジメント経験」。あるいは、新人スタッフやアシスタントへの技術指導（OJT）を行った「教育・指導経験」などは、リーダーシップや組織への貢献意識を示すものとして高く評価されます。

自己PR。応募先で活かせる強み

自己PR欄では、これまでの経験を通じて培った技術や接客スキルが、応募先（次のサロン）でどのように活かせるのかを具体的に述べます。例えば、技術の研鑽を怠らない姿勢、お客様のニーズを深くくみ取るカウンセリング能力、チームワークを重んじる協調性など、自身の強みと応募先のサロンの方針や特色を結びつけてアピールすることが、転職成功の鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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