職務経歴書の疑問解決・よくある悩みの書き方

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアを応募先企業に伝えるための重要な書類であります。履歴書と異なり、職務経歴書には決まった形式がないため、その書き方に悩む方は少なくありません。ご自身の経歴をどのように表現すれば良いか、特定の状況をどう書けば良いかと、インターネット上のQ&Aサイト（知恵袋など）で具体的な解決策を探す方も多くいらっしゃいます。ここでは、多くの方が共通して抱える疑問や悩みについて、その考え方と書き方を解説します。

なぜ職務経歴書の作成で悩むのか

職務経歴書に決まった形式がないということは、ご自身の経歴を最も魅力的に見せるための構成をご自身で考える必要がある、ということです。キャリアは一人ひとり異なるため、他の人の見本がそのままご自身に当てはまるとは限りません。アピールできるような実績がないと感じたり、経歴に自信が持てない部分があったりすると、どのように書くべきか筆が止まってしまうことがあります。

アピールできるスキルが見つからない場合

職務経歴書に書くべき「スキル」とは、特別な資格や専門技術だけではありません。ご自身が日々の業務の中で「当たり前」に行ってきたことの中にも、企業が求める能力は隠されています。例えば、ミスなく正確にデータを入力する「正確性」、期限を守って業務を遂行する「計画性」、あるいは他部署やお客様と円滑にやり取りする「コミュニケーション能力」も、立派なスキルであります。

短期間の職歴（短期離職）の扱い

入社から短期間で退職した経歴がある場合、それを記載すべきか迷うことがあります。しかし、職務経歴書には、原則として全ての職歴を正確に記載するのが基本的なルールであります。意図的に記載を省略すると、職歴に不自然な「空白期間」が生まれ、かえって採用担当者に不信感を抱かせる可能性があります。短期間であっても、その事実を誠実に記載し、面接の場でその背景や反省点を説明できるように準備しておくことが重要であります。

経歴の「空白期間（ブランク）」の説明

病気療養、家族の介護、資格取得の学習、あるいは転職活動の長期化など、様々な理由で職歴に空白期間（ブランク）が生じることもあります。この場合も、その事実を隠すのではなく、職務経歴書に簡潔に理由を記載することが推奨されます。「〇年〇月～〇年〇月 〇〇（資格名）取得のため学習に専念」や「病気療養のため（現在は完治しており、業務に支障はありません）」といった形で、客観的な事実と現在の状況を補足します。

アルバイト経験などの記載

正社員としての経験がない場合や、空白期間を埋める説明として、アルバイトやパートタイムの経験を記載することも有効であります。その際は、「（アルバイト）」と雇用形態を明記の上、担当していた業務内容を具体的に記述します。単なる作業の羅列ではなく、その経験を通じて何を学び、どのような姿勢で取り組んでいたのかを伝えることが大切であります。

第三者への相談の有効性

ご自身一人で悩んでしまう場合は、第三者の客観的な視点を取り入れることも重要であります。Q&Aサイトでの情報収集も一つの手段ではありますが、ご自身のキャリア全体を理解した上でのアドバイスは得にくい側面もあります。転職エージェントのキャリアアドバイザーや、ハローワークの相談員といった専門家に相談することで、ご自身では気づかなかった強みを発見し、書類の質を具体的に高めていくことができます。

疑問を解消し、自信を持って提出する

職務経歴書は、ご自身のキャリアを誠実に伝えるための書類であります。不安な点や疑問点を一つひとつ解消し、ご自身の経験を具体的な言葉で表現することで、採用担当者にその価値は必ず伝わります。ご自身の歩んできた経歴に自信を持ち、論理的で分かりやすい書類作成を心掛けてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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