職務経歴書における「有給消化中」の記載方法

転職活動において、応募書類はご自身の状況を応募先企業に正確に伝えるための重要なものであります。特に、前職（あるいは現職）の有給休暇を消化している期間中に転職活動を行う場合、ご自身の現在のステータス（状況）を職務経歴書にどのように記載すべきか、悩む方もいらっしゃるかもしれません。

「有給消化中」の基本的な考え方

まず、有給休暇を消化している期間中であっても、まだ正式な退職日を迎えていない場合は、企業との雇用契約は継続している状態、すなわち「在職中」であります。しかし、採用担当者が知りたいのは、ご自身が「いつから入社可能か」という具体的な情報であります。そのため、単に「在職中」と記載するだけでは、情報として不十分な場合があります。

職務経歴書への具体的な記載方法

採用担当者にご自身の状況を正確に伝え、選考をスムーズに進めてもらうためには、有給消化中である事実と、確定している退職予定日を明記するのが最も親切な書き方であります。職務経歴書の職歴欄、最後の勤務先の記述部分に補足します。

最終出社日と退職予定日の明記

具体的な記載方法としては、まず在籍期間の最後に「現在に至る」や「在職中」と書く代わりに、具体的な日付を示します。例えば、「（最終出社日：〇年〇月〇日、〇年〇月〇日付で退職予定）」といった形で、既にご自身の業務引継ぎが完了しており、あとは退職日を待つのみである状況を客観的に伝えます。

「有給消化中」と直接記載する方法

あるいは、「（現在、有給休暇消化中。〇年〇月〇日付で退職予定）」と、より直接的に記載する方法もあります。どちらの表記であっても、ご自身の最終的な退職日がいつであるかが明確に伝わることが重要であります。

入社可能時期を併せて伝える

有給消化中であるということは、多くの場合、退職予定日を待たずとも、応募先企業の内定が出れば入社（勤務開始）の調整が可能であることを意味します。この「入社可能時期」についても、職務経歴書の自己PR欄や、履歴書の本人希望欄などで補足説明すると、採用担当者は選考スケジュールを組みやすくなります。

入社可能時期の補足例

例えば、「現在、有給休暇消化中であり、〇年〇月〇日の退職予定日以降は即時入社が可能です。また、内定をいただいた場合は、現職との調整の上、退職予定日前の入社についても相談可能です」といった形で、ご自身の柔軟な対応が可能であることを伝えます。

採用担当者への配慮が信頼に繋がる

ご自身の現在の状況と、入社可能な時期を具体的かつ正確に職務経歴書に記載することは、採用担当者への配慮であり、ご自身の誠実さを示すことにも繋がります。円滑な選考プロセスと、入社後のスムーズなスタートのために、正確な情報提供を心掛けてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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