職務経歴書の適切な分量・どれくらい書くのがベストか

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を応募先企業に伝えるための重要な書類であります。その作成にあたり、ご自身の経験を「どれくらい書くべきか」、その適切な分量や文字数について悩む方も少なくありません。採用担当者にご自身の強みを的確に、かつ負担なく読んでもらうためには、全体のバランスを考慮したまとめ方が求められます。

採用担当者の視点と職務経歴書の分量

採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通す必要があり、非常に多忙であります。そのため、ご自身の経験を伝えたいあまり、書類の枚数が膨大になってしまうと、かえって要点が伝わりにくく、最後まで読んでもらえない可能性もあります。職務経歴書で最も重要なのは、ご自身の強みが「簡潔に、かつ具体的に」伝わることであり、読みやすさへの配慮が不可欠であります。

全体の分量の目安はA4用紙１枚から２枚

職務経歴書全体の適切な分量の目安は、A4用紙で１枚から２枚程度とされています。社会人経験がまだ浅い方や、第二新卒の方は１枚に要点をまとめると良いでしょう。キャリアが長く、記載すべき内容が多い方であっても、情報を整理・取捨選択し、多くとも３枚以内に収めるのが望ましいであります。情報量が多すぎると、本当に伝えたい核心的な強みや実績が埋もれてしまう恐れがあるためであります。

職務要約（概要）はどれくらい書くか

職務経歴書の冒頭に記載する「職務要約」は、ご自身のキャリアの「あらすじ」を伝える重要な部分であります。ここは特に簡潔さが求められ、具体的な文字数の目安としては、２００文字から３００文字程度、A4用紙で３行から５行程度に収めるのが適切であります。ここで採用担当者の関心を引き、その後に続く詳細な経歴を読み進めてもらうための導入とします。

職務経歴詳細は「強弱」をつけて書く

ご自身の職歴すべてを、同じ熱量（分量）で詳細に書く必要はありません。採用担当者が中途採用において最も知りたいのは、ご自身が「今、どのようなスキルを持っているか」であります。したがって、ご自身の経験の中でも「直近の経験」（例えば、直近の５年から１０年程度）は、どのような業務を、どのように工夫し、どのような実績を上げたのかを具体的に、詳しく書くことが推奨されます。一方で、それ以前の古い職歴や、応募先の業務との関連性が低いと判断される経験については、在籍期間と主な業務概要を記す程度に「簡潔に」まとめる、といった情報の「強弱」をつけることが有効であります。

自己PRはどれくらい書くか

書類の最後などに記載する「自己PR」欄も、ご自身の強みと貢献意欲を伝える重要な項目でありますが、長すぎると要点が伝わりません。職務要約と同様に、３行から５行程度（文字数にして２００文字から４００文字程度）の分量を目安に、最も伝えたいご自身の強みと、応募先企業でどのように貢献できるのかを凝縮して記述します。

分量と具体性のバランスが鍵

職務経歴書にどれくらいの分量を書くべきかという問題は、最終的には採用担当者にとっての「読みやすさ」とのバランスで決まります。定められた分量の中で、ご自身の経験、スキル、そして実績が、いかに「具体的」に伝わるかを意識することが重要であります。常に読み手の視点に立ち、ご自身のキャリア情報を整理することが、書類選考を通過する鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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