職務経歴書におけるキャリア式(キャリア形式)とは
転職活動で使用する職務経歴書には、ご自身のキャリアをどのように見せるかによって、いくつかの代表的な書き方の形式があります。その中でも「キャリア式(キャリア形式)」と呼ばれる書き方は、ご自身の「職務内容」や「スキル」を軸にまとめていく、専門性を際立たせるのに適した形式です。
キャリア式(キャリア形式)の概要
職務経歴書の書き方として最も一般的なのは、経歴を時系列(多くは新しい順)に沿って記載する「逆編年体形式」です。これに対し「キャリア式」は、時系列ではなく、ご自身が経験してきた職務内容や分野、プロジェクトといった「機能(キャリア)」ごとに経歴を分類し、再構成する書き方を指します。
キャリア式が適しているケース
この形式は、特定の専門性を強くアピールしたい場合に有効です。例えば、ITエンジニアの方が「プロジェクトマネジメント」「システム開発(使用言語別)」「インフラ構築」といった分野別に経験を整理したい場合や、フリーランス(個人事業主)として複数の短期プロジェクトを経験してきた方が、プロジェクト内容ごとに実績をまとめたい場合などに適しています。
キャリア式の利点
キャリア式で記載する最大の利点は、ご自身が持つ専門スキルや経験の幅を、採用担当者に一目で分かりやすく提示できる点にあります。時系列に縛られないため、応募先企業が求めているスキルに関連する経験が、たとえ数年前のものであったとしても、それを目立たせる形でアピールすることが可能です。
キャリア式の注意点
一方で、キャリア式には注意点もあります。スキルや分野ごとに経歴をまとめるため、それぞれの経験が「いつ」行われたのか、時系列が分かりにくくなるという側面があります。採用担当者によっては、キャリアの空白期間(ブランク)や転職回数の多さを把握しづらいと感じる場合や、ご自身のキャリアの変遷(成長の過程)が伝わりにくくなる可能性もあります。
キャリア式の基本的な構成
キャリア式で作成する場合、まず冒頭に「職務要約」を記載します。次に、ご自身のスキルや経験を「〇〇の経験」「△△のスキル」といった形でカテゴリ分けし、そのカテゴリごとに、関連する具体的な業務内容や実績を記述していきます。
職務経歴一覧の併記
キャリア式を用いる場合、時系列が不明確になるという点を補うため、書類の最後などに「職務経歴一覧」として、在籍した企業名と在籍期間だけを時系列(新しい順、または古い順)で簡潔に併記することが一般的です。これにより、ご自身の経歴の全体像と専門性の両方を、採用担当者に誠実に伝えることができます。





