職務経歴書の書き方・農業の経験を伝える方法
農業経験の職務経歴書における価値
農業の仕事は、天候や市況といった外的要因に対応しながら計画的に生産を行う、専門性の高い業務であります。職務経歴書では、その経験を具体的に示すことで、ご自身の持つ計画性、管理能力、そして専門知識を効果的にアピールすることが可能あります。
勤務先の概要(経営形態)の明記
採用担当者がご自身の経験の背景を理解できるよう、まずは勤務先の概要を記載します。個人経営の農家であったか、農業生産法人であったか、あるいは協同組合(JA)などであったか、その経営形態や規模(例:耕地面積、従業員数)を簡潔に示します。
担当作物の種類と生産プロセスの具体化
ご自身が主に携わってきた作物の種類(例:稲作、野菜(トマト、レタス)、果樹)や、畜産(例:酪農、養豚)について具体的に記述します。その上で、「播種・育苗」「土壌管理」「施肥・農薬散布」「収穫」「出荷調整」など、どの生産プロセスを担当していたのかを明確にします。
生産管理と技術的な取り組み
農業経験の核心となるのが、生産管理のスキルであります。年間の作付計画の立案、天候や生育状況に応じた作業スケジュールの調整、あるいは病害虫防除(IPM)や土壌分析といった、専門的な技術や知識に基づいた取り組みを具体的に示します。
機械操作とメンテナンスのスキル
農業用機械の操作経験は、明確な技術スキルとして高く評価されます。「トラクター」「コンバイン」といった大型機械の操作、あるいは「ドローンによる農薬散布」「自動灌水システムの管理」といった先進技術の活用経験は、ご自身の専門性を裏付けます。日常的な点検やメンテナンスの経験もあれば、併記します。
効率化や品質向上への「工夫」
日々の業務の中で、ご自身が主体的に行った「工夫」や「改善(カイゼン)」も重要なアピールポイントであります。「新しい栽培方法を導入し、反収(収穫量)を〇%向上させた」「作業動線を見直し、収穫時間を短縮した」「規格外品の発生を抑える工夫をした」など、品質や効率の向上に貢献した点を記述します。
販売・流通(6次産業化)の経験
もし、生産だけでなく、販売や流通に関わった経験があれば、それは強力な強みとなります。例えば、「農産物直売所での販売・接客」「ECサイト(オンラインストア)の運営・梱包発送」「卸売市場やレストランとの交渉」といった、いわゆる6次産業化に関わる経験は、ビジネス感覚をアピールする材料となります。
異業種へアピールできる汎用的な能力
農業の経験で培われる「体力」や「忍耐力」はもちろんですが、それ以外にも多くの汎用的な能力(ポータブルスキル)があります。「天候に左右されながらも納期を守るスケジュール管理能力」「コスト(肥料代、燃料代)を意識した運営能力」「自然相手の予期せぬトラブルに対応する課題解決能力」などは、製造業や物流、営業職など、多くの業界で活かすことができる強みであります。





