職務経歴書の形式・編年体と逆編年体の違いと選び方
転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を応募先企業に伝えるための重要な書類であります。履歴書とは異なり、職務経歴書には法律などで定められた決まった「形式(フォーマット)」が存在しません。だからこそ、ご自身の経験を最も効果的に、かつ採用担当者にとって分かりやすく伝えられる形式をご自身で選択する必要があります。その代表的な形式が「編年体」と「逆編年体」であります。
職務経歴書の形式と採用担当者の視点
採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通します。その中で、ご自身の経歴がどのような構成でまとめられているかは、第一印象を大きく左右します。情報が整理されておらず、時系列や業務内容が分かりにくい書類は、それだけで内容を深く読み込んでもらえない可能性もあります。ご自身のキャリアを正確に、かつ魅力的に伝えるために、最適な形式を選ぶことが求められます。
編年体形式(古い順)の特徴
「編年体形式」とは、ご自身の職歴を「古い順」に記載する形式を指します。つまり、社会人として最初に経験した勤務先から始まり、時系列に沿って現在(あるいは直近)の職歴に向かって書き進めていく方法であります。ご自身のキャリアの歩みを、年表のように示す構成となります。この形式は、ご自身のキャリアの成長過程や、一貫したステップアップの様子を採用担当者に分かりやすく伝えられる利点があります。
逆編年体形式(新しい順)の特徴
「逆編年体形式」とは、編年体形式とは対照的に、ご自身の職歴を「新しい順」に記載する形式であります。つまり、直近の勤務先(または現在在籍中の勤務先)から書き始め、過去に遡って経歴を記載していく方法であります。この形式の最大の利点は、採用担当者が最も知りたい情報、すなわちご自身の「最新の経験」や「現在のスキル」を、書類の一番最初に提示できる点にあります。
中途採用で推奨されるのはどちらか
現在の中途採用市場において、最も一般的であり、推奨される形式は「逆編年体形式」(新しい順)であります。中途採用において企業が求めるのは、多くの場合「即戦力」であります。ご自身のキャリアの中で、最も新しい職務経験は、現在のご自身の能力や専門性を最も正確に反映している情報であります。「直近から」記載することで、応募先企業の募集内容と、ご自身のスキルがいかに合致しているかを、最も効果的にアピールすることができます。
ご自身のキャリアを効果的に伝えるために
職務経歴書は、ご自身の経験を伝えるためのプレゼンテーション資料でもあります。採用担当者にとって、ご自身の強みや即戦力性が最も伝わりやすい形式はどれか、という視点で選択することが重要であります。特別な事情や企業からの指定がない限り、中途採用では「逆編年体形式」を選ぶことをお勧めします。ご自身の最新の強みを最初に提示し、採用担当者の関心を引きつけることが、書類選考を通過するための重要な戦略であります。





