職務経歴書の作成・基本的な流れとポイント
転職活動において、職務経歴書はご自身のこれまでの経験やスキルを、応募先企業に伝えるための重要な書類です。履歴書がご自身の基本的なプロフィールをまとめたものであるのに対し、職務経歴書は「どのような仕事で、どのような成果を出してきたか」を具体的に示す役割があります。採用担当者はこの書類を見て、ご自身が自社で活躍できる人材であるかを判断します。
職務経歴書作成の重要性
職務経歴書の作成は、単に応募のためだけではなく、ご自身のキャリアを客観的に振り返る良い機会でもあります。ご自身の強みや専門性を再確認し、それを採用担当者に分かりやすく伝えることが、書類選考を通過する第一歩となります。内容が整理されており、ご自身の魅力が伝わる書類を作成することが求められます。
まずは「キャリアの棚卸し」から
職務経歴書をいきなり書き始めるのではなく、まずはご自身のこれまでの経験を詳細に書き出す「キャリアの棚卸し」から始めることが重要です。在籍した企業名、在籍期間、所属部署、担当した具体的な業務内容、その中でご自身が工夫した点、そして(可能であれば)数値で示せる実績などを、時系列で全て書き出してみます。この作業が、後の作成プロセスをスムーズにします。
適切な形式(フォーマット)の選定
職務経歴書には、履歴書のような決まった形式はありませんが、一般的に用いられるいくつかの形式があります。現在の中途採用で最も推奨されるのは、ご自身の職歴を「新しい順」に記載する「逆編年体形式」です。採用担当者が最も関心を持つ「直近の経験」から伝えることができるため、即戦力性をアピールするのに適しています。
パソコンでの作成が基本
職務経歴書は、手書きではなくパソコン(Wordなど)で作成するのが一般的です。パソコンで作成することで、文字が読みやすくなるだけでなく、後から修正したり、応募先企業ごとに内容を調整(最適化)したりすることが容易になります。用紙の大きさはA4サイズ、枚数は1枚から3枚程度に収めるのが、読みやすさを考慮した目安です。
具体的な記述と実績の数値化
書類作成の際は、各項目を具体的に記述することが重要です。特に職務経歴詳細の欄では、単に「営業」と書くだけでなく、「どのような商材を、どの顧客層に、どのような手法で」提案していたのかを明確にします。また、実績を伝える際は、「売上目標〇%達成」「業務時間を月〇時間削減」といったように、客観的な「数値」を用いると、ご自身の貢献度がより強く伝わります。
作成後の丁寧な見直し
職務経歴書が完成したら、必ず最後に見直しを行います。誤字脱字がないかはもちろんのこと、文章が冗長になっていないか、専門用語を使いすぎて伝わりにくくなっていないかなど、採用担当者の視点に立って客観的に読み返します。声に出して読んでみるのも、不自然な表現を見つけるのに有効です。
応募先に合わせた内容の最適化
作成した職務経歴書は、全ての企業に同じものを提出するのではなく、応募先企業が求める人物像や募集要項の内容に合わせて、その都度、強調するポイントを調整(最適化)することが理想です。ご自身の経験の中から、その企業で最も活かせると考える部分を意図的にアピールすることが、転職成功への鍵となります。





