履歴書の「マルタ語」。その希少価値を「強み」に変える書き方
転職(中途採用)で「マルタ語」はアピールになるか
転職活動で履歴書を作成する際、「マルタ語(主にマルタ共和国で話される言語)」の学習経験や実務経験をどう書けばよいか、悩む方は少なくありません。「TOEICや英検のように、一般的な資格試験がない」「どう書けばアピールになるのか」と不安に思うのは当然のことです。
しかし、結論から言いますと、マルタ語のスキルは、現代の転職市場において「非常に希少(きしょう)価値が高く、他者と圧倒的な差別化が図れる」強力な武器です。
英語や中国語のように「できる人」が多すぎないため、あなたの「オンリーワン」の強みとなり得ます。
採用担当者は、そのスキル自体だけでなく、**「なぜ、そんなに難しい(=教材の少ない)言語を学んだのか」という「探究心」や「継続力」**にも、応募者としての人格的な強さとして、強い関心を抱きます。
特に、マルタはEU加盟国であり、海運業、金融、近年ではiGaming(オンラインゲーム)産業などの拠点でもあるため、関連企業でその知識が評価される可能性があります。
ここでは、あなたの「マルタ語」スキルを、採用担当者に「強み」として正しく伝えるための、履歴書の書き方を詳しく解説します。
1. 履歴書の「どこに」マルタ語スキルを書くか
アピールの仕方によって、記載するのに最適な場所が異なります。
1. 「免許・資格」欄
(客観的な資格・検定を持っている場合)
これが、あなたのスキルを客観的に証明する最も強力な場所です。「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」に基づく認定資格などを持っている場合は、ここに記載します。
2. 「自己PR」欄(最も推奨)
(資格はないが、実務経験や留学経験がある場合)
資格はなくても、実務(仕事)で使っていた、あるいは留学・在住経験がある場合、この欄で「どのレベルで使えるのか」を具体的にアピールするのが最適です。
3. 「趣味・特技」欄
まだ学習の初期段階であったり、趣味として学んでいたりする場合でも、「特技」として記載することは有効です。「特になし」と書くより、遥(はる)かに強い印象(知的好奇心、継続力)を残せます。
2. 【最重要】「レベル感」を具体的に示す書き方
履歴書において、最もNGなのは「マルタ語ができます」とだけ書いてしまうことです。これでは、採用担当者はあなたのレベル(日常会話なのか、挨拶程度なのか)を全く判断できません。
公的な資格が日本で一般的でない分、ご自身の「技能レベル」を、客観的な言葉で具体的に説明する必要があります。
避けるべきNGな書き方(曖昧)
- (NG例):特技:マルタ語
- (NG例):マルタ語が話せます
評価されるOKな書き方(レベルを具体的に補足)
- (OK例1):マルタ語(日常会話レベル)
- (OK例2):マルタ語(基本的な読解、および挨拶程度の会話が可能)
- (OK例3):大学にてマルタ語(または、地中海地域研究)を専攻
- (OK例4):マルタでの在住経験(〇年間)
- (OK例5):ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR) B1レベル 取得(マルタ語)
3. マルタ語の経験を「ビジネススキル」に“翻訳”する
採用担当者が知りたいのは、マルタ語のスキルそのものよりも、その「希少な言語」を習得したあなたの「人間性」や「ポテンシャル」です。
「自己PR」欄などで、以下の「強み」に翻訳してアピールしましょう。
強み1:探究心・主体性
まず、「なぜ、マルタ語を?」という疑問への答えです。「他人とは違う分野」に興味を持ち、自ら学んだ姿勢は「主体性」のアピールになります。
強み2:継続力・忍耐力
日本国内では、マルタ語の学習教材や環境は非常に限られています。それを習得した(または、学習を継続している)という事実は、「困難な目標にも、諦(あきら)めずに取り組める」という「継続力」の最強の証(あかし)です。
強み3:異文化適応力
もし、現地(マルタ)での居住経験や、留学経験があるならば、それは「全く異なる文化や環境にも飛び込める」という「適応力」の証明になります。
4. 【例文】履歴書への具体的な書き方
ご自身のレベルや、アピールしたい「強み」に合わせて使い分けましょう。
例文1:「特技」欄で、簡潔に「継続力」をアピールする場合
【特技】
マルタ語
(補足:大学時代に地中海文化に興味を持ち、〇年間学習を継続しています。日常会話レベルの会話が可能です。この継続力は、貴社の〇〇業務でも活かせると考えます。)
例文2:「自己PR」欄で、「探究心・継続力」をアピールする場合
【自己PR】
私の強みは、困難な目標にも継続して取り組む**『探究心』です。
学生時代に〇〇(きっかけ)からマルタ語に興味を持ち、日本国内では教材が少ない中、独学とオンラインレッスンで学習を〇年間継続しています。
この「主体的に学び続ける姿勢」と、目標達成までのプロセスを工夫する「継続力」**は、貴社の〇〇(応募職種)においても、新しい知識の習得や、困難な課題への取り組みの面で必ず役立つと考えます。
例文3:「自己PR」欄で、「異文化適応力」をアピールする場合(留学経験者)
【自己PR】
私の強みは、未知の環境にも飛び込み、成果を出せる**『適応力』です。
マルタへ〇年間留学した際、専攻の〇〇とは別に、マルタ語の学習に挑戦しました。異なる文化や価値観を持つ現地の方々と、現地の言葉で交流を深めた経験は、多様性を受け入れる『柔軟性』に繋がっています。
この『異文化適応力』**と課題解決力は、貴社の〇〇(例:新規事業、海外展開)においても必ず活かせると確信しております。
5. 結論。マルタ語は「希少性」と「継続力」の最強の証
採用担当者は、マルタ語のスキルそのものだけでなく、**「なぜ、そんなに習得が困難な言語を学んだのか(目的意識)」と「どうやって学んだのか(継続力・主体性)」**に、応募者としての人格的な強さを感じ取ります。
応募先の業務と直接関係がなくても、それは「他人と違う、オンリーワンの武器」であり、あなたの「知的好奇心」や「継続力」を証明する、何よりの証拠です。
資格がないからと謙遜(けんそん)せず、ご自身の「レベル感」と「熱意」を具体的に示し、自信を持ってアピールしましょう。





