職務経歴書における年収の記載について
転職活動において、応募書類はご自身の経歴と能力を伝える重要なものであります。その中で、ご自身の「年収」(特に現在または直近の年収)をどのように伝えるべきか、職務経歴書に記載する必要があるのかどうか、悩む方もいらっしゃるかもしれません。
職務経歴書と年収情報の関係性
まず、職務経歴書は、ご自身がこれまでにどのような職務を経験し、どのようなスキルを培ってきたのかを具体的に示すための書類であります。履歴書がご自身の基本的なプロフィールを伝えるものであるのに対し、職務経歴書は実務能力をアピールする場となります。そのため、職務経歴書の標準的な様式(フォーマット)には、「年収」を記載する専用の欄は設けられていないのが一般的であります。
企業が年収(現年収)を知りたい理由
一方で、応募先企業にとって、ご自身の現在(あるいは直近)の年収は、選考を進める上で非常に重要な情報となります。これは、採用後に提示する給与(オファー給与)を決定する際の、重要な基準点の一つとなるためであります。また、ご自身が前職でどの程度の評価や責任範囲を担っていたかを推し量るための一つの参考情報としても用いられます。
職務経歴書への具体的な記載方法
職務経歴書自体への年収の記載は必須ではありませんが、もし記載することでご自身の市場価値を示したい場合や、給与水準のミスマッチを防ぎたいと考える場合には、記載する方法もあります。その場合、職務経歴詳細の、直近の勤務先企業の概要欄(会社名や事業内容などを記す部分)などに、「(現年収:約〇〇万円)」といった形で、補足的に簡潔に記載することが考えられます。
記載する年収の内容について
職務経歴書や応募フォームなどで「年収」を記載する場合、一般的には税金や社会保険料が差し引かれる前の「総支給額」を指します。月々の給与(基本給、諸手当)に加えて、賞与(ボーナス)も含めた年間の合計金額を、誠実に記載することが大切であります。
履歴書の「本人希望欄」との違い
履歴書には「本人希望記入欄」が設けられていることが多くあります。この欄は、ご自身の「現在の年収」を記載する場所ではなく、主に「希望する勤務地」や「希望する職種」、あるいは「希望する年収(希望年収)」を伝えるために使用されます。現在の年収(現年収)と、将来希望する年収(希望年収)は、区別して考える必要があります。
応募フォーム(入力欄)の優先
近年の転職活動では、企業の採用ウェブサイトや転職情報サイトを通じて、専用の応募フォームからエントリーすることが主流であります。これらの応募フォームには、「現在の年収(現年収)」や「希望年収」を入力する専用の欄が、あらかじめ設けられていることがほとんどであります。その場合は、職務経歴書の書類本体に無理に記載する必要はなく、指定された入力欄に正確な情報を記入することが最も適切な対応となります。





