職務経歴書の「経歴要約」の書き方と例文
転職活動で使用する職務経歴書において、「経歴要約」はご自身の第一印象を決定づける非常に重要な項目です。採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通すため、まずこの冒頭の数行を読んで、その応募者の経験やスキルが自社の求める人物像と合致するかを判断します。ここで採用担当者の関心を引き、続く詳細な経歴を読み進めてもらうための「あらすじ」の役割を果たします。
経歴要約に含めるべき要素
経歴要約には、ご自身のキャリアの核心となる情報を簡潔に盛り込む必要があります。まず、これまでどのような業界や職種で、どれくらいの期間の経験を積んできたのかという概要を示します。次に、その経験を通じて培った専門性や強み、得意とする分野を明確にします。可能であれば、その強みを客観的に裏付けるような実績(例:売上目標の達成率や管理した人数など)を簡潔に添えると、説得力が増します。
適切な長さの目安
経歴要約は、あくまで「要約」です。詳細な業務内容や具体的なエピソードは、その後に続く「職務経歴詳細」の欄で具体的に記述します。経歴要約が長すぎると、採用担当者は要点を掴むのに時間がかかってしまいます。一般的には、3行から5行程度に収めるのが、読みやすさを考慮した適切な長さの目安です。
【例文】営業職の経歴要約
大学卒業後、〇〇株式会社にて約〇年間、一貫して法人向け営業に従事してきました。主に〇〇業界向けの新規開拓営業を担当し、顧客の課題解決型ソリューション提案を得意としております。在職中は、個人の売上目標を〇期連続で120%以上達成しました。
【例文】事務職の経歴要約
約〇年間、事務職としてのキャリアを積んできました。直近の〇〇株式会社では、営業事務として受発注管理、請求書発行、電話・メールでの顧客対応を担当しました。Excelの関数やVLOOKUPを活用した業務効率化を提案し、月〇時間の作業時間削減を実現した経験もあります。
【例文】技術職(エンジニア)の経歴要約
Webエンジニアとして約〇年の実務経験があります。主に〇〇(言語名)を用いたBtoC向けWebアプリケーション開発に従事し、要件定義から設計、実装、テストまでの一連の工程を担当してきました。小規模ながら〇名のチームリーダーとして、プロジェクトの進捗管理を行った経験もあります。
【例文】未経験職種へ応募する場合
現職では約〇年間、アパレル業界にて販売職として店舗運営に携わりました。個人の売上目標達成に加え、新人スタッフの指導や在庫管理も担当しました。この経験で培った高い対人折衝能力と数値管理能力を活かし、未経験ではありますが、貴社の営業職として貢献したいと考えております。
応募先に合わせて調整する重要性
経歴要約は、一度作成したら終わりではありません。全ての応募企業に同じ内容を提出するのではなく、応募先の企業が募集要項でどのような人材を求めているのかを深く読み解くことが大切です。その上で、ご自身の数ある経験の中から、その企業に最も響くと考える強みや経験を意図的に選び、強調するように内容を調整(最適化)するひと手間が、書類選考の通過率を高める鍵となります。





