職務経歴書に記載すべき内容と書き方の基本

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を応募先企業に伝えるための、非常に重要な書類であります。履歴書がご自身の基本的なプロフィールを示すものであるのに対し、職務経歴書は、これまでの「職務経験の内容」を具体的に示し、ご自身が即戦力として貢献できる人材であることをアピールする役割があります。採用担当者が知りたいと考える、記載すべき基本的な内容について解説します。

職務経歴書の目的と内容の重要性

職務経歴書の内容は、ご自身がどのような環境で、どのような業務を担当し、どのようなスキルを培ってきたのかを、採用担当者が正確に把握するためにあります。そのため、単に在籍していた企業名を羅列するのではなく、ご自身の経験の「中身」を分かりやすく、具体的に記述することが求められます。

職務要約（冒頭の概要）

職務経歴書の冒頭には、ご自身のこれまでのキャリア全体を簡潔にまとめた「職務要約」を記載します。採用担当者が最初に目を通す部分であり、ここでご自身の専門性や強みの概要を伝えます。数行程度で、どのような経験を積んできた人材なのかが伝わるようにまとめることが重要であります。

職務経歴詳細（具体的な業務経験）

職務経歴書の中心となるのが、この詳細な経歴部分であります。一般的には、時系列（直近の経験から遡る「逆編年体形式」が推奨されます）に沿って、勤務した企業ごとに記載します。在籍期間、会社名、事業内容、従業員数といった企業概要に加え、ご自身が所属していた部署や役職を明記します。

職務内容を具体的に記述する

採用担当者が最も重視するのが、各企業でご自身が担当してきた具体的な「職務内容」であります。「営業」や「事務」といった抽象的な言葉だけでは、ご自身のスキルは伝わりません。「どのような商材を、どの顧客層に対し、どのような手法で」提案していたのか、あるいは「どのようなツールを使い、どのようなデータを管理していたのか」といった、第三者が読んでも業務をイメージできる具体性が不可欠であります。

実績（数値による貢献度）

担当した業務内容に加え、その業務を通じてどのような「成果」や「実績」を上げたのかを記載することも、ご自身の能力を客観的に示す上で非常に有効であります。可能であれば、「売上目標に対し〇％達成」「業務フロー改善により作業時間を月〇時間削減」といった、具体的な「数値」を用いて貢献度を示すと、強い説得力を持ちます。

活かせる経験・スキル

これまでの経験を通じて得た専門的なスキルや知識を、まとめて記載する欄も有効であります。例えば、パソコンスキル（Word、Excelの具体的な習熟度など）、語学力（TOEICスコアなど）、業務に関連する専門資格（〇〇免許取得）などを、正式名称で正確に記載します。

自己PR（意欲と強みの集大成）

書類の最後には「自己PR」欄を設け、これまでの経験を通じて培ったご自身の強みや、仕事に対する姿勢を伝えます。単なる長所のアピールではなく、ご自身の経験や能力が、応募先企業でどのように活かせるのか、貢献できるのかという視点でまとめることが大切であります。

内容は応募先に合わせて調整する

職務経歴書の内容は、一度作成したら終わりではありません。応募する企業がどのような人材を求めているのかを募集要項から深く読み取り、ご自身の経験の中から、その企業で最も活かせると考える内容を意図的に選び、強調して記述する「最適化」の作業が、書類選考を通過する鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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